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ティルスへ
11.とっくに切れまくり?
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「簡単だわ。ランド・スチュワードで話が止まってしまうのね。
あの警備隊長、碌に話も聞かなかったもの。
彼もガンズさん達の仲間なんでしょう?」
「お嬢様の癖に世間のこと知ってるみたいな言い方じゃん。
普通のお嬢様なんて、ドレスと結婚相手のことしか考えてないもんだろ?
やっぱ変な奴だよな、あんたって」
「アレク、言葉遣いに気をつけろよ。
俺がブチ切れる前にまともな話し方をしろ」
アレクが小声で、
「だったら時間を遡らないとな。
とっくに切れまくりじゃん」
「取り敢えず座りましょう。
ルーカス、明日の朝一番でブルック伯爵に先触れを送ってちょうだい」
「畏まりました。ランド・スチュワードに問題があるなら、私が直接持って参りましょう。
話を有耶無耶にされては時間の無駄ですから」
「そうね、お願いするわ。
それが解決したらアレクに洗いざらい吐いてもらうわ」
「「リディア様!」」
ルーカスとマーサがリディアの言葉遣いに慌てている。
「あら? 使い方おかしかったかしら」
「やめてください。リディア様がそんな言葉を使われたと知られたら、セオやイーサンに殺されます」
「おっさ・・ルーカスにも怖い人がいんだ。
へぇ、会ってみてえ」
「ええ、近々会えるわよ。
この街の問題を解決したら、アレクは私たちと一緒にパルミラ経由でうちに帰るから」
「すげ~、もう解決するって決まってるみたいじゃん」
「勿論よ、ブルック伯爵にはとても仲良くして頂いてるの。
あの方も間違った事はお嫌いだから、このくらいの問題なら簡単に対処して下さるわ」
「なあルーカス、お嬢様の言ってる事って妄想とかじゃなくマジ?」
「ああ、マジだ。やると仰ったら必ずやり遂げる。
周りの迷惑とか考えてないしな」
アレクが首を傾げて悩んでいる。
「それって有難いの? うざいの?」
「味方になるか敵になるかで変わってくる。
お前はどっちにするかよく考えとけよ」
考え事に夢中で二人の話を聞いていなかったリディアは、
「アレク、漁師ギルドの長老って何人いるの?」
「3人。一人は爺さんでほぼ引退してる。
もう一人は頑張ってるけど、何にも成功してない」
「他には誰かいないのかしら?」
アレクは腕を組み、
「うーん。親方連中も頑張ってるけど、ギルドを追い出されたらやってけないからって結局泣き寝入りしてる」
「アレクは随分と詳しいのね」
「まあね、頑張ってる方の長老がちょいちょい飯を食わせてくれるんだ。
で、その時に話を聞いてるから」
「その方の思い込みって事はないかしら?」
「どう言う事?」
「噂って怖いでしょう? ガンズさんってああ言う性格の人だからそれで誤解されてるだけとか。
実は口先だけとか」
「それはないな。ガンズやベレルが漁師達を脅してるのは何度も見たし」
「なんて言ってた?」
「俺たちに楯突いたら、お前は一切魚を売れなくなるんだぞとか。
ギルドから追い出すとか」
「間違いなさそうですね」
「ではガンズさんとベレルさんを、今日のうちに捕まえてしまいましょう」
「「「はあ?」」」
あの警備隊長、碌に話も聞かなかったもの。
彼もガンズさん達の仲間なんでしょう?」
「お嬢様の癖に世間のこと知ってるみたいな言い方じゃん。
普通のお嬢様なんて、ドレスと結婚相手のことしか考えてないもんだろ?
やっぱ変な奴だよな、あんたって」
「アレク、言葉遣いに気をつけろよ。
俺がブチ切れる前にまともな話し方をしろ」
アレクが小声で、
「だったら時間を遡らないとな。
とっくに切れまくりじゃん」
「取り敢えず座りましょう。
ルーカス、明日の朝一番でブルック伯爵に先触れを送ってちょうだい」
「畏まりました。ランド・スチュワードに問題があるなら、私が直接持って参りましょう。
話を有耶無耶にされては時間の無駄ですから」
「そうね、お願いするわ。
それが解決したらアレクに洗いざらい吐いてもらうわ」
「「リディア様!」」
ルーカスとマーサがリディアの言葉遣いに慌てている。
「あら? 使い方おかしかったかしら」
「やめてください。リディア様がそんな言葉を使われたと知られたら、セオやイーサンに殺されます」
「おっさ・・ルーカスにも怖い人がいんだ。
へぇ、会ってみてえ」
「ええ、近々会えるわよ。
この街の問題を解決したら、アレクは私たちと一緒にパルミラ経由でうちに帰るから」
「すげ~、もう解決するって決まってるみたいじゃん」
「勿論よ、ブルック伯爵にはとても仲良くして頂いてるの。
あの方も間違った事はお嫌いだから、このくらいの問題なら簡単に対処して下さるわ」
「なあルーカス、お嬢様の言ってる事って妄想とかじゃなくマジ?」
「ああ、マジだ。やると仰ったら必ずやり遂げる。
周りの迷惑とか考えてないしな」
アレクが首を傾げて悩んでいる。
「それって有難いの? うざいの?」
「味方になるか敵になるかで変わってくる。
お前はどっちにするかよく考えとけよ」
考え事に夢中で二人の話を聞いていなかったリディアは、
「アレク、漁師ギルドの長老って何人いるの?」
「3人。一人は爺さんでほぼ引退してる。
もう一人は頑張ってるけど、何にも成功してない」
「他には誰かいないのかしら?」
アレクは腕を組み、
「うーん。親方連中も頑張ってるけど、ギルドを追い出されたらやってけないからって結局泣き寝入りしてる」
「アレクは随分と詳しいのね」
「まあね、頑張ってる方の長老がちょいちょい飯を食わせてくれるんだ。
で、その時に話を聞いてるから」
「その方の思い込みって事はないかしら?」
「どう言う事?」
「噂って怖いでしょう? ガンズさんってああ言う性格の人だからそれで誤解されてるだけとか。
実は口先だけとか」
「それはないな。ガンズやベレルが漁師達を脅してるのは何度も見たし」
「なんて言ってた?」
「俺たちに楯突いたら、お前は一切魚を売れなくなるんだぞとか。
ギルドから追い出すとか」
「間違いなさそうですね」
「ではガンズさんとベレルさんを、今日のうちに捕まえてしまいましょう」
「「「はあ?」」」
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