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ティルスへ
9.ルーカスのスイッチはどこに
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「王子様? 巫山戯るのは大概にしなさい。
今は真面目な話をしてるんです」
「良いじゃん、男はでっかい夢を持たなきゃな。
王子様になって贅沢三昧の酒池肉林ってどうよ」
ルーカスがきつい口調でアレクを叱り始めた。
「子供の癖に何が酒池肉林だ! 意味を分かってから言いなさい」
「おっさん知らないの? 酒池肉林ってのはな、山盛りの酒と肉で豪奢な酒盛りをするって事だぞ。
おっさん頭良さそうなのに、まさか勘違いしてる?
肉って女の「思うか、馬鹿野郎! それからな、おっさん言うな! 今度言いやがったらけつが腫れ上がるぐらい叩いて椅子に座れなくしてやるから覚えとけ!」」
ルーカスの剣幕に全員が息を呑んだ。
「おっさ・・るっルーカス?
あんた、医者にも宗教家にもどっちにも見えねえけど、スパンキングが趣味か?
なら、イラクサの枝と革紐のどっち派?」
「てめえ、ふざけんじゃねえ。ケツを出せ! その根性叩き直してやる。
枝やら紐なんざいらねえ、手でぶっ叩いてやるから覚悟しろ!」
リディアとマーサはルーカスのあまりの剣幕に恐れをなし、気付くと部屋の端までじわじわと下がっていた。
リディアがマーサの耳元で囁く。
「マーサ、ルーカスが壊れちゃった。
お兄様が言ってた“ルーカスの丁寧すぎる口調が乱れたら要注意” って、これの事かしら?」
「そっそうですね。
初めて見ましたが凄いです。どこにスイッチがあったんでしょうか?」
「・・おっさん?」
リディアとマーサは、知らず知らずのうちにお尻を両手で隠していた。
アレクはルーカスを煽っている最中も周りの様子に気付いていたようで、
「ルーカス、あんたの貴婦人達が怯えてるぜ?」
ルーカスはハッと気付いて後ろを振り返り、壁に張り付いているリディア達を見つけた。
ルーカスは身体が二つ折りになる程頭を下げ、
「驚かせてしまって申し分けありません。
目の前で乱暴な言葉遣いをしてしまい、なんとお詫び申し上げて良いのか」
「良いのよ、あのちょっとびっくりしただけだから。
私、ルーカスのこと“おっさん” って言わないように気をつけるわね」
「は?」
「えーっと、ルーカスのスイッチって違うとこだった?」
リディア達の困惑を他所に、机の上に置かれていたパンの包みをそっと服の中に隠した後、床にしゃがみ込み何やらゴソゴソしている。
「くっそぉ、ベッドの下かよ。
通りで見つからないわけだよ。
ったく、あんなとこまで蹴り込んだら手が届かねえじゃん」
アレクはルーカスがベットの下に蹴り込んでいた靴を見つけ、呑気に身体半分を潜り込ませて靴を取ろうとしていた。
「ぐへっ」
今は真面目な話をしてるんです」
「良いじゃん、男はでっかい夢を持たなきゃな。
王子様になって贅沢三昧の酒池肉林ってどうよ」
ルーカスがきつい口調でアレクを叱り始めた。
「子供の癖に何が酒池肉林だ! 意味を分かってから言いなさい」
「おっさん知らないの? 酒池肉林ってのはな、山盛りの酒と肉で豪奢な酒盛りをするって事だぞ。
おっさん頭良さそうなのに、まさか勘違いしてる?
肉って女の「思うか、馬鹿野郎! それからな、おっさん言うな! 今度言いやがったらけつが腫れ上がるぐらい叩いて椅子に座れなくしてやるから覚えとけ!」」
ルーカスの剣幕に全員が息を呑んだ。
「おっさ・・るっルーカス?
あんた、医者にも宗教家にもどっちにも見えねえけど、スパンキングが趣味か?
なら、イラクサの枝と革紐のどっち派?」
「てめえ、ふざけんじゃねえ。ケツを出せ! その根性叩き直してやる。
枝やら紐なんざいらねえ、手でぶっ叩いてやるから覚悟しろ!」
リディアとマーサはルーカスのあまりの剣幕に恐れをなし、気付くと部屋の端までじわじわと下がっていた。
リディアがマーサの耳元で囁く。
「マーサ、ルーカスが壊れちゃった。
お兄様が言ってた“ルーカスの丁寧すぎる口調が乱れたら要注意” って、これの事かしら?」
「そっそうですね。
初めて見ましたが凄いです。どこにスイッチがあったんでしょうか?」
「・・おっさん?」
リディアとマーサは、知らず知らずのうちにお尻を両手で隠していた。
アレクはルーカスを煽っている最中も周りの様子に気付いていたようで、
「ルーカス、あんたの貴婦人達が怯えてるぜ?」
ルーカスはハッと気付いて後ろを振り返り、壁に張り付いているリディア達を見つけた。
ルーカスは身体が二つ折りになる程頭を下げ、
「驚かせてしまって申し分けありません。
目の前で乱暴な言葉遣いをしてしまい、なんとお詫び申し上げて良いのか」
「良いのよ、あのちょっとびっくりしただけだから。
私、ルーカスのこと“おっさん” って言わないように気をつけるわね」
「は?」
「えーっと、ルーカスのスイッチって違うとこだった?」
リディア達の困惑を他所に、机の上に置かれていたパンの包みをそっと服の中に隠した後、床にしゃがみ込み何やらゴソゴソしている。
「くっそぉ、ベッドの下かよ。
通りで見つからないわけだよ。
ったく、あんなとこまで蹴り込んだら手が届かねえじゃん」
アレクはルーカスがベットの下に蹴り込んでいた靴を見つけ、呑気に身体半分を潜り込ませて靴を取ろうとしていた。
「ぐへっ」
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