【第一章完結】相手を間違えたと言われても困りますわ。返品・交換不可とさせて頂きます

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オークリー&カルム

11.賭けの結果は?

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「なにで勝負する?」

「待って下さい。リディア様、いくらなんでも無茶すぎます。
勝負で決めるとか、絶対駄目です」

 リディアはセオの腕を叩きにっこり笑った。

「えーっと、船で皆さんが良くやるのって何がありますの?」

「だから、駄目ですってば」

「サイコロかカードだな。どっちが良い?」
「では、カードで」

「リディア様、駄目ですってば」
 リディアの腕を掴もうとするセオ。

「種類は?」
「どれでもお好きなのを」

「リディア様、本「ブラックジャックにするか。
セオが煩くてしょうがねえ。
おい、この後ちょっとでも喋ったら去勢して簀巻きにすんぞ」」

「脅されても無駄です。リディア様、お部屋に・・むぐぅ」

 レオに口を押さえられセオが暴れている。

「お嬢様、本当に宜しいんですの?」
「ええ、決めきれないから神頼みかしら?」


「親は俺、一発勝負でどうだ?」
「良いですわよ。ブラックジャックって21に近づけるんでしたわよね」
「ああ、大丈夫か?」

「ルールは分かってますから、カードをお願いします」


 ニールがカードをシャッフルして、カードを2枚ずつ配った。
 リディアが手元のカードを確認した後、ニールはカードを表向きにした。

 ニールのカードはスペードの6とハートの7。

 リディアは2回ヒットし手持ちのカードは4枚になった。
 ニールはその後ハートの6を引いて、合計19。

 リディアがカードをオープンする。ダイヤの3・ハートの5・ダイヤの7・クラブの6。

 レオが呆然としている。
「マジかよ、21って」

 セオが真っ青な顔で床に座り込んだ。

「では、船長さん。これから宜しくお願いしますね」
「おう、勝負だからしょうがねえな。
宜しく頼むぜ、リディア・ポーレット伯爵令嬢」

「ご存知でしたの?」

「いや、今の勝負で思い出した。
ポーレット伯爵家にはとんでもない令嬢がいるって、以前ジジイが言ってたってな」

「ニールは侯爵様と随分仲が宜しいのですね」
「まあな、一応俺達の父親だからな」

 キョトンとしているリディア。

「誰と誰の父親ですの?」
「俺とレオの」
「お二人はご兄弟でしたの?」
「「そこから?」」

 ニールとレオが声を揃えた。

「リディア様は、色んなところが鈍くていらっしゃいますから」

 セオがツッコミを入れた。

「ビックリですわ。では船長さんを手に入れた上に、侯爵家との交渉もできたような物ですのね」

「何がしたいのかよく分からんが、まぁお嬢の希望は叶うだろうよ。
俺が船長なら、多分だがレオもオマケでついてくるぞ。
しかし、自分の一生をカードで決めるとかあり得んだろ」

「勝負を受けたお前がそれを言うか?」
 セオがニールを睨んだ。

「騾馬の時もそうでしたの。
勘? きっと良い結果が出るってそんな予感がしましたの。
だから、それを信じてみました」

「騾馬? もしかしてお嬢はスペンサー商会の」
「はい、商会長を務めております。今後とも宜しくお願いしますね」


 リディア達は、漸く夢の実現に一歩近付いた。

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