23 / 95
オークリー&カルム
5.中抜き、賄賂にピンハネ
しおりを挟む
「失礼しました。私はリディア・ポー・・唯のリディア。こっちがセオで彼女はマーサ」
「んで、何でこんなとこに? ここはお嬢が遊びに来るようなとこじゃねえ。道にでも迷ったか?」
リディアが話をしようとするとセオが慌てて話し始める。
「大した理由はなくて、ちょっと港町を覗いてみ「新しい関税について教えて頂けません?」」
ガックリと肩を落とし頭を抱えたセオを横目で見ながら、
「この港に船を着けられるかなって思って、調査に来ましたの。
そうしたら、偶々関税の事で揉めている最中だってお聞きしたものですから」
「いいかお嬢様、こいつは若い貴族のお嬢様には関係ない事だ。
お遊びに付き合ってる暇はねえ。
物見遊山の船なら次期に港を使えるようになる」
レオが冷たく言い放つ。
「商売の船ですの。
だから何に課税するつもりなのかとても気になりますでしょう?」
「お嬢が商売? おままごとの道具でも売るつもりかい」
「まだ何も言えませんの。
この港が商用利用出来るのか、どの位の収容能力があるのか知りたくて」
レオとニールは不審げな顔で暫くリディアを見ていた。
腕を組んだレオが口を開いた。
「そこのにいちゃん、セオっつったっけか。
この惚けたお嬢さんの言う事は本当か?」
「・・本当です。港が落ち着いてから出直すつもりでしたが、残念な事に足止めを食ってしまったので」
ニールが頭をガシガシとかきながら、
「そいつはすまなかったなぁ。
かなり気が立ってたから、金持ちの馬車を見た途端頭に血がのぼっちまって」
レオが席を立って、男達と出て行った。
「取り敢えず食ってくれ。食いながら説明するよ」
「では、遠慮なく。やっぱりお魚料理が多いのですね」
「ああ、魚は苦手かい?」
「好き嫌いはないので大丈夫ですわ。これは鰻ですわね」
「ああ、そっちは虹鱒でこれがブリーク。鯉の仲間だな」
「では、積荷に課税を?」
「ああ、今までは通行と港の使用が課税されてたが今度は積荷に従量制の課税をすると言い出しやがった。そんな事になったら商売にならねえ」
「それは問題だわ。どうしてそんな事を言い出したのかしら」
「この辺りには商人ギルドも職人ギルドもねえからな。
役人がやりたい放題やってる」
「領主様は何も仰いませんの?」
「あのおっさんが役人に全権を任せてるからいけねえんだ。
ちょっと前から随分と忙しくなったらしくてな、港の事は管理局に丸投げしやがった。
んで、奴らはやりたい放題で贅沢しまくってる」
「中抜きですの?」
「賄賂にピンハネ、何でもありだな。
新しい関税だって、領主に報告するかどうか分からんな」
「でも、武力行使は良くありませんわ」
「まぁな、ありゃ唯の威嚇よ。よっぽどじゃなきゃ戦うつも「大変だ! ニール、奴らが港と街道を封鎖しやがった」」
「んで、何でこんなとこに? ここはお嬢が遊びに来るようなとこじゃねえ。道にでも迷ったか?」
リディアが話をしようとするとセオが慌てて話し始める。
「大した理由はなくて、ちょっと港町を覗いてみ「新しい関税について教えて頂けません?」」
ガックリと肩を落とし頭を抱えたセオを横目で見ながら、
「この港に船を着けられるかなって思って、調査に来ましたの。
そうしたら、偶々関税の事で揉めている最中だってお聞きしたものですから」
「いいかお嬢様、こいつは若い貴族のお嬢様には関係ない事だ。
お遊びに付き合ってる暇はねえ。
物見遊山の船なら次期に港を使えるようになる」
レオが冷たく言い放つ。
「商売の船ですの。
だから何に課税するつもりなのかとても気になりますでしょう?」
「お嬢が商売? おままごとの道具でも売るつもりかい」
「まだ何も言えませんの。
この港が商用利用出来るのか、どの位の収容能力があるのか知りたくて」
レオとニールは不審げな顔で暫くリディアを見ていた。
腕を組んだレオが口を開いた。
「そこのにいちゃん、セオっつったっけか。
この惚けたお嬢さんの言う事は本当か?」
「・・本当です。港が落ち着いてから出直すつもりでしたが、残念な事に足止めを食ってしまったので」
ニールが頭をガシガシとかきながら、
「そいつはすまなかったなぁ。
かなり気が立ってたから、金持ちの馬車を見た途端頭に血がのぼっちまって」
レオが席を立って、男達と出て行った。
「取り敢えず食ってくれ。食いながら説明するよ」
「では、遠慮なく。やっぱりお魚料理が多いのですね」
「ああ、魚は苦手かい?」
「好き嫌いはないので大丈夫ですわ。これは鰻ですわね」
「ああ、そっちは虹鱒でこれがブリーク。鯉の仲間だな」
「では、積荷に課税を?」
「ああ、今までは通行と港の使用が課税されてたが今度は積荷に従量制の課税をすると言い出しやがった。そんな事になったら商売にならねえ」
「それは問題だわ。どうしてそんな事を言い出したのかしら」
「この辺りには商人ギルドも職人ギルドもねえからな。
役人がやりたい放題やってる」
「領主様は何も仰いませんの?」
「あのおっさんが役人に全権を任せてるからいけねえんだ。
ちょっと前から随分と忙しくなったらしくてな、港の事は管理局に丸投げしやがった。
んで、奴らはやりたい放題で贅沢しまくってる」
「中抜きですの?」
「賄賂にピンハネ、何でもありだな。
新しい関税だって、領主に報告するかどうか分からんな」
「でも、武力行使は良くありませんわ」
「まぁな、ありゃ唯の威嚇よ。よっぽどじゃなきゃ戦うつも「大変だ! ニール、奴らが港と街道を封鎖しやがった」」
21
お気に入りに追加
904
あなたにおすすめの小説
婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。
桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。
「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」
「はい、喜んで!」
……えっ? 喜んじゃうの?
※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。
※1ページの文字数は少な目です。
☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」
セルビオとミュリアの出会いの物語。
※10/1から連載し、10/7に完結します。
※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

【完結】婚約者も両親も家も全部妹に取られましたが、庭師がざまぁ致します。私はどうやら帝国の王妃になるようです?
鏑木 うりこ
恋愛
父親が一緒だと言う一つ違いの妹は姉の物を何でも欲しがる。とうとう婚約者のアレクシス殿下まで欲しいと言い出た。もうここには居たくない姉のユーティアは指輪を一つだけ持って家を捨てる事を決める。
「なあ、お嬢さん、指輪はあんたを選んだのかい?」
庭師のシューの言葉に頷くと、庭師はにやりと笑ってユーティアの手を取った。
少し前に書いていたものです。ゆるーく見ていただけると助かります(*‘ω‘ *)
HOT&人気入りありがとうございます!(*ノωノ)<ウオオオオオオ嬉しいいいいい!
色々立て込んでいるため、感想への返信が遅くなっております、申し訳ございません。でも全部ありがたく読ませていただいております!元気でます~!('ω')完結まで頑張るぞーおー!
★おかげさまで完結致しました!そしてたくさんいただいた感想にやっとお返事が出来ました!本当に本当にありがとうございます、元気で最後まで書けたのは皆さまのお陰です!嬉し~~~~~!
これからも恋愛ジャンルもポチポチと書いて行きたいと思います。また趣味趣向に合うものがありましたら、お読みいただけるととっても嬉しいです!わーいわーい!
【完結】をつけて、完結表記にさせてもらいました!やり遂げた~(*‘ω‘ *)

傍若無人な姉の代わりに働かされていた妹、辺境領地に左遷されたと思ったら待っていたのは王子様でした!? ~無自覚天才錬金術師の辺境街づくり~
日之影ソラ
恋愛
【新作連載スタート!!】
https://ncode.syosetu.com/n1741iq/
https://www.alphapolis.co.jp/novel/516811515/430858199
【小説家になろうで先行公開中】
https://ncode.syosetu.com/n0091ip/
働かずパーティーに参加したり、男と遊んでばかりいる姉の代わりに宮廷で錬金術師として働き続けていた妹のルミナ。両親も、姉も、婚約者すら頼れない。一人で孤独に耐えながら、日夜働いていた彼女に対して、婚約者から突然の婚約破棄と、辺境への転属を告げられる。
地位も婚約者も失ってさぞ悲しむと期待した彼らが見たのは、あっさりと受け入れて荷造りを始めるルミナの姿で……?

ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?
ルーシャオ
恋愛
完璧な令嬢であれとヴェルセット公爵家令嬢クラリッサは期待を一身に受けて育ったが、婚約相手のイアムス王国デルバート王子はそんなクラリッサを嫌っていた。挙げ句の果てに、隣国の皇女を巻き込んで婚約破棄事件まで起こしてしまう。長年の王子からの嫌がらせに、ついにクラリッサは心が折れて行方不明に——そして約十二年後、王城の古井戸でその白骨遺体が発見されたのだった。
一方、隣国の法医学者エルネスト・クロードはロロベスキ侯爵夫人ことマダム・マーガリーの要請でイアムス王国にやってきて、白骨死体のスケッチを見てクラリッサではないと看破する。クラリッサは行方不明になって、どこへ消えた? 今はどこにいる? 本当に死んだのか? イアムス王国の人々が彼女を惜しみ、探そうとしている中、クロードは情報収集を進めていくうちに重要参考人たちと話をして——?

妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。
バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。
瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。
そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。
その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。
そして……。
本編全79話
番外編全34話
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
婚約破棄された公爵令嬢は虐げられた国から出ていくことにしました~国から追い出されたのでよその国で竜騎士を目指します~
ヒンメル
ファンタジー
マグナス王国の公爵令嬢マチルダ・スチュアートは他国出身の母の容姿そっくりなためかこの国でうとまれ一人浮いた存在だった。
そんなマチルダが王家主催の夜会にて婚約者である王太子から婚約破棄を告げられ、国外退去を命じられる。
自分と同じ容姿を持つ者のいるであろう国に行けば、目立つこともなく、穏やかに暮らせるのではないかと思うのだった。
マチルダの母の祖国ドラガニアを目指す旅が今始まる――
※文章を書く練習をしています。誤字脱字や表現のおかしい所などがあったら優しく教えてやってください。
※第二章まで完結してます。現在、最終章について考え中です(第二章が考えていた話から離れてしまいました(^_^;))
書くスピードが亀より遅いので、お待たせしてすみませんm(__)m
※小説家になろう様にも投稿しています。

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
「無加護」で孤児な私は追い出されたのでのんびりスローライフ生活!…のはずが精霊王に甘く溺愛されてます!?
白井
恋愛
誰もが精霊の加護を受ける国で、リリアは何の精霊の加護も持たない『無加護』として生まれる。
「魂の罪人め、呪われた悪魔め!」
精霊に嫌われ、人に石を投げられ泥まみれ孤児院ではこき使われてきた。
それでも生きるしかないリリアは決心する。
誰にも迷惑をかけないように、森でスローライフをしよう!
それなのに―……
「麗しき私の乙女よ」
すっごい美形…。えっ精霊王!?
どうして無加護の私が精霊王に溺愛されてるの!?
森で出会った精霊王に愛され、リリアの運命は変わっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる