【第一章完結】相手を間違えたと言われても困りますわ。返品・交換不可とさせて頂きます

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第一章 はじまり

8.ハルク船

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「運送用のハルク船を5艘注文しましょう。
それと、もう少し小さめの護衛用を2艘」

「5艘とは多すぎませんか? もし貴族達が計画に乗って来なかったら、かなりの赤字です」

「間違いなく乗ってくるわ。
彼らは倉庫に余裕が出来てお金になるんだもの。やらないわけがないと思う」

「もしやらないようなら、現地で買い付ける方法もありますね」
 セオは、リディアの意見を後押ししてくれる。

「そん時は、費用割増か?」

「勿論です。輸送コスト等全てこちら持ちになるんですから」

「ルーカスって、リディア様よりエグいな」
「ビジネスだからね」

「どちらにも損にならない価格帯でやればいいわ。暴利を貪って恨みを買う必要はないもの」

「じゃあ、ルーカスは船の購入手続きを。
イーサンは商人ギルドと同職ギルドの根回しをお願い。
セオには、ルーカスと一緒に川上と川下の港の準備をして貰うわ。中継地点の港も必要ね。
人の手配は私が」

「「「「駄目です」」」」

「何で?」
 全員の反対にリディアがビックリしている。

「それだと、リディア様はお一人であちこち彷徨くつもりでしょう?」

「彷徨くとか酷くない? マーサもいるし、必要ならちゃんと護衛も頼むつも「頼みませんね、絶対。前科ありますから」」
 セオが、リディアの話を遮った。

 リディアが小声でいじけている。
「犯罪者みたいじゃん。商会長さん、かわいそうだなあ」

「自業自得ですね。
日頃の行いとでも言いますか。
護衛なしでフラフラ出歩くリディア様に問題があります」

「公爵家行く時だってなー」
「えーっ、あの時はちゃんと護衛頼みましたぁ」
「たったの2人な」

「しかも、馬車の座席の下は宝石だらけ」

 ガダガタバタン。3人が一斉に立ち上がり、椅子が倒れた。

「「「はあ?」」」

「マーサ、それは内緒って約束したじゃない」
「してません。可愛くお願いされましたけど、お返事してませんから」
「うっ、酷い」

「女の武器は、女には通用しないって覚えてくださいね」

「じゃあ、男の人になら通じるの?」
「通じますとも。その後に起こる事に責任が持てるなら」
「では、教えて。何が起きるの?」
「知りたいですか?」
「勿論よ」
「そこの3人じゃんけんしますか? 勇気があれば手を挙げますか?」

「はい! やります」
と、イーサンがセオの右手を上げている。

「マーサ、あれってどっち? 上げてるに入るの?」


「リディア様、じっくり・ゆっくりお話した方が良さそうですね。危険予測と防衛について」
 セオが、睨みつけている。リディアは小さくなって、
「ごめんなさい。次は気をつけます」


「マーサ。今度リディア様が無謀な事をしそうになったら、簀巻きにして俺達の誰かに連絡してくれ」
「なんなら猿轡込み?」

「みんな、怖すぎ」
「それが怖かったら、暢気に出歩かない事ですね」

「はい」
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