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第一章 はじまり
2.パーティー
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「何でリディアがあそこにいたのよ。
馬車に細工したからまだ着かないはずだったでしょう?」
「思ったより早く修理出来たんでしょう」
「何呑気な事言ってるのよ。
リディアがここに乗り込んできたらどうするつもり?
折角結婚式が終わったって言うのに」
「取り敢えず披露パーティーの準備をしませんと」
ミリアーナが時計を見て慌てた。
「そうね、急いでちょうだい。
リディアの事は何とかするしかないわ。今夜を過ぎたら誰にも文句言えなくなるんだから」
その頃リディアは馬車に揺られて来た道を逆戻りしていた。
「お嬢様、ミリアーナ様を放置しておいて宜しいんですか?」
「勿論よ。私としては“ありがとう” って思ってるくらいよ。
ミリアーナの事はお父様達にお任せしましょう」
「ミリアーナ様はそんなに公爵夫人になりたかったんですかねぇ」
「そうみたいね、不思議だわ。だってあの方はねえ」
「このままお屋敷に帰られるんですか?」
「いいえ、先に商会に行くわ。
あの子が逃げ出して来るまでに私が逃げなくちゃ。
返品不可って手紙を送ろうかしら」
リディアはとても楽しそうに笑っている。
パーティー会場ではリディア達の両親が呆然としていた。
「何故? 結婚式は来週の筈ではありませんか」
「ミリアーナが1日も早く結婚したいと言うものですから」
ロバートの顔がにやけている。
「何故ミリアーナと? ロバート様の結婚相手はリディアだった筈ですわ」
「私の妻に相応しいのはミリアーナしかありません。
リディア嬢のような心卑しき女性などお断りです」
「心卑しき?」
「リディア嬢は長年に渡りミリアーナを虐めていたとか。
しかもミリアーナの商会の利益を我が物顔で着服していたなんて、許し難い暴挙ですよ」
ファルマス公爵の長男、ロバート・ファルマス子爵はミリアーナの肩を抱き両親に長口舌を振るった。
「リディアは妹を虐めたりなどしていませんし、ミリアーナの商会って何か勘違いされているのではありませんか?」
「ご心配なく。今後ミリアーナの商会は私が責任を持ちます。
勿論、リディアの横暴を許すつもりもありません」
「ミリアーナ?」
ミリアーナが慌ててロバートの腕を取り、
「お父様、そう言う事だから。
今日はパーティーを楽しんでいって下さいな。
私達は皆さんにご挨拶しなくちゃ。
ロバート様行きましょう」
「そうだね、失礼します。ゆっくり楽しんで行って下さい」
ミリアーナとロバートが立ち去った。
後に残されたライリーとアリシアは、
「楽しめだって?」
「ありえないわ」
リディア16歳、ミリアーナ15歳の春。
馬車に細工したからまだ着かないはずだったでしょう?」
「思ったより早く修理出来たんでしょう」
「何呑気な事言ってるのよ。
リディアがここに乗り込んできたらどうするつもり?
折角結婚式が終わったって言うのに」
「取り敢えず披露パーティーの準備をしませんと」
ミリアーナが時計を見て慌てた。
「そうね、急いでちょうだい。
リディアの事は何とかするしかないわ。今夜を過ぎたら誰にも文句言えなくなるんだから」
その頃リディアは馬車に揺られて来た道を逆戻りしていた。
「お嬢様、ミリアーナ様を放置しておいて宜しいんですか?」
「勿論よ。私としては“ありがとう” って思ってるくらいよ。
ミリアーナの事はお父様達にお任せしましょう」
「ミリアーナ様はそんなに公爵夫人になりたかったんですかねぇ」
「そうみたいね、不思議だわ。だってあの方はねえ」
「このままお屋敷に帰られるんですか?」
「いいえ、先に商会に行くわ。
あの子が逃げ出して来るまでに私が逃げなくちゃ。
返品不可って手紙を送ろうかしら」
リディアはとても楽しそうに笑っている。
パーティー会場ではリディア達の両親が呆然としていた。
「何故? 結婚式は来週の筈ではありませんか」
「ミリアーナが1日も早く結婚したいと言うものですから」
ロバートの顔がにやけている。
「何故ミリアーナと? ロバート様の結婚相手はリディアだった筈ですわ」
「私の妻に相応しいのはミリアーナしかありません。
リディア嬢のような心卑しき女性などお断りです」
「心卑しき?」
「リディア嬢は長年に渡りミリアーナを虐めていたとか。
しかもミリアーナの商会の利益を我が物顔で着服していたなんて、許し難い暴挙ですよ」
ファルマス公爵の長男、ロバート・ファルマス子爵はミリアーナの肩を抱き両親に長口舌を振るった。
「リディアは妹を虐めたりなどしていませんし、ミリアーナの商会って何か勘違いされているのではありませんか?」
「ご心配なく。今後ミリアーナの商会は私が責任を持ちます。
勿論、リディアの横暴を許すつもりもありません」
「ミリアーナ?」
ミリアーナが慌ててロバートの腕を取り、
「お父様、そう言う事だから。
今日はパーティーを楽しんでいって下さいな。
私達は皆さんにご挨拶しなくちゃ。
ロバート様行きましょう」
「そうだね、失礼します。ゆっくり楽しんで行って下さい」
ミリアーナとロバートが立ち去った。
後に残されたライリーとアリシアは、
「楽しめだって?」
「ありえないわ」
リディア16歳、ミリアーナ15歳の春。
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