4 / 93
4.レトビア公爵家での暮らし
しおりを挟む
王都に着いた翌日、レトビア公爵の指示でお昼過ぎに公爵のタウンハウスを訪ねたセアラはかなり腹を立てていた。
(時間を指定したのなら門番へ連絡しておくべきだし執事の教育も間違ってるわ!)
公爵家のタウンハウスの前で辻馬車を降りたセアラが門番に声をかけると聞いてないと追い払われそうになった。しつこく粘って確認をしてもらい漸く屋敷の中に入ることができたのだが、その後は玄関ホールでずっと立ったままで待たされている。
何しろ公爵に声をかけてくると言ってセアラを玄関ホールに残したまま二階へ上がって行った執事が降りてこないのだ。
(屋敷の主人と約束をしてある人が訪ねて来たというのに玄関で立たせたままなんて! 相手が誰であっても応接室とか客間に案内するべきだわ)
帰るわけにもいかないし⋯⋯と、諦めて立ち尽くし貧血を起こしそうだとため息をついていると漸く執事が階段から降りて来て2階の執務室に案内してくれた。
執務室には巨大なオークの机を前にしたレトビア公爵とソファに優雅に座る華やかなドレス姿の令嬢がいた。
「お久しぶりでございますレトビア公爵様。セアラ・ホプキンスでございます」
値踏みするような不躾な態度のレトビア公爵の言葉を待っているセアラが頭を下げたままでいるとソファから意地悪げな声が聞こえた。
「うーん、まあまあってとこかしら。どっちにしろ見た目なんてどうでも良い事だけど」
「レトビア公爵家の一員になるんだからどうでも良くはない。それなりの見た目を保ってもらわねば我が家の恥になるからな」
開口一番失礼な言葉を吐いたアメリアとサイラスはまるで品評会で家畜を値踏みしているように話を続けた。
「まあ、この程度あればなんとか我慢できるだろう。
来年度の学園の入学試験が近づいている事は知っているな? 部屋に教材は揃えてある。我が家に恥をかかせるような成績を取ったら即ホプキンスに帰ってもらうが、その時は支援金に加えて慰謝料も請求するからしっかりと勉強するように」
「はい」
「わたくしと同学年になるのだから恥はかかせないでね」
不快な対面にこれから先が簡単に想像できたセアラは内心げんなりしながらジョージの後をついて執務室をでた。ジョージの後に続いて絨毯の敷かれた廊下を歩き屋敷の左奥の部屋の扉の前まで来るとジョージが立ち止まった。
「セアラ様のお部屋はこちらでございます」
あの対応からすると私の部屋は屋根裏部屋かもと思っていたセアラだったが、案内された部屋は予想に反してかなり広さがあった。
ホプキンス伯爵家の自室の倍近い広さがある部屋には大人二人でも寝られそうな大きなベッドと猫足の美しいドレッサー、革張りのソファとレースのクロスが敷かれたコーヒーテーブル、学習机と本がぎっしり詰まった本棚が置かれていた。
そして何故か部屋の隅に簡易ベッドが一つ。
「セアラ様専用のメイドはこの2人でナビアとケイトと申します。勉強の合間にクローゼットのドレスのサイズのお直しをお願いします。
お食事は基本こちらにお持ちしますが、旦那様のご指示があった時には食堂へお越しいただきます」
ここは元々客間の一つだったと立板に水を流すように一気に説明を済ませたジョージはセアラの返事を待つ事なくさっさと部屋を出て行った。
「私達は隣の部屋におりますので御用があれば声をかけて下さい」
執事がいなくなった途端メイド二人はセアラの手伝いをするどころか挨拶もなく続き部屋に繋がるドアから出て行った。
予想以上に豪華な部屋を確認するとクローゼットの中には沢山のドレスがかかっていた。少し痛みや汚れがあるので恐らくは二人の娘達のお下がりだろう。本棚の本も傷がつきドレッサーに置かれた宝石箱には鍵がかかっている。
(みんなの態度とこの部屋のギャップが凄すぎるんだけど)
その日からセアラは朝から夜まで部屋に篭り勉強三昧だった。せめて屋敷の中を歩いてみたり中庭に出てみたりしたいと思ったがメイドに阻まれてこの1ヶ月で2回ほど食堂に行ったのみ。
(流石に息が詰まりそう)
部屋でセアラが1人になることはなく用事のあるなしに限らず必ずメイドが常駐している。そしてソファでお茶とお菓子をゆったりと楽しむメイド達の横では勉強机から離れられないセアラ。何しろ少し休憩がしたいと机から離れるたびにメイドから声がかかる。
『お勉強されないのですか?』
『はあ、休憩ばかりされるのなら旦那様に報告しなくてはなりませんねえ』
セアラの世話は必要最低限で、お茶を淹れるのもシーツの交換もセアラが自分でやらなければならない。夜はどちらか一人が必ず簡易ベッドで寝ているのを見ればメイド達がセアラの監視役だというのは簡単に気が付いた。
(多分公爵様が2回私と一緒に食事をとられたのはマナーの確認だわ。壁側に並んだ使用人の横に明らかに使用人とは違うご婦人が立っておられたもの。あの方が多分マナーの講師ね)
2ヶ月息が詰まるような監禁生活を続け漸く入学試験当日がやって来た。馬車に乗り試験場に向かうセアラの前にはメイドのケイトが退屈そうに座っていた。
「今日はアメリア様もご一緒だと思っていたのだけど?」
レトビア公爵家の次女アメリアの誕生日はセアラより数ヶ月後なので同学年のはずだからとケイトに質問すると『ふん』と鼻を鳴らしたケイトが木で鼻をくくったような態度で返事をした。
「アメリアお嬢様はアメリア様専用の馬車で向かわれます」
「では、試験会場でお会いできるわね」
「⋯⋯」
初めの頃はまめにメイド達に声をかけていたセアラだったが、必要最低限しか口を利かないか嫌味な態度をとるメイド達に呆れて2ヶ月経った今では必要以上に声をかける事はなくなった。
馬車が停まりステップが準備されて扉が開いた。
「ありがとう」
手を添えてくれた御者に小さく礼を言いケイトを連れて試験の受付を済ませた。
「試験場はここみたい。終わったら馬車のところまで行きます」
「いえ、旦那様のご指示ですからここでお待ちします。それから会場内ではどなたともお話しなさいませんように」
「それも旦那様からのご指示?」
「左様です」
養女になったもののレトビア公爵の事は『旦那様』と呼ぶように言われているセアラはため息を飲み込んで会場に入って行った。
そして、2週間後に届いた試験結果を見たアメリアの金切り声が屋敷中に響き渡った。
(時間を指定したのなら門番へ連絡しておくべきだし執事の教育も間違ってるわ!)
公爵家のタウンハウスの前で辻馬車を降りたセアラが門番に声をかけると聞いてないと追い払われそうになった。しつこく粘って確認をしてもらい漸く屋敷の中に入ることができたのだが、その後は玄関ホールでずっと立ったままで待たされている。
何しろ公爵に声をかけてくると言ってセアラを玄関ホールに残したまま二階へ上がって行った執事が降りてこないのだ。
(屋敷の主人と約束をしてある人が訪ねて来たというのに玄関で立たせたままなんて! 相手が誰であっても応接室とか客間に案内するべきだわ)
帰るわけにもいかないし⋯⋯と、諦めて立ち尽くし貧血を起こしそうだとため息をついていると漸く執事が階段から降りて来て2階の執務室に案内してくれた。
執務室には巨大なオークの机を前にしたレトビア公爵とソファに優雅に座る華やかなドレス姿の令嬢がいた。
「お久しぶりでございますレトビア公爵様。セアラ・ホプキンスでございます」
値踏みするような不躾な態度のレトビア公爵の言葉を待っているセアラが頭を下げたままでいるとソファから意地悪げな声が聞こえた。
「うーん、まあまあってとこかしら。どっちにしろ見た目なんてどうでも良い事だけど」
「レトビア公爵家の一員になるんだからどうでも良くはない。それなりの見た目を保ってもらわねば我が家の恥になるからな」
開口一番失礼な言葉を吐いたアメリアとサイラスはまるで品評会で家畜を値踏みしているように話を続けた。
「まあ、この程度あればなんとか我慢できるだろう。
来年度の学園の入学試験が近づいている事は知っているな? 部屋に教材は揃えてある。我が家に恥をかかせるような成績を取ったら即ホプキンスに帰ってもらうが、その時は支援金に加えて慰謝料も請求するからしっかりと勉強するように」
「はい」
「わたくしと同学年になるのだから恥はかかせないでね」
不快な対面にこれから先が簡単に想像できたセアラは内心げんなりしながらジョージの後をついて執務室をでた。ジョージの後に続いて絨毯の敷かれた廊下を歩き屋敷の左奥の部屋の扉の前まで来るとジョージが立ち止まった。
「セアラ様のお部屋はこちらでございます」
あの対応からすると私の部屋は屋根裏部屋かもと思っていたセアラだったが、案内された部屋は予想に反してかなり広さがあった。
ホプキンス伯爵家の自室の倍近い広さがある部屋には大人二人でも寝られそうな大きなベッドと猫足の美しいドレッサー、革張りのソファとレースのクロスが敷かれたコーヒーテーブル、学習机と本がぎっしり詰まった本棚が置かれていた。
そして何故か部屋の隅に簡易ベッドが一つ。
「セアラ様専用のメイドはこの2人でナビアとケイトと申します。勉強の合間にクローゼットのドレスのサイズのお直しをお願いします。
お食事は基本こちらにお持ちしますが、旦那様のご指示があった時には食堂へお越しいただきます」
ここは元々客間の一つだったと立板に水を流すように一気に説明を済ませたジョージはセアラの返事を待つ事なくさっさと部屋を出て行った。
「私達は隣の部屋におりますので御用があれば声をかけて下さい」
執事がいなくなった途端メイド二人はセアラの手伝いをするどころか挨拶もなく続き部屋に繋がるドアから出て行った。
予想以上に豪華な部屋を確認するとクローゼットの中には沢山のドレスがかかっていた。少し痛みや汚れがあるので恐らくは二人の娘達のお下がりだろう。本棚の本も傷がつきドレッサーに置かれた宝石箱には鍵がかかっている。
(みんなの態度とこの部屋のギャップが凄すぎるんだけど)
その日からセアラは朝から夜まで部屋に篭り勉強三昧だった。せめて屋敷の中を歩いてみたり中庭に出てみたりしたいと思ったがメイドに阻まれてこの1ヶ月で2回ほど食堂に行ったのみ。
(流石に息が詰まりそう)
部屋でセアラが1人になることはなく用事のあるなしに限らず必ずメイドが常駐している。そしてソファでお茶とお菓子をゆったりと楽しむメイド達の横では勉強机から離れられないセアラ。何しろ少し休憩がしたいと机から離れるたびにメイドから声がかかる。
『お勉強されないのですか?』
『はあ、休憩ばかりされるのなら旦那様に報告しなくてはなりませんねえ』
セアラの世話は必要最低限で、お茶を淹れるのもシーツの交換もセアラが自分でやらなければならない。夜はどちらか一人が必ず簡易ベッドで寝ているのを見ればメイド達がセアラの監視役だというのは簡単に気が付いた。
(多分公爵様が2回私と一緒に食事をとられたのはマナーの確認だわ。壁側に並んだ使用人の横に明らかに使用人とは違うご婦人が立っておられたもの。あの方が多分マナーの講師ね)
2ヶ月息が詰まるような監禁生活を続け漸く入学試験当日がやって来た。馬車に乗り試験場に向かうセアラの前にはメイドのケイトが退屈そうに座っていた。
「今日はアメリア様もご一緒だと思っていたのだけど?」
レトビア公爵家の次女アメリアの誕生日はセアラより数ヶ月後なので同学年のはずだからとケイトに質問すると『ふん』と鼻を鳴らしたケイトが木で鼻をくくったような態度で返事をした。
「アメリアお嬢様はアメリア様専用の馬車で向かわれます」
「では、試験会場でお会いできるわね」
「⋯⋯」
初めの頃はまめにメイド達に声をかけていたセアラだったが、必要最低限しか口を利かないか嫌味な態度をとるメイド達に呆れて2ヶ月経った今では必要以上に声をかける事はなくなった。
馬車が停まりステップが準備されて扉が開いた。
「ありがとう」
手を添えてくれた御者に小さく礼を言いケイトを連れて試験の受付を済ませた。
「試験場はここみたい。終わったら馬車のところまで行きます」
「いえ、旦那様のご指示ですからここでお待ちします。それから会場内ではどなたともお話しなさいませんように」
「それも旦那様からのご指示?」
「左様です」
養女になったもののレトビア公爵の事は『旦那様』と呼ぶように言われているセアラはため息を飲み込んで会場に入って行った。
そして、2週間後に届いた試験結果を見たアメリアの金切り声が屋敷中に響き渡った。
8
お気に入りに追加
717
あなたにおすすめの小説
裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
【 完結 】「婚約破棄」されましたので、恥ずかしいから帰っても良いですか?
しずもり
恋愛
ミレーヌはガルド国のシルフィード公爵令嬢で、この国の第一王子アルフリートの婚約者だ。いや、もう元婚約者なのかも知れない。
王立学園の卒業パーティーが始まる寸前で『婚約破棄』を宣言されてしまったからだ。アルフリートの隣にはピンクの髪の美少女を寄り添わせて、宣言されたその言葉にミレーヌが悲しむ事は無かった。それよりも彼女の心を占めていた感情はー。
恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい!!
ミレーヌは恥ずかしかった。今すぐにでも気を失いたかった。
この国で、学園で、知っていなければならない、知っている筈のアレを、第一王子たちはいつ気付くのか。
孤軍奮闘のミレーヌと愉快な王子とお馬鹿さんたちのちょっと変わった断罪劇です。
なんちゃって異世界のお話です。
時代考証など皆無の緩い設定で、殆どを現代風の口調、言葉で書いています。
HOT2位 &人気ランキング 3位になりました。(2/24)
数ある作品の中で興味を持って下さりありがとうございました。
*国の名前をオレーヌからガルドに変更しました。
【完結】悪女扱いした上に婚約破棄したいですって?
冬月光輝
恋愛
私ことアレクトロン皇国の公爵令嬢、グレイス=アルティメシアは婚約者であるグラインシュバイツ皇太子殿下に呼び出され、平民の中で【聖女】と呼ばれているクラリスという女性との「真実の愛」について長々と聞かされた挙句、婚約破棄を迫られました。
この国では有責側から婚約破棄することが出来ないと理性的に話をしましたが、頭がお花畑の皇太子は激高し、私を悪女扱いして制裁を加えると宣い、あげく暴力を奮ってきたのです。
この瞬間、私は決意しました。必ずや強い女になり、この男にどちらが制裁を受ける側なのか教えようということを――。
一人娘の私は今まで自由に生きたいという感情を殺して家のために、良い縁談を得る為にひたすら努力をして生きていました。
それが無駄に終わった今日からは自分の為に戦いましょう。どちらかが灰になるまで――。
しかし、頭の悪い皇太子はともかく誰からも愛され、都合の良い展開に持っていく、まるで【物語のヒロイン】のような体質をもったクラリスは思った以上の強敵だったのです。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
とある悪役令嬢は婚約破棄後に必ず処刑される。けれど彼女の最期はいつも笑顔だった。
三月叶姫
恋愛
私はこの世界から嫌われている。
みんな、私が死ぬ事を望んでいる――。
とある悪役令嬢は、婚約者の王太子から婚約破棄を宣言された後、聖女暗殺未遂の罪で処刑された。だが、彼女は一年前に時を遡り、目を覚ました。
同じ時を繰り返し始めた彼女の結末はいつも同じ。
それでも、彼女は最期の瞬間は必ず笑顔を貫き通した。
十回目となった処刑台の上で、ついに貼り付けていた笑顔の仮面が剥がれ落ちる。
涙を流し、助けを求める彼女に向けて、誰かが彼女の名前を呼んだ。
今、私の名前を呼んだのは、誰だったの?
※こちらの作品は他サイトにも掲載しております
悪役令嬢より取り巻き令嬢の方が問題あると思います
蓮
恋愛
両親と死別し、孤児院暮らしの平民だったシャーリーはクリフォード男爵家の養女として引き取られた。丁度その頃市井では男爵家など貴族に引き取られた少女が王子や公爵令息など、高貴な身分の男性と恋に落ちて幸せになる小説が流行っていた。シャーリーは自分もそうなるのではないかとつい夢見てしまう。しかし、夜会でコンプトン侯爵令嬢ベアトリスと出会う。シャーリーはベアトリスにマナーや所作など色々と注意されてしまう。シャーリーは彼女を小説に出て来る悪役令嬢みたいだと思った。しかし、それが違うということにシャーリーはすぐに気付く。ベアトリスはシャーリーが嘲笑の的にならないようマナーや所作を教えてくれていたのだ。
(あれ? ベアトリス様って実はもしかして良い人?)
シャーリーはそう思い、ベアトリスと交流を深めることにしてみた。
しかしそんな中、シャーリーはあるベアトリスの取り巻きであるチェスター伯爵令嬢カレンからネチネチと嫌味を言われるようになる。カレンは平民だったシャーリーを気に入らないらしい。更に、他の令嬢への嫌がらせの罪をベアトリスに着せて彼女を社交界から追放しようともしていた。彼女はベアトリスも気に入らないらしい。それに気付いたシャーリーは怒り狂う。
「私に色々良くしてくださったベアトリス様に冤罪をかけようとするなんて許せない!」
シャーリーは仲良くなったテヴァルー子爵令息ヴィンセント、ベアトリスの婚約者であるモールバラ公爵令息アイザック、ベアトリスの弟であるキースと共に、ベアトリスを救う計画を立て始めた。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
ジャンルは恋愛メインではありませんが、アルファポリスでは当てはまるジャンルが恋愛しかありませんでした。
悪役令嬢に転生したら病気で寝たきりだった⁉︎完治したあとは、婚約者と一緒に村を復興します!
Y.Itoda
恋愛
目を覚ましたら、悪役令嬢だった。
転生前も寝たきりだったのに。
次から次へと聞かされる、かつての自分が犯した数々の悪事。受け止めきれなかった。
でも、そんなセリーナを見捨てなかった婚約者ライオネル。
何でも治癒できるという、魔法を探しに海底遺跡へと。
病気を克服した後は、二人で街の復興に尽力する。
過去を克服し、二人の行く末は?
ハッピーエンド、結婚へ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる