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ワイバーンと白銀の狼

閑話 アカデミー ②

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「辞任だなんて」

「1年間もの間、何も気付かなかった責任は取らなくてはなりません。この問題を解決した上で、ミリア・オルグレンの復学を目指します」

「学長、彼女は家に戻っているのでしょう? 今から話をしに行け「ミリア・オルグレンは行方不明です」」

 教師の言葉を遮った学長の言葉に、再びホール中が騒めく。

「グレース・オルグレンの言動を思い出していただければ、ミリア・オルグレンが家に戻らなかった理由はお分かりになるのでは?」

「でも、だったらどうやって」
「そうです、復学なんて無理じゃないですか」
「それにミリア・オルグレンは、次期女侯爵ですよね。それが家出なんて」

「ミリア・オルグレンは、侯爵家にも見切りをつけた可能性があります。恐らくミリア・オルグレンは、家庭内でもかなり酷い扱いを受けていたと推測しています。
それからミリア・オルグレンの事は、見つかるまで探し続けます。探し出して復学するよう説得します。学長の仕事に支障をきたす可能性もあるので、今から準備に入ります。

皆さんにお願いします。

ここが彼女や他の生徒にとって、“有意義な学びの場所なのだ” と思えるアカデミーにして下さい」

 学長が頭を下げた。


 急遽Sクラスの生徒が、学校に呼び出された。事件の概要を説明し、鑑定ののち宮廷魔導士による魅了の解除が行われた。
 Sクラスの生徒は、全員魅了にかかっていた。

 その後、AクラスからCクラス全員の鑑定と、魅了の解除も行われた。

 解除後に、ライリーのような重篤な症状を示したものは6人。ライリーの側近候補3人と、グレースと常に行動を共にしていた女子生徒3人だった。

 上級クラスの者達にも連絡を送り、希望者には鑑定を行う事になった。

 魅了が解除された後の生徒たちは皆、1年間の自らの行動に愕然とし、心身に異常をきたすものまで出た。


 連絡のつかない生徒への対応を話し合っていた時、ライリー殿下がやってきた。

「ライリー殿下、お加減は? もう出歩いても宜しいのですか?」
「ミリア嬢が行方不明だと聞きました」

 学長は、ライリーにソファを進めた。

「確かに行方はわからなくなっています」
「探すのでしょう? 一緒に探させて下さい。お願いします」

 ライリーが立ち上がり、頭を下げた。

「俺はミリア嬢に謝りたいんです」
「申し訳ありませんが、王家の方にはご遠「返上してきました」」
「はい?」
「王家から離脱しました。もう、王子じゃないんです」
「どう言う事ですか?」

「陛下から、ミリア嬢を連れてくるよう言われました。ミリア嬢が危険です」

「詳しく話して頂けますか?」
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