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91.『ですぞ!』とか言う奴は大概、間抜け
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白地の軍服に金の飾緒と黒い皮のブーツを履く近衛兵に守られているのは、濃緑に塗装され金で縁取った4頭立てのキャリッジ。一際目立つ赤いカーテンはしっかりと閉じられ、中に誰が乗っているのかわからない。
(うわぁ、すっごい派手。なんか気が滅入ってきた)
片膝をつき右手を胸に当てたメイソンとケニスが頭を垂れ、その後ろにルーカス達が膝をつき頭を下げた。
王宮広場に入ってきた隊列が横に広がり、停車したキャリッジに足踏み台が準備された。近衛兵が剣を掲げるとドアが開きゆっくりと降りてきたのは⋯⋯。
「皆、楽にしてくれ。メイソン、随分大層な隊列で王都を練り歩いたそうだな。堅苦しい挨拶は抜きでこの騒ぎの説明を」
(少し低めの若い男性の声? 王太子殿下かな? 妙に楽しげな雰囲気がするのはなんでだろ)
メリッサが内心首を傾げていると、ローガン司法長官とポンフリー団長が叫びながら走り込んできた。
「ぜえ、はあ⋯⋯お、お待ち下さい! こ、ここは⋯⋯ぜえ、はあ⋯⋯わた、私めに、し、司法長官のブレイク・ローガンにお任せ下さい!」
「レ、レオン第二王子殿下!⋯⋯はあ、はあ⋯⋯第一騎士団団長のマードック・ポンフリーでございます!」
集まっている民衆の間からなんとか抜け出してきたのだろう、息を切らせたローガンとポンフリーは息を切らせて汗をダラダラと流している。
「この、この件につきましては⋯⋯ゼエゼエ⋯⋯教会及び陛下と議会から連絡を受けておりまして⋯⋯ゲホッ⋯⋯レオン第二王子殿下は⋯⋯いつ、いつも通り離宮にてお過ごしいただければと⋯⋯はあはあ」
「ふむ、この隊はメイソン裁判官とカーマイン第二騎士団団長が率いている様に見えるんだが?」
傾国の姫と呼ばれた王妃に似た白皙の美貌と言われるレオン王子は、必死に汗を拭くローガン達に優しく微笑みながら問いかけた。
「そんなに慌てなくとも、少し息を整えて話せば良い」
(王子の前に整列している中にロジャー・マルティン枢機卿はいない上に、王城からやって来たのが政治に全く関心のないレオン王子。たまたま隊列が目についたとかだろうが、なんと面倒な。
まあ、誰が出てきても変わらんがな)
汗を拭く陰でチラチラとメイソン達を見ていたローガン達がほくそ笑んだ。
「お心遣い痛み入ります。殿下の御前を騒がしておるこの不埒な一団について、司法長官である私めが説明させていただきましょう。
王都を騒がすこの隊列の問題は既に解決しております。
この者達は王都に戻ってきたばかりでして、事情を理解できておらんのです。司法長官である私めに全てお任せ頂ければ、立ち所に此奴らを御前から消し去ってみせまするぞ」
「その通り、ポンフリーにお任せ下さいませ! 我等の手にかかればこの程度の問題など、すぐに解決してご覧に入れます!」
「消し去るとは物騒だな。まあ、私は帝国から帰ってきたばかりで、何が起きているのかよく分かっていないのだが⋯⋯」
「おお、そうでした! 帝国で開催された帆走競技で優勝されたと聞いております。先ずはお祝いを申し上げねばなりませんでしたな」
「流石レオン王子殿下。見事な勝利を勝ち取られたとか。離宮にて疲れを癒しておられたレオン王子殿下のお手⋯⋯」
「ローガン、世辞は聞き飽きている。真面な説明をする気がないのなら、2人は少し黙っていてくれ。メイソン、説明を」
穏やかだが有無を言わせない迫力でレオン王子がメイソンに話を振ると、ローガンとポンフリーがあからさまに不満げな表情を浮かべた。
「レオン第二王子殿下に申し上げます。ケニス・ラインフェルト伯爵・第二騎士団・モートン商会商会長ルーカスとメリッサ及び元ワッツ公爵家執事ハリーの助力により、メイルーン司教様を含む犯罪者26名を現行犯にて捕縛致しました」
「現行犯か、それだけ大人数の逮捕者であればこの様な大行列になっても仕方あるまい」
「レオン王子殿下、お待⋯⋯」
「ポンフリー、私は黙れと言ったはずだが?」
普段は笑顔を絶やさない能天気⋯⋯穏やかなレオン王子が、目を細めて冷ややかな声を上げた。
「もも、申し訳ありません」
「現行犯逮捕であっても牢へ直行できなかったのは⋯⋯メイルーン司教がいるからか?」
「はい、殿下の仰せの通りであります。加えて申し上げるならば、ワッツ公爵家嫡男のピーター氏を含む貴族子息も含まれております。牢へ入れても横槍が入るか忖度する者が現れ、直ぐに釈放されてしまう危険があると愚考致しました」
「確かに、我が国で聖職者を牢に入れるくらい意味のないことはないだろうね。教会がお気に入りのワッツ公爵家の子息もいるなら、瞬間蒸発するかの如く牢から消え失せるだろうし。
彼等を捕縛したメイソン達は『近来稀に見る大戯け』と言われそうで心配だなあ。
それとも、サマネス枢機卿が息子可愛さに騒ぎ立てている今、これ程の暴挙に出たのは勝算ありとでも思ったのかな?」
「殿下! メイルーン司教様やワッツ公爵子息の件は全て冤罪だと判明しておりますぞ。すぐに放免せねば⋯⋯これは教会だけでなく陛下の意向でもあります」
「速やかな解放後に謝罪を行うべきと進言致します。第一騎士団が皆様方をお送りするべく待機しております!」
「お前達は口を閉じている事は出来ないのかな? まあ、いいだろう。メイソン、司法長官とポンフリー団長が冤罪だと言っているが?」
「いえ、冤罪だなどと⋯⋯それこそあり得ない話でございましょう。この国で教会に否を突きつけるなど、言い逃れのできない証拠を大量に揃えても不問にされるのが決まりのようなもの。相応の準備と覚悟を持って立ち向かっても⋯⋯犯罪を揉み消された上に、生涯にわたって生命の危険が付きまといます。
それを知りつつも逮捕せねばならない事態になりました」
横から睨みつけるローガンを無視したメイソンの言葉に、レオン王子が『ふむふむ』『ほお~』と、場にそぐわない呑気な声をあげる。
本気で聞いているのかただの興味本位なのかわからないレオン王子の相槌が聞こえてくるごとに、ローガンとポンフリーの顔に余裕の笑顔が浮かびはじめた。
「と言う事は⋯⋯うーん、今回の犯罪だけでなく過去の犯罪についての証拠も揃えてあると言う事かい? ほら、新聞の朝刊で騒がれている犯罪の数々」
「勿論でございます。メイルーン司教様とご学友の方達が行い、隠蔽された凶悪犯罪の証拠と証人は揃っております」
「でもさあ、この国では教会の力は最強だろ? 生半可な証拠だとケチをつけられて、サマネス枢機卿の前で土下座する事になるんじゃないかな。
議会どころか陛下でさえ、教会にお伺いを立ててから政治を行うんだろ? で、寄付金の額で叶えて貰える内容が変わる。
教会とかサマネス枢機卿の指示に従わなかったりすると、罪悪感がないどころか異常な思考を持つ狂信者って言う奴が、徒党を組んで押しかけてきて惨殺されるんだよね。
マジでこの国ってヤバいよね」
「殿下、お言葉が過ぎますぞ!!」
(うわぁ、すっごい派手。なんか気が滅入ってきた)
片膝をつき右手を胸に当てたメイソンとケニスが頭を垂れ、その後ろにルーカス達が膝をつき頭を下げた。
王宮広場に入ってきた隊列が横に広がり、停車したキャリッジに足踏み台が準備された。近衛兵が剣を掲げるとドアが開きゆっくりと降りてきたのは⋯⋯。
「皆、楽にしてくれ。メイソン、随分大層な隊列で王都を練り歩いたそうだな。堅苦しい挨拶は抜きでこの騒ぎの説明を」
(少し低めの若い男性の声? 王太子殿下かな? 妙に楽しげな雰囲気がするのはなんでだろ)
メリッサが内心首を傾げていると、ローガン司法長官とポンフリー団長が叫びながら走り込んできた。
「ぜえ、はあ⋯⋯お、お待ち下さい! こ、ここは⋯⋯ぜえ、はあ⋯⋯わた、私めに、し、司法長官のブレイク・ローガンにお任せ下さい!」
「レ、レオン第二王子殿下!⋯⋯はあ、はあ⋯⋯第一騎士団団長のマードック・ポンフリーでございます!」
集まっている民衆の間からなんとか抜け出してきたのだろう、息を切らせたローガンとポンフリーは息を切らせて汗をダラダラと流している。
「この、この件につきましては⋯⋯ゼエゼエ⋯⋯教会及び陛下と議会から連絡を受けておりまして⋯⋯ゲホッ⋯⋯レオン第二王子殿下は⋯⋯いつ、いつも通り離宮にてお過ごしいただければと⋯⋯はあはあ」
「ふむ、この隊はメイソン裁判官とカーマイン第二騎士団団長が率いている様に見えるんだが?」
傾国の姫と呼ばれた王妃に似た白皙の美貌と言われるレオン王子は、必死に汗を拭くローガン達に優しく微笑みながら問いかけた。
「そんなに慌てなくとも、少し息を整えて話せば良い」
(王子の前に整列している中にロジャー・マルティン枢機卿はいない上に、王城からやって来たのが政治に全く関心のないレオン王子。たまたま隊列が目についたとかだろうが、なんと面倒な。
まあ、誰が出てきても変わらんがな)
汗を拭く陰でチラチラとメイソン達を見ていたローガン達がほくそ笑んだ。
「お心遣い痛み入ります。殿下の御前を騒がしておるこの不埒な一団について、司法長官である私めが説明させていただきましょう。
王都を騒がすこの隊列の問題は既に解決しております。
この者達は王都に戻ってきたばかりでして、事情を理解できておらんのです。司法長官である私めに全てお任せ頂ければ、立ち所に此奴らを御前から消し去ってみせまするぞ」
「その通り、ポンフリーにお任せ下さいませ! 我等の手にかかればこの程度の問題など、すぐに解決してご覧に入れます!」
「消し去るとは物騒だな。まあ、私は帝国から帰ってきたばかりで、何が起きているのかよく分かっていないのだが⋯⋯」
「おお、そうでした! 帝国で開催された帆走競技で優勝されたと聞いております。先ずはお祝いを申し上げねばなりませんでしたな」
「流石レオン王子殿下。見事な勝利を勝ち取られたとか。離宮にて疲れを癒しておられたレオン王子殿下のお手⋯⋯」
「ローガン、世辞は聞き飽きている。真面な説明をする気がないのなら、2人は少し黙っていてくれ。メイソン、説明を」
穏やかだが有無を言わせない迫力でレオン王子がメイソンに話を振ると、ローガンとポンフリーがあからさまに不満げな表情を浮かべた。
「レオン第二王子殿下に申し上げます。ケニス・ラインフェルト伯爵・第二騎士団・モートン商会商会長ルーカスとメリッサ及び元ワッツ公爵家執事ハリーの助力により、メイルーン司教様を含む犯罪者26名を現行犯にて捕縛致しました」
「現行犯か、それだけ大人数の逮捕者であればこの様な大行列になっても仕方あるまい」
「レオン王子殿下、お待⋯⋯」
「ポンフリー、私は黙れと言ったはずだが?」
普段は笑顔を絶やさない能天気⋯⋯穏やかなレオン王子が、目を細めて冷ややかな声を上げた。
「もも、申し訳ありません」
「現行犯逮捕であっても牢へ直行できなかったのは⋯⋯メイルーン司教がいるからか?」
「はい、殿下の仰せの通りであります。加えて申し上げるならば、ワッツ公爵家嫡男のピーター氏を含む貴族子息も含まれております。牢へ入れても横槍が入るか忖度する者が現れ、直ぐに釈放されてしまう危険があると愚考致しました」
「確かに、我が国で聖職者を牢に入れるくらい意味のないことはないだろうね。教会がお気に入りのワッツ公爵家の子息もいるなら、瞬間蒸発するかの如く牢から消え失せるだろうし。
彼等を捕縛したメイソン達は『近来稀に見る大戯け』と言われそうで心配だなあ。
それとも、サマネス枢機卿が息子可愛さに騒ぎ立てている今、これ程の暴挙に出たのは勝算ありとでも思ったのかな?」
「殿下! メイルーン司教様やワッツ公爵子息の件は全て冤罪だと判明しておりますぞ。すぐに放免せねば⋯⋯これは教会だけでなく陛下の意向でもあります」
「速やかな解放後に謝罪を行うべきと進言致します。第一騎士団が皆様方をお送りするべく待機しております!」
「お前達は口を閉じている事は出来ないのかな? まあ、いいだろう。メイソン、司法長官とポンフリー団長が冤罪だと言っているが?」
「いえ、冤罪だなどと⋯⋯それこそあり得ない話でございましょう。この国で教会に否を突きつけるなど、言い逃れのできない証拠を大量に揃えても不問にされるのが決まりのようなもの。相応の準備と覚悟を持って立ち向かっても⋯⋯犯罪を揉み消された上に、生涯にわたって生命の危険が付きまといます。
それを知りつつも逮捕せねばならない事態になりました」
横から睨みつけるローガンを無視したメイソンの言葉に、レオン王子が『ふむふむ』『ほお~』と、場にそぐわない呑気な声をあげる。
本気で聞いているのかただの興味本位なのかわからないレオン王子の相槌が聞こえてくるごとに、ローガンとポンフリーの顔に余裕の笑顔が浮かびはじめた。
「と言う事は⋯⋯うーん、今回の犯罪だけでなく過去の犯罪についての証拠も揃えてあると言う事かい? ほら、新聞の朝刊で騒がれている犯罪の数々」
「勿論でございます。メイルーン司教様とご学友の方達が行い、隠蔽された凶悪犯罪の証拠と証人は揃っております」
「でもさあ、この国では教会の力は最強だろ? 生半可な証拠だとケチをつけられて、サマネス枢機卿の前で土下座する事になるんじゃないかな。
議会どころか陛下でさえ、教会にお伺いを立ててから政治を行うんだろ? で、寄付金の額で叶えて貰える内容が変わる。
教会とかサマネス枢機卿の指示に従わなかったりすると、罪悪感がないどころか異常な思考を持つ狂信者って言う奴が、徒党を組んで押しかけてきて惨殺されるんだよね。
マジでこの国ってヤバいよね」
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