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77.クズとカスの低俗な商談
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断続的に聞こえる銃弾の音と微かに聞こえる罵声を聞きながら雑草だらけの道を歩くのは大学時代からの友人のはずのふたりだが、機嫌の良し悪しは正反対だった。
自分の欲望が叶えられると信じご機嫌で酔っぱらっているステファンは常に上から目線だったメイルーンに『お願い』される立場になっている事に舞い上がり、自分の欲望のために仕方なくここに来たメイルーンは虫ケラと同レベルの男に不遜な態度を取られても我慢しなければならないでいることに怒りを覚えていた。
(明日からは大金持ちだぜ~、月曜日の朝一番で銀行から全額引き出して残ってる不動産を売却する手続きもしねえとな⋯⋯どんだけ残ってるか知らねえけど今日の様子じゃそれなりには残ってるかもな~)
(俺の名前を連呼して『何をやっても握り潰してくれる』だと⋯⋯貴様の考えた遊びに俺を巻き込むな! もし生き残りがひとりでも出たら面倒事が増えるんだぞ! 今はロジャー・マルティンが騒いでるしランクル子爵領は金を産まんし、もしショボい真珠だったらこのまま粛正して『悪魔』のせいにしてやろう)
「本物なんだろうな」
「ったりめえだろ? モートン商会が大騒ぎした程の逸品だからな、ひーっひっひ⋯⋯ゲホッゲホッ」
真珠がなくなってからのメリッサの慌てぶりと憔悴ぶりを思い出したステファンがゲラゲラと笑い⋯⋯過ぎて咳き込んだ。
「後からトラブルを持ち込んだら貴様を粛正してやるからな!」
「こっわぁ! 長年の友達を? 冷えなぁ⋯⋯問題なんかおこりゃしねえって。なんか訳ありっぽくて表立って探せねえ代物だって言うからぜ~ったい大丈夫」
あれこれと親しく話すつもりはないメイルーンが足を早めると酒を飲み過ぎているステファンは顔を青くしながらその後を追いかけて行った。
「ちょ、待てって! そんな急いだら気持ち悪く⋯⋯」
断崖に近付くごとに木立の緑が濃くなり波が砕ける音で銃弾や罵声が聞こえなくなった。突然立ち止まったメイルーンが辺りを見回してからくるりと振り返り周りに警戒しながら右手を差し出した。
「見せろ」
「その前に金を見せてもらわねえと話がはじまんねえよなぁ」
太々しいステファンの態度に舌打ちしたメイルーンが肩にかけていた鞄から重そうな袋を取り出した。
「手形も兌換紙幣使わんからな」
兌換紙幣は同額の金や銀と引き換える約束をもとに発行した紙幣の事。今回のように怪しい品の取引では関わりを追及される心配のない金貨を使うのが一番安心でいられる。
(こいつは誰よりも低脳だからどこで誰に話すか分からん。念には念を入れんとな)
「聖職者様は用心深いでございますねえ」
揶揄うように言いながら目をぎらつかせたステファンが手を伸ばすとメイルーンが袋をカバンに入れて肩に掛け直した。
「へいへい⋯⋯これが現物だけど触るなよ、近くで見たいなら首の後ろで手を組んで近付くんだな。金と引き換えじゃなけりゃそれ以上は断る」
ステファンが両手の上に乗せた真珠のネックレスに顔を近付けて長い時間色々な角度から凝視したメイルーンが小さく頷いた。
「いいだろう、金と交換だ」
予想以上の大きさと品質に顔が綻びかけたメイルーンは慌てて下を向いて誤魔化した。
ほんの一瞬メイルーンのにやけた顔が見えたステファンは『間違いねえ、本物だ!』と確信して値を吊り上げる交渉をはじめた。
「金と一緒にさぁ、誓約書にサインも欲しいんだよな~」
「は?」
「メイルーンならいい仕事斡旋してくれそうじゃん、爵位も高位のやつが欲しいし? 前に話した時に言ってたよりレアもんだって分かったからそんくらい上乗せしてくれてもいいよな~。伝説の真珠に匹敵するくらいのレアもんなのに誤魔化そうったってそうはいかねえ、嫌ならこのままブローカーにでも流すぜ? そしたら2度とお目にはかからねえってやつかもな~」
「⋯⋯分かった、爵位は伯爵ならすぐに手配してやろう。それ以上だと時間がかかるしその分金は減らさせてもらう。仕事は何がしたい?」
「検事ってやつがやりてえんだよな~、田舎じゃなくて王都の検事な。王都ならお前らもいて楽しいじゃん」
(伯爵かぁ、まあぼちぼちってとこかな。それ以上だと待った上に金が減るんなら手を打ってやろうじゃん)
「分かった、伯爵でいいにしてやるよ。後もうひとつ売りたいものがあるんだよな~、王都の一等地にある屋敷で手を打ってやるよ」
「何を売りたいんだ?」
「お前の直筆の指示書って言ったら分かるだろ?」
「⋯⋯何のことだ?」
メイルーンが目を細めて用心深そうにステファンを凝視した。
「セオドアだっけ? お前の従者でよお、子犬みてえに付き纏ってた奴⋯⋯奴がいなくなった後で覗きに行ったらきれ~に折りたたんだ指示書を保管してたぜ? 日記もあって大笑い」
メイルーンに妄信していたセオドアは指示の書かれた小さなメモ書きを捨てず宝物として大切に保管し、話した事や指示された事を全て日記に書き残していた。セオドアがいなくなったと聞いたステファンはこっそり部屋に忍び込んでそれを見つけた時からいざという時の為に隠し込んでいた。
「人に見つかったらまずいだろうな~って思ってメイルーンの為に隠しておいたんだぜ? 年代もんだし~値打ちは凄えと思うんだよな~」
(隠してからす~っかり忘れてだんだけどな)
「言っとくけどここには持ってきてねえぜ、無事にこの島を出てメイルーンが約束を果たしたら返してやる。俺の身に何かあったり約束が守られねえ時にはマルティン枢機卿に届くようになってる。お前は知らねえだろうが結構仲良しなんでね」
自分の欲望が叶えられると信じご機嫌で酔っぱらっているステファンは常に上から目線だったメイルーンに『お願い』される立場になっている事に舞い上がり、自分の欲望のために仕方なくここに来たメイルーンは虫ケラと同レベルの男に不遜な態度を取られても我慢しなければならないでいることに怒りを覚えていた。
(明日からは大金持ちだぜ~、月曜日の朝一番で銀行から全額引き出して残ってる不動産を売却する手続きもしねえとな⋯⋯どんだけ残ってるか知らねえけど今日の様子じゃそれなりには残ってるかもな~)
(俺の名前を連呼して『何をやっても握り潰してくれる』だと⋯⋯貴様の考えた遊びに俺を巻き込むな! もし生き残りがひとりでも出たら面倒事が増えるんだぞ! 今はロジャー・マルティンが騒いでるしランクル子爵領は金を産まんし、もしショボい真珠だったらこのまま粛正して『悪魔』のせいにしてやろう)
「本物なんだろうな」
「ったりめえだろ? モートン商会が大騒ぎした程の逸品だからな、ひーっひっひ⋯⋯ゲホッゲホッ」
真珠がなくなってからのメリッサの慌てぶりと憔悴ぶりを思い出したステファンがゲラゲラと笑い⋯⋯過ぎて咳き込んだ。
「後からトラブルを持ち込んだら貴様を粛正してやるからな!」
「こっわぁ! 長年の友達を? 冷えなぁ⋯⋯問題なんかおこりゃしねえって。なんか訳ありっぽくて表立って探せねえ代物だって言うからぜ~ったい大丈夫」
あれこれと親しく話すつもりはないメイルーンが足を早めると酒を飲み過ぎているステファンは顔を青くしながらその後を追いかけて行った。
「ちょ、待てって! そんな急いだら気持ち悪く⋯⋯」
断崖に近付くごとに木立の緑が濃くなり波が砕ける音で銃弾や罵声が聞こえなくなった。突然立ち止まったメイルーンが辺りを見回してからくるりと振り返り周りに警戒しながら右手を差し出した。
「見せろ」
「その前に金を見せてもらわねえと話がはじまんねえよなぁ」
太々しいステファンの態度に舌打ちしたメイルーンが肩にかけていた鞄から重そうな袋を取り出した。
「手形も兌換紙幣使わんからな」
兌換紙幣は同額の金や銀と引き換える約束をもとに発行した紙幣の事。今回のように怪しい品の取引では関わりを追及される心配のない金貨を使うのが一番安心でいられる。
(こいつは誰よりも低脳だからどこで誰に話すか分からん。念には念を入れんとな)
「聖職者様は用心深いでございますねえ」
揶揄うように言いながら目をぎらつかせたステファンが手を伸ばすとメイルーンが袋をカバンに入れて肩に掛け直した。
「へいへい⋯⋯これが現物だけど触るなよ、近くで見たいなら首の後ろで手を組んで近付くんだな。金と引き換えじゃなけりゃそれ以上は断る」
ステファンが両手の上に乗せた真珠のネックレスに顔を近付けて長い時間色々な角度から凝視したメイルーンが小さく頷いた。
「いいだろう、金と交換だ」
予想以上の大きさと品質に顔が綻びかけたメイルーンは慌てて下を向いて誤魔化した。
ほんの一瞬メイルーンのにやけた顔が見えたステファンは『間違いねえ、本物だ!』と確信して値を吊り上げる交渉をはじめた。
「金と一緒にさぁ、誓約書にサインも欲しいんだよな~」
「は?」
「メイルーンならいい仕事斡旋してくれそうじゃん、爵位も高位のやつが欲しいし? 前に話した時に言ってたよりレアもんだって分かったからそんくらい上乗せしてくれてもいいよな~。伝説の真珠に匹敵するくらいのレアもんなのに誤魔化そうったってそうはいかねえ、嫌ならこのままブローカーにでも流すぜ? そしたら2度とお目にはかからねえってやつかもな~」
「⋯⋯分かった、爵位は伯爵ならすぐに手配してやろう。それ以上だと時間がかかるしその分金は減らさせてもらう。仕事は何がしたい?」
「検事ってやつがやりてえんだよな~、田舎じゃなくて王都の検事な。王都ならお前らもいて楽しいじゃん」
(伯爵かぁ、まあぼちぼちってとこかな。それ以上だと待った上に金が減るんなら手を打ってやろうじゃん)
「分かった、伯爵でいいにしてやるよ。後もうひとつ売りたいものがあるんだよな~、王都の一等地にある屋敷で手を打ってやるよ」
「何を売りたいんだ?」
「お前の直筆の指示書って言ったら分かるだろ?」
「⋯⋯何のことだ?」
メイルーンが目を細めて用心深そうにステファンを凝視した。
「セオドアだっけ? お前の従者でよお、子犬みてえに付き纏ってた奴⋯⋯奴がいなくなった後で覗きに行ったらきれ~に折りたたんだ指示書を保管してたぜ? 日記もあって大笑い」
メイルーンに妄信していたセオドアは指示の書かれた小さなメモ書きを捨てず宝物として大切に保管し、話した事や指示された事を全て日記に書き残していた。セオドアがいなくなったと聞いたステファンはこっそり部屋に忍び込んでそれを見つけた時からいざという時の為に隠し込んでいた。
「人に見つかったらまずいだろうな~って思ってメイルーンの為に隠しておいたんだぜ? 年代もんだし~値打ちは凄えと思うんだよな~」
(隠してからす~っかり忘れてだんだけどな)
「言っとくけどここには持ってきてねえぜ、無事にこの島を出てメイルーンが約束を果たしたら返してやる。俺の身に何かあったり約束が守られねえ時にはマルティン枢機卿に届くようになってる。お前は知らねえだろうが結構仲良しなんでね」
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