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37.薬屋
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「で、結局最初の方の男を選んだんだ」
「ギャビーン、なんか言った?」
「最初の方の・・いってぇ、ジョセフ思いっきり殴らなくてもいいじゃんか」
「お前が懲りないから気合を入れてやったんだ。
カイに殴られたらお前なんか吹っ飛んでくぞ」
カリタス修道士は騎士修道会を退会し、薬剤師としての勉強に励んでいる。
元々薬草の知識はあったので、十分即戦力になるのだが、本人は納得できないらしく暇を見つけては薬草学の本を引っ張り出してジョセフに質問しまくっている。
名前も修道会に入会する前の“カイ” に戻した。
「ねえ、なんでトンスラがないの?」
「諜報とか偵察も担当してたからてっぺんに髪がなかったら直ぐにバレんだろ?」
「つまんない、楽しみにしてたのに」
「?」
「ピレウス帽脱いだらツルツルしてるのかな? って」
「へえ、ツルツルが好きなんだ。なんかやらしくね?」
「やらしくありません。そんな風に考えるカイがいやらしいんだわ」
「今日も仲がいいのお」
「メイスンさん、こんにちは。今日はどうされました?」
店にはいつもの穏やかな時間が流れている。カイが増えたことで往診もしやすくなり、町の人からもとても喜ばれている。
カイは八歳で騎士修道会に入る前の事は一切話さない。
アイヴィは、話してくれるまで気長に待とうと思ってはいるのだが、もしかしてとんでもない秘密を隠してるのかも・・と、時々探りを入れてははぐらかされている。
ジュリア王女殿下は健康を取り戻し、アイヴィと定期的に手紙のやりとりをしている。
今は陛下に女医師を認めさせるべく頑張ってくれているそう。
ライオネル王子殿下は、アンドリュー教授の娘と付き合っているらしいとジュリア王女の手紙に書いてあった。
ライオネル王子が頻繁に王宮を抜け出すので、陛下はペニーロイヤルティーを作らせようとリアム医師と日々戦っているとか。
「父さんホーリーさんのとこに行ってくるけど、帰りに買ってくるものある?」
「俺も行く」
「薬届けるだけなのに、一人で大丈夫だから」
「俺も行く」
カイの過保護だけはいつまで経っても治らず、それだけが玉に瑕・・?
「ギャビーン、なんか言った?」
「最初の方の・・いってぇ、ジョセフ思いっきり殴らなくてもいいじゃんか」
「お前が懲りないから気合を入れてやったんだ。
カイに殴られたらお前なんか吹っ飛んでくぞ」
カリタス修道士は騎士修道会を退会し、薬剤師としての勉強に励んでいる。
元々薬草の知識はあったので、十分即戦力になるのだが、本人は納得できないらしく暇を見つけては薬草学の本を引っ張り出してジョセフに質問しまくっている。
名前も修道会に入会する前の“カイ” に戻した。
「ねえ、なんでトンスラがないの?」
「諜報とか偵察も担当してたからてっぺんに髪がなかったら直ぐにバレんだろ?」
「つまんない、楽しみにしてたのに」
「?」
「ピレウス帽脱いだらツルツルしてるのかな? って」
「へえ、ツルツルが好きなんだ。なんかやらしくね?」
「やらしくありません。そんな風に考えるカイがいやらしいんだわ」
「今日も仲がいいのお」
「メイスンさん、こんにちは。今日はどうされました?」
店にはいつもの穏やかな時間が流れている。カイが増えたことで往診もしやすくなり、町の人からもとても喜ばれている。
カイは八歳で騎士修道会に入る前の事は一切話さない。
アイヴィは、話してくれるまで気長に待とうと思ってはいるのだが、もしかしてとんでもない秘密を隠してるのかも・・と、時々探りを入れてははぐらかされている。
ジュリア王女殿下は健康を取り戻し、アイヴィと定期的に手紙のやりとりをしている。
今は陛下に女医師を認めさせるべく頑張ってくれているそう。
ライオネル王子殿下は、アンドリュー教授の娘と付き合っているらしいとジュリア王女の手紙に書いてあった。
ライオネル王子が頻繁に王宮を抜け出すので、陛下はペニーロイヤルティーを作らせようとリアム医師と日々戦っているとか。
「父さんホーリーさんのとこに行ってくるけど、帰りに買ってくるものある?」
「俺も行く」
「薬届けるだけなのに、一人で大丈夫だから」
「俺も行く」
カイの過保護だけはいつまで経っても治らず、それだけが玉に瑕・・?
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