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95.吸引力が自慢のダイ◯ン並みに、クズが集まる

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「と言うわけで⋯⋯レベッカ・サブリナ・セシルの3人は完全にギルティですね~。過去の罪も加算しての『ざまぁ』確定だよ~。
んで、次は破落戸デニスと海賊スミスで、その後が領主キリングで~す!」


『領主から魔法使いを3人献上されたんだけどよお、これがどいつもこいつも口ばっかりで。役に立ちそうなのが一人もいねえの。
レベッカってのは俺のベッドに忍び込んできたくせに、ロクなテクもねえマグロときた。んで、ヘッタクソな媚を売ってきて『王国に行ったらぁ、いろんなとこ連れてってね~』だとよ! 腹出して寝てる時に調べたが、魔力はしょぼしょぼで、使える魔法は初級がチョロっと。望み通り⋯⋯いろんな種類の娼館をたらい回しにしてやるぜ。
もう一人のサブリナは『わたくしお貴族様ですの、おーっほっほ』ってやつな。闇魔法と水魔法がちびっと使えるみてえだが、使いもんになるレベルとは言えねえ。魔法の使えねえ魔法士でプライドが高いだけとか、どんだけウゼえんだってな。娼館以外行くとこねえじゃん。
んで、最後がセシルだよ。回復ができるって聞いてたからよお、すんげえ期待してたんだぜ。ところが、調べてみたら魔力がほとんどねえの。魔力なしの回復師って役立たずすぎんだろ?
まあ、3人とも見た目はそこそこだから、早めに(娼館に)沈めた方が金になりそうだな。元がタダだからちっとは稼ぎになるけどよお⋯⋯はあ、役に立つ魔法使いの奴隷を捕まえて来いって言われてんのに、このままじゃ社長にどやされそうなんだよな~。
海賊と冒険商人の二足の草鞋は大変だが、実入りが良すぎてやめたくねえのに。ここらででっかい獲物を捕獲して帰らねえと、俺の首がヤバくなる。前の領主はちゃーんと魔法士やら聖女を準備してたのに⋯⋯ったくどうしろってんだよ!』

「海賊スミス! 確定じゃねえかよ。しかも魔法使いの奴隷とか捕獲とか言ってやがるし」


『あのぉ、ウルサとつるんでたガキなんすけど、どうも魔法使いらしいんすよ。ガキがこの町に来てからあれこれおかしなことが起きてやすし、喧嘩した時に魔法なしでやるとか言ってやした。
まだ子供ですから、奴隷に落としゃあかなりの年数使えるはずです。それに、色々買い漁ってるっぽいんで、お宝を溜め込んでるかもしれませんし』

『テメェと揉めたガキが魔法使いらしいって? ふーん⋯⋯面白えじゃん。なら捕まえてここに連れてこい。領兵を使やあ町を虱潰しにできんだろ?
領主? ありゃあ俺達のペットみたいなもんだからな、右を向いとけっていやあ死ぬまで右を向いてるだろうよ。
それより、役に立つレベルの魔法使いなら報酬を出すが、ガセだったらタダじゃおかねえからな。
面倒だがちょっくら3人と話をしてみるか。んで、名前は? ロクサーナねえ、どっかで聞いたような気も⋯⋯。
あの女達と関わりのある魔法士なら楽に情報が取れるんだが、そう都合良くはいかねえよな』

『後、一緒にいた細っこい男が結構イけてるんすよ、捕まえて男娼にしたらすっげえ稼げそうです。あの顔なら男相手でも女相手でもイケること間違いなしですぜ』

『男? そんなに美味そうなら連れてこい、俺が一番に味見してやるぜ。なんせ、国に帰るまで暇だからよお。その間にしっかり調教してやりゃすぐに客が取れるだろ? 初物が高値で売れる女と違って、男はそこそこ熟れてる方が金を稼いでくれるからな』

 デニスとスミスの台詞で、部屋にいくつもの小さな竜巻が沸き起こった。

「デニス、潰す! まずは奴から地獄を見せてやる⋯⋯その後、スミスもブチ殺す!」

 ジルベルトが顳顬をピキピキ言わせている。


『んで、前に連れて来いって言っといた男はどうなったんだ? 熊のボディガードが邪魔? なんだそりゃあ⋯⋯訳のわかんねえことを言ってねえで、さっさと連れてこい。出発までにシーミアを仕込んで、出発したらもう一人で楽しめば⋯⋯。
こないだ渡した薬がありゃすぐに捕獲できんだろうが!』

「ざっけんなぁぁ、あたしの名前まで出てんじゃん! 熊はボディガードじゃなくて、アタシのオモチャなんだから、勘違いすんじゃないわ!! 精々ペット枠よ、頭の軽~い脳筋のペット!」

「俺はシーミアのオモチャでもペットでもねえ!」

(熊扱いのとこはスルーかぁ⋯⋯自覚があったんだね~)




『ホントのホントに助けてくださるんですよね。あの3人のうち2人は今でも聖王国の教会に所属してるんで、騙して連れてって奴隷堕ちさせるとか⋯⋯バレたら私の首が飛びますから。例えじゃなくて物理的に飛びますよ!
絶対の絶対に次の船で王国に連れてって下さいよ! こんな潰れかけの国の田舎領主なんてウンザリなんですから。そうじゃなきゃ奴隷売買なんて⋯⋯先代領主は上手くやってた? そりゃそうですよ。シーサーペントの騒ぎに乗じて勧誘したり拉致したりしてたんですから。私の代になる前に、シーサーペントを討伐するとか⋯⋯良い迷惑ですよ!
その恨みは仲間のガキや女房で晴らすつもりですけどね。結構いい女だし、ガキはよく泣いてくれそうですし。熊への恨みは仲間にやるのが一番堪えそうじゃないですか。魔法は使えませんけど、王国に行く時には連れてこうと思ってるんですよ。愛人にしてもいいし、売り払ってもいいしで、便利ですからね』

「キリング⋯⋯てめえ」

「お、俺の家族を⋯⋯許さねえ」


『もう一人の奴の女房はB級冒険者なんで、危なくて手が出せ⋯⋯え? マジですか? じゃあ、帰って来たらすぐお願いします。そっちも味見させて下さいね。結構いい女ですし、腕が立つ分抵抗とかして楽しめそうですから。
なら、領民なんて好きなだけ奴隷にして下さい。いくらでもお手伝いしますよ』

「俺のカミさんも狙って⋯⋯ぶっ殺ころす!!」




「て事ですから、全員ギルティです! これだけクズばかりって言うのも凄いです! レベッカってクズセンサーとか下衆ホイホイとかってスキルがあるとしか思えないね~。今度調べてみるといいよ~、結果が超楽しみだね!」

「⋯⋯こんな、こんなの信用できるわけないじゃん! アンタの嘘になんか騙されないからね。アタシとパパは王国に行って爵位をもらうって約束してるんだから!」

「そ、そうよね。わたしくの魔法が使い物にならないなんて、ありえないわ! わたくしは⋯⋯わたくしは聖王国の魔法士なのよ!」

「あたしの魔力がないとか⋯⋯そんなわけ」



「3人は聖王国で決められた基準値に達していない。覚えていたはずの魔法は使えなくなり、魔力は減る一方⋯⋯気付いているからこそ、ロクサーナを妬み陥れようとしているんだ。たが、君たちがそんな言動をするたびに、能力は益々落ちている。もう取り返しがつかないほどに」


「アタシは聖女なんだから魔法なんて使えなくてもいいじゃん、アタシがいるだけでいいんだもん。女神像に手を合わせるみたいに、アタシを崇めて寄付を持って来させるんだから!」

「⋯⋯い、今の映像がホントだなんて誰も信じやしないわ」

「魔導具の映像なんていくらでも誤魔化せる。陰気なロクサーナなら、証拠の捏造くらいしててもおかしくないもん!」


「これ、魔導具じゃないからね」

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