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86.港町でお決まりのイベントなんてあったっけ?
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里の家を順番に確認しながらゆっくりと歩く。建て付けに不具合がないか、玄関や窓の鍵はちゃんと閉まっているか、おかしな匂いや気配はないか⋯⋯。
(ずっと手を繋いだままなんだけど⋯⋯これも普通の友達仕様ってやつなのかな。ちょっと恥ずかしい⋯⋯人が見てなくて良かったよお)
「うん、大丈夫そうだな」
最後の家を確認し終えて広場のベンチに腰掛けた2人は、お茶とお菓子で一休みすることにした。
「動物や魔物の気配もなくて安心しました。小さな虫はまぁ別ですけど⋯⋯」
出かける前にゼフィン達のやりとりを聞いたロクサーナは、『他の人も我慢してるはず』だと思い、転移門の設置場所を考えながら里を歩いた。
「これくらい大丈夫なら、ドワーフさん達が自由に帰って来れるように転移門を常設しても良いかもしれませんね。結界の内側に丈夫な塀を作れば、帝国向けのアピールになりませんか?」
「うーん、帰ったら村長に相談してみようか。ドワーフ達がどう思っているのかが一番大切だからね」
「そうですね、大切な故郷ですからみんなで話し合ってもらいましょう」
ドワーフ達が『安全なら帰りたい』と言い出すかもしれないが、それは仕方ないことだと思う。
(元々ミュウ達と住むつもりの島で、移住者なんて考えてなかったし⋯⋯今はジルベルト司祭もいる)
「この後だけど、リューズベイに寄って帰りませんか? 魚介類の屋台がめちゃめちゃ美味しいんです。お昼だからいないと思うけど、旧ロクサーナコレクションの船を見てもらえるかもだし」
「それは嬉⋯⋯楽しそうだね。うん、魚介類の屋台なんて初めてだ」
「じゃあ、張り切って案内しますね! ジルベルト司祭も、ウルサさん達には会った事があるんですよね」
「ああ、1回だけだけどね。シーサーペントの代金を持って来た時に会ったんだ」
(彼等にはかなり威嚇されたよな⋯⋯ロクサーナに会わせろってしつこかったし、かなり気に入られてるみたいだった)
顔を顰めたジルベルト司祭がヤキモチを焼いているとは気付かず、ロクサーナはリューズベイでの出来事を思い出して笑い声を上げた。
「ウルサさんは熊で、カーニスさんは犬、シーミアさんは猿で、アンセルさんは雉⋯⋯初めて名前を聞いた時は笑いを堪えるのに大変でした」
「⋯⋯ラテン語かぁ。知っててつけたんじゃなければビックリだね。じゃあ、片付けてリューズベイに行こうか」
「はい、すっごく楽しみ~。今の季節なら車海老とかタコかなぁ」
帆立の貝も回収して帰らなきゃ⋯⋯と言いながらせっせと片付けをするロクサーナは、無意識に鼻歌を歌っていた。
「デートだけどいいの?」
「はっ! そ、そ、そうでちゅね! だっ、大丈夫でちゅ」
リューズベイの街外れに転移したロクサーナとジルベルト司祭は、春の陽気に温められた街道をのんびりと散歩気分で歩いていた。
大きな荷馬車が横を走り過ぎ、砂埃が舞い上がるのも楽しく感じるのは初めてのデートだからだろうか。風が塩の匂いを纏っているのに気付いて笑顔が浮かんだ。
(デートって楽しいかも。友達かぁ⋯⋯ジルベルト司祭は私の初めての友達だもんね)
人嫌い⋯⋯人が苦手なロクサーナにとって、仕事以外で接するのはジルベルトだけ。道端に咲いている花を見つけて名前を当てっこしたり、空に浮かぶ雲が何に見えるか言い合ったり⋯⋯。ごく当たり前の景色が普段より鮮やかに色付いて見える。
「ん? 難しい顔をしてるけど、何かあった?」
「えーっと、仕事以外でウルサさん達に会うのってこれが初めてだなって気付いたら、ちょっと緊張してきたと言うか⋯⋯」
「サーナなら大丈夫、俺もそばにいるし」
繋ぎっぱなしの手に少し力を入れたジルベルト司祭から、勇気の元が流れてくる。
「ふふっ、魔力にこんな使い方があるとは思いませんでした。ジルベルト司祭って器用ですね」
後数ヶ月で17歳になるロクサーナと、28歳のジルベルト司祭の初デートはかなりお子様仕様だが、本人達は大満足のよう。2人の耳にリューズベイの活気ある声が聞こえてきた。
「おじさーん、イカ焼きちょうだい」
「おっ、久しぶりじゃねえか。今はイカじゃなくてタコだけどな」
「んじゃ、取り敢えず2つね」
「よっしゃ、一番でっかいのを焼いてやるから待ってな。確か~、おじちゃんのアレよりでけえのがあったと⋯⋯⋯⋯ひっ、さ、さぶっ、なんか、ええーっ⋯⋯あ、すんません。いや、今のはちょーっとした冗談で。ちびちゃん、助けてくれえ」
ロクサーナの後ろから冷気が吹きつけ、イカ焼きからタコ焼きの屋台に変わっていたおじさんのグラントが、真っ青になって謝りはじめた。
「むむ? ジルベ⋯⋯ル、ルイス? 冷気がガンガンに噴き出てるけど、何かあった?」
何も考えずいつものように下ネタを口にしたグラントのせいで、ジルベルト司祭の周りが凍りついていた。
「いや、なんでもない。⋯⋯突然で心の準備ができていなくて⋯⋯そうか、屋台と言うところにはガンツが増殖してるんだな。勉強になったと言うか、ご店主殿には申し訳ない事をした」
しっかりと頭を下げたジルベルトにグラントが恐縮して、冷や汗を垂らしはじめた。
「いや、貴族の方とは思わず⋯⋯大変申し訳ありませんでした。どうかお許しください」
「いや、私が一方的に間違っていたのだから」
生まれも育ちも高位貴族で、8歳まではお坊っちゃまとして育ち、その後はお嬢様で10歳から聖女見習いとして教会に籠り⋯⋯異色の経歴から現場に出ることもなかったジルベルト司祭は、一般庶民のノリを知らなかった。
(そうか、仕事の交渉相手は王侯貴族ばかりだもんね)
「おい、お前ら何やってんだ!? バカじゃねえのかよ」
頭を下げあうジルベルト司祭とグラントの様子を見た通りすがりのおっさんが、チャンスと思ったのか難癖をつけてきた。
「こーんな広場のど真ん中で、気分の悪いことしてんじゃねえ! ん? そこのチビ! てめえはこないだのクソガキじゃねえか!!」
振り返ったロクサーナを指さして喚くおっさんに、見覚えがあるようなないような⋯⋯。
「おっさん⋯⋯誰?」
「ふ、巫山戯んなぁぁ! 臭いだのなんだの訳のわかんねえこと言って、蹴りを入れてきただろうが!」
大の大人がちびっ子に蹴り飛ばされて気を失い、笑い者になった恨みを晴らしてやろうと、ロクサーナに向かって足を踏み出した。
おっさんを睨みつけロクサーナの前に立ったジルベルト司祭の横から顔を出し⋯⋯。
「うーん、そんな事あったかなぁ⋯⋯あっ、あったあった! 魚臭いからお風呂に入るよう勧めてあげたおっさんだね。今日もお風呂入らずウザ絡みして遊んでるの?
てか、こんな時間に酒臭いとかダメダメじゃん」
「てめえ! 今日はこないだの借りもつけて痛い目にあわせてやる」
ダブルパンチで臭いと鼻を抑えたロクサーナに、おっさんが手を伸ばした。
「やめないか! こんなところで騒げば、多くの人に迷惑がかかる」
タゲを取るつもりなのか、ロクサーナを守ろうとしたのか⋯⋯ジルベルト司祭がおっさんに注意を促した。
「おいおい、この町じゃあな、貴族だからって多めに見ちゃもらえねえんだぜ! 他所もんのくせに偉そうにしてんじゃねえ!
おいみんな! こいつらボコボコにして、領主様の前に引き出してやろうぜ」
ざわざわと騒ぐ買い物客の中から、難癖をつけてきたおっさんとよく似た男達が前に出てきた。
「えーっと、殺っちゃうって感じ? おじさん、タコ焼き後で取りにくるから置いといてね~。んじゃ行こう! どこでやる? 広いとこに移動しよう! ほらほら」
「サーナ、ノリノリだな」
「当然だよ! 売られた喧嘩は買わなきゃね~。ルイスも楽しもうよ、多分だけど⋯⋯こう言うのって港町のイベントとか、お決まりの遊びなんじゃないかな?」
「ちびちゃん⋯⋯それ違うから」
無責任な見物人達は盛り上がり、広場の中央まで道ができた。
(ずっと手を繋いだままなんだけど⋯⋯これも普通の友達仕様ってやつなのかな。ちょっと恥ずかしい⋯⋯人が見てなくて良かったよお)
「うん、大丈夫そうだな」
最後の家を確認し終えて広場のベンチに腰掛けた2人は、お茶とお菓子で一休みすることにした。
「動物や魔物の気配もなくて安心しました。小さな虫はまぁ別ですけど⋯⋯」
出かける前にゼフィン達のやりとりを聞いたロクサーナは、『他の人も我慢してるはず』だと思い、転移門の設置場所を考えながら里を歩いた。
「これくらい大丈夫なら、ドワーフさん達が自由に帰って来れるように転移門を常設しても良いかもしれませんね。結界の内側に丈夫な塀を作れば、帝国向けのアピールになりませんか?」
「うーん、帰ったら村長に相談してみようか。ドワーフ達がどう思っているのかが一番大切だからね」
「そうですね、大切な故郷ですからみんなで話し合ってもらいましょう」
ドワーフ達が『安全なら帰りたい』と言い出すかもしれないが、それは仕方ないことだと思う。
(元々ミュウ達と住むつもりの島で、移住者なんて考えてなかったし⋯⋯今はジルベルト司祭もいる)
「この後だけど、リューズベイに寄って帰りませんか? 魚介類の屋台がめちゃめちゃ美味しいんです。お昼だからいないと思うけど、旧ロクサーナコレクションの船を見てもらえるかもだし」
「それは嬉⋯⋯楽しそうだね。うん、魚介類の屋台なんて初めてだ」
「じゃあ、張り切って案内しますね! ジルベルト司祭も、ウルサさん達には会った事があるんですよね」
「ああ、1回だけだけどね。シーサーペントの代金を持って来た時に会ったんだ」
(彼等にはかなり威嚇されたよな⋯⋯ロクサーナに会わせろってしつこかったし、かなり気に入られてるみたいだった)
顔を顰めたジルベルト司祭がヤキモチを焼いているとは気付かず、ロクサーナはリューズベイでの出来事を思い出して笑い声を上げた。
「ウルサさんは熊で、カーニスさんは犬、シーミアさんは猿で、アンセルさんは雉⋯⋯初めて名前を聞いた時は笑いを堪えるのに大変でした」
「⋯⋯ラテン語かぁ。知っててつけたんじゃなければビックリだね。じゃあ、片付けてリューズベイに行こうか」
「はい、すっごく楽しみ~。今の季節なら車海老とかタコかなぁ」
帆立の貝も回収して帰らなきゃ⋯⋯と言いながらせっせと片付けをするロクサーナは、無意識に鼻歌を歌っていた。
「デートだけどいいの?」
「はっ! そ、そ、そうでちゅね! だっ、大丈夫でちゅ」
リューズベイの街外れに転移したロクサーナとジルベルト司祭は、春の陽気に温められた街道をのんびりと散歩気分で歩いていた。
大きな荷馬車が横を走り過ぎ、砂埃が舞い上がるのも楽しく感じるのは初めてのデートだからだろうか。風が塩の匂いを纏っているのに気付いて笑顔が浮かんだ。
(デートって楽しいかも。友達かぁ⋯⋯ジルベルト司祭は私の初めての友達だもんね)
人嫌い⋯⋯人が苦手なロクサーナにとって、仕事以外で接するのはジルベルトだけ。道端に咲いている花を見つけて名前を当てっこしたり、空に浮かぶ雲が何に見えるか言い合ったり⋯⋯。ごく当たり前の景色が普段より鮮やかに色付いて見える。
「ん? 難しい顔をしてるけど、何かあった?」
「えーっと、仕事以外でウルサさん達に会うのってこれが初めてだなって気付いたら、ちょっと緊張してきたと言うか⋯⋯」
「サーナなら大丈夫、俺もそばにいるし」
繋ぎっぱなしの手に少し力を入れたジルベルト司祭から、勇気の元が流れてくる。
「ふふっ、魔力にこんな使い方があるとは思いませんでした。ジルベルト司祭って器用ですね」
後数ヶ月で17歳になるロクサーナと、28歳のジルベルト司祭の初デートはかなりお子様仕様だが、本人達は大満足のよう。2人の耳にリューズベイの活気ある声が聞こえてきた。
「おじさーん、イカ焼きちょうだい」
「おっ、久しぶりじゃねえか。今はイカじゃなくてタコだけどな」
「んじゃ、取り敢えず2つね」
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ロクサーナの後ろから冷気が吹きつけ、イカ焼きからタコ焼きの屋台に変わっていたおじさんのグラントが、真っ青になって謝りはじめた。
「むむ? ジルベ⋯⋯ル、ルイス? 冷気がガンガンに噴き出てるけど、何かあった?」
何も考えずいつものように下ネタを口にしたグラントのせいで、ジルベルト司祭の周りが凍りついていた。
「いや、なんでもない。⋯⋯突然で心の準備ができていなくて⋯⋯そうか、屋台と言うところにはガンツが増殖してるんだな。勉強になったと言うか、ご店主殿には申し訳ない事をした」
しっかりと頭を下げたジルベルトにグラントが恐縮して、冷や汗を垂らしはじめた。
「いや、貴族の方とは思わず⋯⋯大変申し訳ありませんでした。どうかお許しください」
「いや、私が一方的に間違っていたのだから」
生まれも育ちも高位貴族で、8歳まではお坊っちゃまとして育ち、その後はお嬢様で10歳から聖女見習いとして教会に籠り⋯⋯異色の経歴から現場に出ることもなかったジルベルト司祭は、一般庶民のノリを知らなかった。
(そうか、仕事の交渉相手は王侯貴族ばかりだもんね)
「おい、お前ら何やってんだ!? バカじゃねえのかよ」
頭を下げあうジルベルト司祭とグラントの様子を見た通りすがりのおっさんが、チャンスと思ったのか難癖をつけてきた。
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「おっさん⋯⋯誰?」
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ざわざわと騒ぐ買い物客の中から、難癖をつけてきたおっさんとよく似た男達が前に出てきた。
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「当然だよ! 売られた喧嘩は買わなきゃね~。ルイスも楽しもうよ、多分だけど⋯⋯こう言うのって港町のイベントとか、お決まりの遊びなんじゃないかな?」
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