63 / 126
58.嬉し恥ずかし、ブチギレた
しおりを挟む
終業式までの暇な時間に少しずつ島に手を入れ、家が形になりはじめた。
巨大な穴を掘り壁を固めて作った地下室は、錬金術の作業部屋と温度管理の必要な薬草や素材用の倉庫になる。
地上階は木を切り枝を落としてログハウス風の家を建てていく。広い窓とテラスは必須で、キッチンは大きなテーブルが置ける広さにしたい。
暖炉の前はミュウ達全員とゴロゴロできるように、どこよりも広いスペースにするつもり。
細かく粉砕した貝殻を畑の予定地に蒔いた後は、モグモグが大喜びで土を掘り返し、悪戯を仕掛けようとするピッピがウルウルに追いかけ回されていた。
ミュウ達が走り回る姿を見ながらのんびりとお茶をするのが、ロクサーナの一番の楽しみ。
【みてみて、ピッピお魚取れた~】
【逸れた魔物の子供発見!】
「え? 迷子なの!? 親、親を探さなくちゃ」
【みてみて~、ドラゴンが卵産んでたの~】
「返してきてぇぇぇ! 山が揺れてるからぁぁ」
ジルベルト情報によると、領主が世代交代したリューズベイは、落ち着きを取り戻したらしい。ギルド長も罷免され、副ギルド長が繰り上がりでギルド長に就任。
シーサーペントは解体されて素材は冒険者ギルドに売り、身は屋台や食堂で色々な料理になって売りに出された。
収益は、シーサーペントを討伐する為に使用した魔導具の購入費用として、ウルサに届けられ⋯⋯わざわざ教会に乗り込んできたウルサ達がロクサーナのものだからと言って置いて行った。
『タダ働きはチビには似合わねえ』
シーサーペントが討伐されてから、漁場の魚が増え、海の汚染も減ったと言う噂が流れた。
そのお陰か町は以前より活気にあふれ、観光客も増えている。
【キルケーはいいの?】
「うん、少しほとぼりが覚めてからにする」
教会を出る前にウルサ達が『チビからの連絡を待ってる』と言っていたので、当分リューズベイには近寄らないつもり。
「楽しかったけど、私は余所者だからね」
【だから、こっそり船だけ回収に行ったんだ】
「まあね」
7月、学園の終業式まで10日あまり。
「ぐふっ⋯⋯デヘヘ⋯⋯」
【ロクサーナがこわれたの~】
「カジャおばさんがさぁお祝いしてくれるって言うんだも~ん。でへっ⋯⋯お祝いだよ~」
【昨日ドワーフ村から通信が来てからずっとこの調子⋯⋯治んないかも。そ、そうだ! クロノスに時間を戻してもらえば⋯⋯】
ドワーフの中で一番積極的に『救出してぇぇ』と言っていたのがカジャおばさん。子供の頃から可愛がってくれていた親戚⋯⋯叔父が捕まっていたので、必死だったと教えてくれた。
『村長は気が利かんけん、相談事はうちらに言いんちゃい。男らの尻を叩いちゃるけんね』
『ロクサーナちゃんはドワーフ村みんなの孫じゃけん、遠慮せんのんよ』
『ちゃんと3食食べよる? 早うおっきゅうならんとね』
村長との通信に必ず割り込んでは色々と心配してくれる、元気いっぱいのおばちゃん達のひとり。
『もうすぐ終業式じゃって聞いたけん、終わったら村に来んちゃい。うちでお祝いするけんね』
それからずっと『でへへ』となっているロクサーナだった。
夕方になりようやくロクサーナに正気が戻ってきた頃、通信鏡の向こうに⋯⋯机に頭と両手をつけた平身低頭のジルベルト司祭の姿が現れた。
「⋯⋯と言う事で、お願いできないかなぁと」
「はいぃぃぃ!?」
またあの肩のこる制服を着て、歌って踊るポンコツ達に会うと思っただけでも溜め息しかでない⋯⋯考えるのはもう少し先⋯⋯と思っていたロクサーナの絶叫が響き渡った。
「卒業パーティーへの参加ってなにそれ⋯⋯なんの罰ゲーム?」
「だよね、俺もそう思うよ」
終業式の前日に3年生の卒業式があり、その後『卒業パーティー』があるのはお決まりだが、王国では在園生を含めて全員参加が決まりだと言う。
卒業パーティーとなっているが、教職員や両親を招待したいわゆる謝恩会で、王宮の大広間を使って開かれる⋯⋯。
一体何人いるのか想像したくもないパーティーのよう。
「ふ~ん、気軽に制服でご参加下さいってわざわざ追記してある?⋯⋯すっご~く分かりやすい狙いだよねぇ」
「う、うん」
「拒否できないの?」
徐々に⋯⋯じわ~りじわりと⋯⋯スイッチが深く深~く押し込まれる気配にジルベルト司祭が震え上がった。
「ご、ごめんね! ほんっとにごめん! 断ってあげたかったのよ。何度も交渉したんだけど⋯⋯留学生のリーダーが出席できないのかって言われちゃったのよぉ」
感情の振り幅が大きくなるとオネエ言葉になるのは、ジルベルト司祭の過去に理由があるが⋯⋯それはまた別の話として。
「やっぱ辞めにするわ! 卒業式前にあの王国をぶっ潰して来るから! だから、ロクサーナは気にしないで。この通信は終業式がなくなる連絡ってこ⋯⋯」
「やーめーれー! たかがパーティーひとつのために国を潰しちゃダメじゃん」
「でもね⋯⋯あの国、図に乗りすぎだから、きっちり仕返ししないと気が済まないって言うか⋯⋯」
「やってやろうじゃん! パーティーでアイツらぜーんぶボッコボコにして、アホ面を晒させてくる!」
「⋯⋯本当の本当にいいの? 絶対嫌な思いすると思うから、無理しないで」
「だって、今あの国を潰したら特別報酬がなくなりそうだし、パーティーで難癖つけてきたらその分をさらに追加でもらっちゃうもんね~。慰謝料よ! 精神的苦痛に大勢の前で聖女を貶めた不敬罪を追加して、がっぽり毟り取ってやる!
なんならその時だけ『大聖女候補』になってもいいかも⋯⋯その方がもっと毟り取れそうだしね」
流石、銭ゲバ聖女。
「⋯⋯教会の『ぜひ大聖女に!』と言うお願いは拒否し続けてきたくせに」
「ふっふっふ、白金貨のためなら使えるもんはなんでも使うのだよ」
「⋯⋯プハッ、ロクサーナらしくていいじゃん。なら、こっちで『大聖女昇格推薦状』を作っとく」
「すぐに本格的なドレスを準備しなきゃだね! ロクサーナさんの本気、見せてやろうじゃん!」
この短期間ではどうせ大した準備はできないだろうと、下劣な笑いでも浮かべていそうなポンコツ達。
(それなら予想を覆すのがセオリーってやつだもんね~)
通信を切って異空間収納の中から、大量のアクセサリーとドレスの素材を取り出して腕を組んだロクサーナがほくそ笑んだ。
(足りないものがあるよねぇ⋯⋯)
「でね、来ちゃったの~。それと、ジルベルト司祭を拉致してきちゃいました。テヘッ」
突然、教会の執務室に現れたロクサーナは、机に張り付いていたジルベルト司祭の首根っこを掴み、問答無用で転移。
ロクサーナの目の前でふるふると震えながらすでに泣いているのは⋯⋯変異種のアラクネ。
「ドレス一着分でいいです! どうかお願いしまっす」
「あの、初めてお目にかかります。ルイス・ジルベルトと申します。一度お会いしたいとは思っておりましたが⋯⋯えーっと、この度はご面倒をおかけ⋯⋯」
【きゃ、イケメンじゃない! いいわよ~、バンバン出しちゃうわ。少し面窶れした感じとか、かき乱した髪を慌てて纏めたみたいな⋯⋯主人公に振り回された哀れなイケメン!
妄想高まるこの感じ~、出まくっちゃうかも~】
(アラクネにもイケメンが効くのか⋯⋯主人公って、なんぞ? でもでも、いい事知っちゃった~)
巨大な穴を掘り壁を固めて作った地下室は、錬金術の作業部屋と温度管理の必要な薬草や素材用の倉庫になる。
地上階は木を切り枝を落としてログハウス風の家を建てていく。広い窓とテラスは必須で、キッチンは大きなテーブルが置ける広さにしたい。
暖炉の前はミュウ達全員とゴロゴロできるように、どこよりも広いスペースにするつもり。
細かく粉砕した貝殻を畑の予定地に蒔いた後は、モグモグが大喜びで土を掘り返し、悪戯を仕掛けようとするピッピがウルウルに追いかけ回されていた。
ミュウ達が走り回る姿を見ながらのんびりとお茶をするのが、ロクサーナの一番の楽しみ。
【みてみて、ピッピお魚取れた~】
【逸れた魔物の子供発見!】
「え? 迷子なの!? 親、親を探さなくちゃ」
【みてみて~、ドラゴンが卵産んでたの~】
「返してきてぇぇぇ! 山が揺れてるからぁぁ」
ジルベルト情報によると、領主が世代交代したリューズベイは、落ち着きを取り戻したらしい。ギルド長も罷免され、副ギルド長が繰り上がりでギルド長に就任。
シーサーペントは解体されて素材は冒険者ギルドに売り、身は屋台や食堂で色々な料理になって売りに出された。
収益は、シーサーペントを討伐する為に使用した魔導具の購入費用として、ウルサに届けられ⋯⋯わざわざ教会に乗り込んできたウルサ達がロクサーナのものだからと言って置いて行った。
『タダ働きはチビには似合わねえ』
シーサーペントが討伐されてから、漁場の魚が増え、海の汚染も減ったと言う噂が流れた。
そのお陰か町は以前より活気にあふれ、観光客も増えている。
【キルケーはいいの?】
「うん、少しほとぼりが覚めてからにする」
教会を出る前にウルサ達が『チビからの連絡を待ってる』と言っていたので、当分リューズベイには近寄らないつもり。
「楽しかったけど、私は余所者だからね」
【だから、こっそり船だけ回収に行ったんだ】
「まあね」
7月、学園の終業式まで10日あまり。
「ぐふっ⋯⋯デヘヘ⋯⋯」
【ロクサーナがこわれたの~】
「カジャおばさんがさぁお祝いしてくれるって言うんだも~ん。でへっ⋯⋯お祝いだよ~」
【昨日ドワーフ村から通信が来てからずっとこの調子⋯⋯治んないかも。そ、そうだ! クロノスに時間を戻してもらえば⋯⋯】
ドワーフの中で一番積極的に『救出してぇぇ』と言っていたのがカジャおばさん。子供の頃から可愛がってくれていた親戚⋯⋯叔父が捕まっていたので、必死だったと教えてくれた。
『村長は気が利かんけん、相談事はうちらに言いんちゃい。男らの尻を叩いちゃるけんね』
『ロクサーナちゃんはドワーフ村みんなの孫じゃけん、遠慮せんのんよ』
『ちゃんと3食食べよる? 早うおっきゅうならんとね』
村長との通信に必ず割り込んでは色々と心配してくれる、元気いっぱいのおばちゃん達のひとり。
『もうすぐ終業式じゃって聞いたけん、終わったら村に来んちゃい。うちでお祝いするけんね』
それからずっと『でへへ』となっているロクサーナだった。
夕方になりようやくロクサーナに正気が戻ってきた頃、通信鏡の向こうに⋯⋯机に頭と両手をつけた平身低頭のジルベルト司祭の姿が現れた。
「⋯⋯と言う事で、お願いできないかなぁと」
「はいぃぃぃ!?」
またあの肩のこる制服を着て、歌って踊るポンコツ達に会うと思っただけでも溜め息しかでない⋯⋯考えるのはもう少し先⋯⋯と思っていたロクサーナの絶叫が響き渡った。
「卒業パーティーへの参加ってなにそれ⋯⋯なんの罰ゲーム?」
「だよね、俺もそう思うよ」
終業式の前日に3年生の卒業式があり、その後『卒業パーティー』があるのはお決まりだが、王国では在園生を含めて全員参加が決まりだと言う。
卒業パーティーとなっているが、教職員や両親を招待したいわゆる謝恩会で、王宮の大広間を使って開かれる⋯⋯。
一体何人いるのか想像したくもないパーティーのよう。
「ふ~ん、気軽に制服でご参加下さいってわざわざ追記してある?⋯⋯すっご~く分かりやすい狙いだよねぇ」
「う、うん」
「拒否できないの?」
徐々に⋯⋯じわ~りじわりと⋯⋯スイッチが深く深~く押し込まれる気配にジルベルト司祭が震え上がった。
「ご、ごめんね! ほんっとにごめん! 断ってあげたかったのよ。何度も交渉したんだけど⋯⋯留学生のリーダーが出席できないのかって言われちゃったのよぉ」
感情の振り幅が大きくなるとオネエ言葉になるのは、ジルベルト司祭の過去に理由があるが⋯⋯それはまた別の話として。
「やっぱ辞めにするわ! 卒業式前にあの王国をぶっ潰して来るから! だから、ロクサーナは気にしないで。この通信は終業式がなくなる連絡ってこ⋯⋯」
「やーめーれー! たかがパーティーひとつのために国を潰しちゃダメじゃん」
「でもね⋯⋯あの国、図に乗りすぎだから、きっちり仕返ししないと気が済まないって言うか⋯⋯」
「やってやろうじゃん! パーティーでアイツらぜーんぶボッコボコにして、アホ面を晒させてくる!」
「⋯⋯本当の本当にいいの? 絶対嫌な思いすると思うから、無理しないで」
「だって、今あの国を潰したら特別報酬がなくなりそうだし、パーティーで難癖つけてきたらその分をさらに追加でもらっちゃうもんね~。慰謝料よ! 精神的苦痛に大勢の前で聖女を貶めた不敬罪を追加して、がっぽり毟り取ってやる!
なんならその時だけ『大聖女候補』になってもいいかも⋯⋯その方がもっと毟り取れそうだしね」
流石、銭ゲバ聖女。
「⋯⋯教会の『ぜひ大聖女に!』と言うお願いは拒否し続けてきたくせに」
「ふっふっふ、白金貨のためなら使えるもんはなんでも使うのだよ」
「⋯⋯プハッ、ロクサーナらしくていいじゃん。なら、こっちで『大聖女昇格推薦状』を作っとく」
「すぐに本格的なドレスを準備しなきゃだね! ロクサーナさんの本気、見せてやろうじゃん!」
この短期間ではどうせ大した準備はできないだろうと、下劣な笑いでも浮かべていそうなポンコツ達。
(それなら予想を覆すのがセオリーってやつだもんね~)
通信を切って異空間収納の中から、大量のアクセサリーとドレスの素材を取り出して腕を組んだロクサーナがほくそ笑んだ。
(足りないものがあるよねぇ⋯⋯)
「でね、来ちゃったの~。それと、ジルベルト司祭を拉致してきちゃいました。テヘッ」
突然、教会の執務室に現れたロクサーナは、机に張り付いていたジルベルト司祭の首根っこを掴み、問答無用で転移。
ロクサーナの目の前でふるふると震えながらすでに泣いているのは⋯⋯変異種のアラクネ。
「ドレス一着分でいいです! どうかお願いしまっす」
「あの、初めてお目にかかります。ルイス・ジルベルトと申します。一度お会いしたいとは思っておりましたが⋯⋯えーっと、この度はご面倒をおかけ⋯⋯」
【きゃ、イケメンじゃない! いいわよ~、バンバン出しちゃうわ。少し面窶れした感じとか、かき乱した髪を慌てて纏めたみたいな⋯⋯主人公に振り回された哀れなイケメン!
妄想高まるこの感じ~、出まくっちゃうかも~】
(アラクネにもイケメンが効くのか⋯⋯主人公って、なんぞ? でもでも、いい事知っちゃった~)
42
お気に入りに追加
2,488
あなたにおすすめの小説
どうぞ二人の愛を貫いてください。悪役令嬢の私は一抜けしますね。
kana
恋愛
私の目の前でブルブルと震えている、愛らく庇護欲をそそる令嬢の名前を呼んだ瞬間、頭の中でパチパチと火花が散ったかと思えば、突然前世の記憶が流れ込んできた。
前世で読んだ小説の登場人物に転生しちゃっていることに気付いたメイジェーン。
やばい!やばい!やばい!
確かに私の婚約者である王太子と親しすぎる男爵令嬢に物申したところで問題にはならないだろう。
だが!小説の中で悪役令嬢である私はここのままで行くと断罪されてしまう。
前世の記憶を思い出したことで冷静になると、私の努力も認めない、見向きもしない、笑顔も見せない、そして不貞を犯す⋯⋯そんな婚約者なら要らないよね!
うんうん!
要らない!要らない!
さっさと婚約解消して2人を応援するよ!
だから私に遠慮なく愛を貫いてくださいね。
※気を付けているのですが誤字脱字が多いです。長い目で見守ってください。
ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません
野村にれ
恋愛
人としての限界に達していたヨルレアンは、
婚約者であるエルドール第二王子殿下に理不尽とも思える注意を受け、
話の流れから婚約を解消という話にまでなった。
ヨルレアンは自分の立場のために頑張っていたが、
絶対に婚約を解消しようと拳を上げる。
私のバラ色ではない人生
野村にれ
恋愛
ララシャ・ロアンスラー公爵令嬢は、クロンデール王国の王太子殿下の婚約者だった。
だが、隣国であるピデム王国の第二王子に見初められて、婚約が解消になってしまった。
そして、後任にされたのが妹であるソアリス・ロアンスラーである。
ソアリスは王太子妃になりたくもなければ、王太子妃にも相応しくないと自負していた。
だが、ロアンスラー公爵家としても責任を取らなければならず、
既に高位貴族の令嬢たちは婚約者がいたり、結婚している。
ソアリスは不本意ながらも嫁ぐことになってしまう。
【全話まとめ】意味が分かると怖い話【解説付き】
松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で楽しめる短めの意味が分かると怖い話をたくさん作って投稿しているよ。
ヒントや補足的な役割として解説も用意しているけど、自分で想像しながら読むのがおすすめだよ。
中にはホラー寄りのものとクイズ寄りのものがあるから、お好みのお話を探してね。
あなたたちのことなんて知らない
gacchi
恋愛
母親と旅をしていたニナは精霊の愛し子だということが知られ、精霊教会に捕まってしまった。母親を人質にされ、この国にとどまることを国王に強要される。仕方なく侯爵家の養女ニネットとなったが、精霊の愛し子だとは知らない義母と義妹、そして婚約者の第三王子カミーユには愛人の子だと思われて嫌われていた。だが、ニネットに虐げられたと嘘をついた義妹のおかげで婚約は解消される。それでも精霊の愛し子を利用したい国王はニネットに新しい婚約者候補を用意した。そこで出会ったのは、ニネットの本当の姿が見える公爵令息ルシアンだった。
【完結】幼馴染に婚約破棄されたので、別の人と結婚することにしました
鹿乃目めの
恋愛
セヴィリエ伯爵令嬢クララは、幼馴染であるノランサス伯爵子息アランと婚約していたが、アランの女遊びに悩まされてきた。
ある日、アランの浮気相手から「アランは私と結婚したいと言っている」と言われ、アランからの手紙を渡される。そこには婚約を破棄すると書かれていた。
失意のクララは、国一番の変わり者と言われているドラヴァレン辺境伯ロイドからの求婚を受けることにした。
主人公が本当の愛を手に入れる話。
独自設定のファンタジーです。実際の歴史や常識とは異なります。
さくっと読める短編です。
※完結しました。ありがとうございました。
閲覧・いいね・お気に入り・感想などありがとうございます。
(次作執筆に集中するため、現在感想の受付は停止しております。感想を下さった方々、ありがとうございました)
死を回避したい悪役令嬢は、ヒロインを破滅へと導く
miniko
恋愛
お茶会の参加中に魔獣に襲われたオフィーリアは前世を思い出し、自分が乙女ゲームの2番手悪役令嬢に転生してしまった事を悟った。
ゲームの結末によっては、断罪されて火あぶりの刑に処されてしまうかもしれない立場のキャラクターだ。
断罪を回避したい彼女は、攻略対象者である公爵令息との縁談を丁重に断ったのだが、何故か婚約する代わりに彼と友人になるはめに。
ゲームのキャラとは距離を取りたいのに、メインの悪役令嬢にも妙に懐かれてしまう。
更に、ヒロインや王子はなにかと因縁をつけてきて……。
平和的に悪役の座を降りたかっただけなのに、どうやらそれは無理みたいだ。
しかし、オフィーリアが人助けと自分の断罪回避の為に行っていた地道な根回しは、徐々に実を結び始める。
それがヒロインにとってのハッピーエンドを阻む結果になったとしても、仕方の無い事だよね?
だって本来、悪役って主役を邪魔するものでしょう?
※主人公以外の視点が入る事があります。主人公視点は一人称、他者視点は三人称で書いています。
※連載開始早々、タイトル変更しました。(なかなかピンと来ないので、また変わるかも……)
※感想欄は、ネタバレ有り/無しの分類を一切おこなっておりません。ご了承下さい。
聖女なので公爵子息と結婚しました。でも彼には好きな人がいるそうです。
MIRICO
恋愛
癒しの力を持つ聖女、エヴリーヌ。彼女は聖女の嫁ぎ制度により、公爵子息であるカリス・ヴォルテールに嫁ぐことになった。しかしカリスは、ブラシェーロ公爵子息に嫁ぐ聖女、アティを愛していたのだ。
カリスはエヴリーヌに二年後の離婚を願う。王の命令で結婚することになったが、愛する人がいるためエヴリーヌを幸せにできないからだ。
勝手に決められた結婚なのに、二年で離婚!?
アティを愛していても、他の公爵子息の妻となったアティと結婚するわけにもいかない。離婚した後は独身のまま、後継者も親戚の子に渡すことを辞さない。そんなカリスの切実な純情の前に、エヴリーヌは二年後の離婚を承諾した。
なんてやつ。そうは思ったけれど、カリスは心優しく、二年後の離婚が決まってもエヴリーヌを蔑ろにしない、誠実な男だった。
やめて、優しくしないで。私が好きになっちゃうから!!
ブックマーク・いいね・ご感想等、ありがとうございます。誤字もお知らせくださりありがとうございます。修正します。ご感想お返事ネタバレになりそうなので控えさせていただきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる