90 / 126
81.初めて言ってみたら、おバカって言われた
しおりを挟む
【決めた! 1票はピッピに入れる!】
「どど、どうしたの!? ピッピ? ピッピがなん⋯⋯ぇ⋯⋯ぁ⋯⋯また、どっか行っちゃった⋯⋯お茶淹れたのに」
何が起きているのかを確実に知っているのはピッピのようだが、聞くのが怖い気がする。
(話の流れからすると、間違いなくさっきの話だよね。う~ん、ピッピだよね。あの、ピッピが⋯⋯1票って? あ~、無理。分かんない)
ふわっとした意味不明の発言で飛び出していくのはピッピの担当で⋯⋯それをフォローしつつ説明もしてくれるのがミュウ。
「この場合、誰に聞けば正解が分かるの? とりあえずお茶を飲んで考えるか⋯⋯さっきの回路は、多分⋯⋯」
頭が魔導具でいっぱいになったロクサーナは『1票の意味』を聞きに行くのをすっかり忘れた事を、心から後悔するまでに後数時間。
「今日はお帰り? それとも今晩は?」
「今日は『お帰り』の方。食事の後でのんびりと語り合おうか」
にっこり笑った顔もロクサーナの頭を撫でる手もいつも通りのはずだが、ジルベルト司祭に威圧されている気がする。
「う、うん? えーっと、今日のメニューは⋯⋯ カジャおばさんが教えてくれた初チャレンジの、鯛の白ワイン煮バターソースがメインで、ポトフは久しぶりに兎肉」
「そうか、いつもありがとう。何か手伝うことは?」
「特にないかなあ」
ジルベルト司祭の家を借りるようになってから、おばさん達に教わりつつ少しずつ料理にチャレンジしはじめた。
(外の竈門で作る野営料理も好きだけど、キッチンだと作りたいものが変わってくるみたいで結構楽しいし、早く一階も作ろうかなぁ)
いつまでも他人の家を借りているのは申し訳ないと思いつつ、呑気に皿を運んでいるロクサーナの横では、ジルベルト司祭がパンをオーブンから出してくれた。
「バターとジャムはどっち?」
「う~ん、今日は両方貰おうかな。甘いのが欲しい気分なんだ」
珍しいと思いながら、ブルーベリージャムとオレンジマーマレードをテーブルに並べた。
ほぼ、新婚家庭のノリで夕食の準備が整い、ラブラブモードにしかありえない距離で食事をはじめた。
「あ~ん」
バターとジャムを乗せた熱々のパンが当たり前のように出てくると、ごく自然にロクサーナがパクリ。
「じゃあ、ジルベルト司祭はマーマレードで、はい」
「ん?」
「あ、えっと⋯⋯ル、ルイスもあ~ん」
にっこり笑った迫力満点の笑顔で、大きな口を開けたジルベルト司祭がパクリ。
なかなか慣れなかった『あ~ん』はクリアできたが、名前呼びはまだハードルが高い。
ジルベルト司祭曰く、『ルイス』呼びの次のステップは外食らしいが、当分先にしてもらうよう頼むつもりでいる。
(友達って色々と恥ずかしい事が多すぎだもん。外では絶対食事できないよ)
一般的な友達関係に『あ~ん』がないと知るのは、もう少し先になりそうな予感。
食事の後は、皿を洗うジルベルト司祭と拭いて片付けるロクサーナ⋯⋯と、ここまではいつも通りだったが。
(何故、膝に座らされた? 今日は何もしでかしてな⋯⋯あっ、まさか)
にっこりと口元だけが笑っているジルベルト司祭が、ロクサーナの腰を左手でガッチリとホールドした。
「逃げられないからね~。さあ、吐け」
「⋯⋯な、なにを? えーっと、食べたばかりで吐くのは勿体な⋯⋯ひえぇぇ」
少しひんやりした指で、恐怖のほっぺすりすり攻撃を喰らったロクサーナが悲鳴を上げた。
「吐かないロクサーナが悪いよね~」
「えーっと、どのような案件かをお聞きしてか⋯⋯わあ、ご、ごめんなひゃいぃぃ。誰から何を聞いたのか分かんないけど⋯⋯その⋯⋯気にしなくても問題は⋯⋯ぎゃあ!」
ほっぺむぎゅうからの、全身ガッツリむぎゅうに突入したお仕置きスペシャルで、ロクサーナは『チクったのは誰だぁ』と脳内で八つ当たりを開始した。
「囮ってな~に? 内緒で何をやるつもりかしら?」
「あ、いや、おと? おっとり? あ、ごめんなさいぃぃ。そんな心配するほどのことじゃなくてですね。ちょっとシメてこようかなぁと。きゅっとシメて、グェッて言わせるだけなんで⋯⋯教会の仕事に比べたらもう、デザートのプリン一口分にもならないくらいの」
「教会の仕事の時だって、どれだけ心配してたか! ようやく少し安心できそうかなって思ったてたのに⋯⋯殺る時は教えてくれるはずって思ってたのは、独りよがりの思い上がりだったのよね」
久しぶりにオネエ言葉になったジルベルト司祭がロクサーナの肩に額を押し付けた。
「この間、あんな目に遭わせちゃったから、信用ないのよね。ごめんね」
「ち、違う。ぜんっぜん違うから。信用とかじゃなくて、やり残した仕事みたいな⋯⋯興味本位なとこも大きいし。謎とか疑問は解決しときたいみたいな?
だから、ジルベルト司祭が仕事から帰ってくるまでに、ちょっとだけ⋯⋯暇つぶしくらいの感じでプチってしてこようかなんて」
相手は腐っても海神⋯⋯まだ腐ってない不死の海神だが、ロクサーナは大型の魔物を殺る時より気楽に考えている。
「明日休みをとってきたから⋯⋯信用してるなら連れてって。信用してないならここでお留守番してるわ」
「⋯⋯もう、信用してるってば。だから、膝から降りてもい⋯⋯」
「うぐっ! そこでもじもじは禁止だってば。別の問題が勃発するから!」
「あ、はい。そうでした」
ロクサーナを膝に乗せるのは好きらしいが、逃げようとしてモゾモゾすると、ジルベルト司祭は必ず眉間に皺を寄せて背中を丸める。
(嫌なら、膝に乗せなければ⋯⋯あ!)
「あのぉ⋯⋯辛そうになるから、これからは私の膝に乗る?」
「へ?⋯⋯こ、こんのおバカァ!」
そんなこんなで⋯⋯ジルベルト司祭、お間抜け海神のお仕置きタイムに参加決定。
真っ黒な海にオレンジ色の日が登り、空が青く輝きはじめた。
「奴を誘き出したらまず最初に、グラウコスの持ってる風の皮袋を狙う」
ロクサーナが海に入れば必ずグラウコスは出てくるはず。それを待って一気に仕掛ける。
「ジルベルト司祭はこれを使ってみて。1時間だけど、水中でも息ができるようになる⋯⋯それと、これは蜜蝋を素材にした耳栓」
昨日、ロクサーナが作っていた魔導具をジルベルト司祭に手渡した。
(キルケー戦に行くのがバレたら渡そうと思って作ってたんだけど、なんとか間に合って良かった)
予備の魔導具も渡して準備完了。朝日に照らされた穏やかな海を見つめながら、港へ降りる昇降機に乗り込んだ。
聞き慣れた岸壁に当たる波の音が心を湧き立たせる。
(グラウコスのイメージからすると、ポロリと情報を漏らしそうだけど、予言の力が本当なら準備して待ち構えてるよね。いや~、久しぶりに燃えてきた~! いよっしゃあぁぁ)
港代わりの岩場について手漕ぎの小さな船を出し、ジルベルト司祭とロクサーナが乗り込んだ。
「なんか嬉しそうだな」
オールを手にして漕ぎはじめたジルベルト司祭が、眩しそうに目を細めて辺りを見回した。
船さえ見当たらない海は遠くに島影がぼんやり見えるだけで、チャプチャプ船底に当たる音だけが現実味を帯びている。
「うん、敵はショボくても海の中は相手のフィールドだからね~。久しぶりでワクワクする」
ジルベルト司祭と一緒に戦うのは初めてだと気付いて、熊の言葉を思い出した。
『なあ⋯⋯『どおりゃあぁぁ』とかは止めよう? 俺の中に残る、僅かな聖女への期待とか憧れが⋯⋯消えてなくなるんだわ』
(マズい⋯⋯ジルベルト司祭にも言われたら⋯⋯熊の文句になら前蹴りでも回し蹴りでも余裕で決める自信があるけど)
「ロクサーナに言っとかないといけない事があって⋯⋯」
「どど、どうしたの!? ピッピ? ピッピがなん⋯⋯ぇ⋯⋯ぁ⋯⋯また、どっか行っちゃった⋯⋯お茶淹れたのに」
何が起きているのかを確実に知っているのはピッピのようだが、聞くのが怖い気がする。
(話の流れからすると、間違いなくさっきの話だよね。う~ん、ピッピだよね。あの、ピッピが⋯⋯1票って? あ~、無理。分かんない)
ふわっとした意味不明の発言で飛び出していくのはピッピの担当で⋯⋯それをフォローしつつ説明もしてくれるのがミュウ。
「この場合、誰に聞けば正解が分かるの? とりあえずお茶を飲んで考えるか⋯⋯さっきの回路は、多分⋯⋯」
頭が魔導具でいっぱいになったロクサーナは『1票の意味』を聞きに行くのをすっかり忘れた事を、心から後悔するまでに後数時間。
「今日はお帰り? それとも今晩は?」
「今日は『お帰り』の方。食事の後でのんびりと語り合おうか」
にっこり笑った顔もロクサーナの頭を撫でる手もいつも通りのはずだが、ジルベルト司祭に威圧されている気がする。
「う、うん? えーっと、今日のメニューは⋯⋯ カジャおばさんが教えてくれた初チャレンジの、鯛の白ワイン煮バターソースがメインで、ポトフは久しぶりに兎肉」
「そうか、いつもありがとう。何か手伝うことは?」
「特にないかなあ」
ジルベルト司祭の家を借りるようになってから、おばさん達に教わりつつ少しずつ料理にチャレンジしはじめた。
(外の竈門で作る野営料理も好きだけど、キッチンだと作りたいものが変わってくるみたいで結構楽しいし、早く一階も作ろうかなぁ)
いつまでも他人の家を借りているのは申し訳ないと思いつつ、呑気に皿を運んでいるロクサーナの横では、ジルベルト司祭がパンをオーブンから出してくれた。
「バターとジャムはどっち?」
「う~ん、今日は両方貰おうかな。甘いのが欲しい気分なんだ」
珍しいと思いながら、ブルーベリージャムとオレンジマーマレードをテーブルに並べた。
ほぼ、新婚家庭のノリで夕食の準備が整い、ラブラブモードにしかありえない距離で食事をはじめた。
「あ~ん」
バターとジャムを乗せた熱々のパンが当たり前のように出てくると、ごく自然にロクサーナがパクリ。
「じゃあ、ジルベルト司祭はマーマレードで、はい」
「ん?」
「あ、えっと⋯⋯ル、ルイスもあ~ん」
にっこり笑った迫力満点の笑顔で、大きな口を開けたジルベルト司祭がパクリ。
なかなか慣れなかった『あ~ん』はクリアできたが、名前呼びはまだハードルが高い。
ジルベルト司祭曰く、『ルイス』呼びの次のステップは外食らしいが、当分先にしてもらうよう頼むつもりでいる。
(友達って色々と恥ずかしい事が多すぎだもん。外では絶対食事できないよ)
一般的な友達関係に『あ~ん』がないと知るのは、もう少し先になりそうな予感。
食事の後は、皿を洗うジルベルト司祭と拭いて片付けるロクサーナ⋯⋯と、ここまではいつも通りだったが。
(何故、膝に座らされた? 今日は何もしでかしてな⋯⋯あっ、まさか)
にっこりと口元だけが笑っているジルベルト司祭が、ロクサーナの腰を左手でガッチリとホールドした。
「逃げられないからね~。さあ、吐け」
「⋯⋯な、なにを? えーっと、食べたばかりで吐くのは勿体な⋯⋯ひえぇぇ」
少しひんやりした指で、恐怖のほっぺすりすり攻撃を喰らったロクサーナが悲鳴を上げた。
「吐かないロクサーナが悪いよね~」
「えーっと、どのような案件かをお聞きしてか⋯⋯わあ、ご、ごめんなひゃいぃぃ。誰から何を聞いたのか分かんないけど⋯⋯その⋯⋯気にしなくても問題は⋯⋯ぎゃあ!」
ほっぺむぎゅうからの、全身ガッツリむぎゅうに突入したお仕置きスペシャルで、ロクサーナは『チクったのは誰だぁ』と脳内で八つ当たりを開始した。
「囮ってな~に? 内緒で何をやるつもりかしら?」
「あ、いや、おと? おっとり? あ、ごめんなさいぃぃ。そんな心配するほどのことじゃなくてですね。ちょっとシメてこようかなぁと。きゅっとシメて、グェッて言わせるだけなんで⋯⋯教会の仕事に比べたらもう、デザートのプリン一口分にもならないくらいの」
「教会の仕事の時だって、どれだけ心配してたか! ようやく少し安心できそうかなって思ったてたのに⋯⋯殺る時は教えてくれるはずって思ってたのは、独りよがりの思い上がりだったのよね」
久しぶりにオネエ言葉になったジルベルト司祭がロクサーナの肩に額を押し付けた。
「この間、あんな目に遭わせちゃったから、信用ないのよね。ごめんね」
「ち、違う。ぜんっぜん違うから。信用とかじゃなくて、やり残した仕事みたいな⋯⋯興味本位なとこも大きいし。謎とか疑問は解決しときたいみたいな?
だから、ジルベルト司祭が仕事から帰ってくるまでに、ちょっとだけ⋯⋯暇つぶしくらいの感じでプチってしてこようかなんて」
相手は腐っても海神⋯⋯まだ腐ってない不死の海神だが、ロクサーナは大型の魔物を殺る時より気楽に考えている。
「明日休みをとってきたから⋯⋯信用してるなら連れてって。信用してないならここでお留守番してるわ」
「⋯⋯もう、信用してるってば。だから、膝から降りてもい⋯⋯」
「うぐっ! そこでもじもじは禁止だってば。別の問題が勃発するから!」
「あ、はい。そうでした」
ロクサーナを膝に乗せるのは好きらしいが、逃げようとしてモゾモゾすると、ジルベルト司祭は必ず眉間に皺を寄せて背中を丸める。
(嫌なら、膝に乗せなければ⋯⋯あ!)
「あのぉ⋯⋯辛そうになるから、これからは私の膝に乗る?」
「へ?⋯⋯こ、こんのおバカァ!」
そんなこんなで⋯⋯ジルベルト司祭、お間抜け海神のお仕置きタイムに参加決定。
真っ黒な海にオレンジ色の日が登り、空が青く輝きはじめた。
「奴を誘き出したらまず最初に、グラウコスの持ってる風の皮袋を狙う」
ロクサーナが海に入れば必ずグラウコスは出てくるはず。それを待って一気に仕掛ける。
「ジルベルト司祭はこれを使ってみて。1時間だけど、水中でも息ができるようになる⋯⋯それと、これは蜜蝋を素材にした耳栓」
昨日、ロクサーナが作っていた魔導具をジルベルト司祭に手渡した。
(キルケー戦に行くのがバレたら渡そうと思って作ってたんだけど、なんとか間に合って良かった)
予備の魔導具も渡して準備完了。朝日に照らされた穏やかな海を見つめながら、港へ降りる昇降機に乗り込んだ。
聞き慣れた岸壁に当たる波の音が心を湧き立たせる。
(グラウコスのイメージからすると、ポロリと情報を漏らしそうだけど、予言の力が本当なら準備して待ち構えてるよね。いや~、久しぶりに燃えてきた~! いよっしゃあぁぁ)
港代わりの岩場について手漕ぎの小さな船を出し、ジルベルト司祭とロクサーナが乗り込んだ。
「なんか嬉しそうだな」
オールを手にして漕ぎはじめたジルベルト司祭が、眩しそうに目を細めて辺りを見回した。
船さえ見当たらない海は遠くに島影がぼんやり見えるだけで、チャプチャプ船底に当たる音だけが現実味を帯びている。
「うん、敵はショボくても海の中は相手のフィールドだからね~。久しぶりでワクワクする」
ジルベルト司祭と一緒に戦うのは初めてだと気付いて、熊の言葉を思い出した。
『なあ⋯⋯『どおりゃあぁぁ』とかは止めよう? 俺の中に残る、僅かな聖女への期待とか憧れが⋯⋯消えてなくなるんだわ』
(マズい⋯⋯ジルベルト司祭にも言われたら⋯⋯熊の文句になら前蹴りでも回し蹴りでも余裕で決める自信があるけど)
「ロクサーナに言っとかないといけない事があって⋯⋯」
49
お気に入りに追加
2,528
あなたにおすすめの小説
真面目くさった女はいらないと婚約破棄された伯爵令嬢ですが、王太子様に求婚されました。実はかわいい彼の溺愛っぷりに困っています
綾森れん
恋愛
「リラ・プリマヴェーラ、お前と交わした婚約を破棄させてもらう!」
公爵家主催の夜会にて、リラ・プリマヴェーラ伯爵令嬢はグイード・ブライデン公爵令息から言い渡された。
「お前のような真面目くさった女はいらない!」
ギャンブルに財産を賭ける婚約者の姿に公爵家の将来を憂いたリラは、彼をいさめたのだが逆恨みされて婚約破棄されてしまったのだ。
リラとグイードの婚約は政略結婚であり、そこに愛はなかった。リラは今でも7歳のころ茶会で出会ったアルベルト王子の優しさと可愛らしさを覚えていた。しかしアルベルト王子はそのすぐあとに、毒殺されてしまった。
夜会で恥をさらし、居場所を失った彼女を救ったのは、美しい青年歌手アルカンジェロだった。
心優しいアルカンジェロに惹かれていくリラだが、彼は高い声を保つため、少年時代に残酷な手術を受けた「カストラート(去勢歌手)」と呼ばれる存在。教会は、子孫を残せない彼らに結婚を禁じていた。
禁断の恋に悩むリラのもとへ、父親が新たな婚約話をもってくる。相手の男性は親子ほども歳の離れた下級貴族で子だくさん。数年前に妻を亡くし、後妻に入ってくれる女性を探しているという、悪い条件の相手だった。
望まぬ婚姻を強いられ未来に希望を持てなくなったリラは、アルカンジェロと二人、教会の勢力が及ばない国外へ逃げ出す計画を立てる。
仮面舞踏会の夜、二人の愛は通じ合い、結ばれる。だがアルカンジェロが自身の秘密を打ち明けた。彼の正体は歌手などではなく、十年前に毒殺されたはずのアルベルト王子その人だった。
しかし再び、王権転覆を狙う暗殺者が迫りくる。
これは、愛し合うリラとアルベルト王子が二人で幸せをつかむまでの物語である。

婚約破棄はこちらからお願いしたいのですが、創造スキルの何がいけないのでしょう?
ゆずこしょう
恋愛
「本日でメレナーデ・バイヤーとは婚約破棄し、オレリー・カシスとの婚約をこの場で発表する。」
カルーア国の建国祭最終日の夜会で大事な話があると集められた貴族たちを前にミル・カルーア王太子はメレアーデにむかって婚約破棄を言い渡した。
【完結】聖女と結婚ですか? どうぞご自由に 〜婚約破棄後の私は魔王の溺愛を受ける〜
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
恋愛
【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264)
「アゼリア・フォン・ホーヘーマイヤー、俺はお前との婚約を破棄する!」
「王太子殿下、我が家名はヘーファーマイアーですわ」
公爵令嬢アゼリアは、婚約者である王太子ヨーゼフに婚約破棄を突きつけられた。それも家名の間違い付きで。
理由は聖女エルザと結婚するためだという。人々の視線が集まる夜会でやらかした王太子に、彼女は満面の笑みで婚約関係を解消した。
王太子殿下――あなたが選んだ聖女様の意味をご存知なの? 美しいアゼリアを手放したことで、国は傾いていくが、王太子はいつ己の失態に気づけるのか。自由に羽ばたくアゼリアは、魔王の溺愛の中で幸せを掴む!
頭のゆるい王太子をぎゃふんと言わせる「ざまぁ」展開ありの、ハッピーエンド。
※2022/05/10 「HJ小説大賞2021後期『ノベルアップ+部門』」一次選考通過
※2021/08/16 「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過
※2021/01/30 完結
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう

平民と恋に落ちたからと婚約破棄を言い渡されました。
なつめ猫
恋愛
聖女としての天啓を受けた公爵家令嬢のクララは、生まれた日に王家に嫁ぐことが決まってしまう。
そして物心がつく5歳になると同時に、両親から引き離され王都で一人、妃教育を受ける事を強要され10年以上の歳月が経過した。
そして美しく成長したクララは16才の誕生日と同時に貴族院を卒業するラインハルト王太子殿下に嫁ぐはずであったが、平民の娘に恋をした婚約者のラインハルト王太子で殿下から一方的に婚約破棄を言い渡されてしまう。
クララは動揺しつつも、婚約者であるラインハルト王太子殿下に、国王陛下が決めた事を覆すのは貴族として間違っていると諭そうとするが、ラインハルト王太子殿下の逆鱗に触れたことで貴族院から追放されてしまうのであった。

《完結》国を追放された【聖女】は、隣国で天才【錬金術師】として暮らしていくようです
黄舞
恋愛
精霊に愛された少女は聖女として崇められる。私の住む国で古くからある習わしだ。
驚いたことに私も聖女だと、村の皆の期待を背に王都マーベラに迎えられた。
それなのに……。
「この者が聖女なはずはない! 穢らわしい!」
私よりも何年も前から聖女として称えられているローザ様の一言で、私は国を追放されることになってしまった。
「もし良かったら同行してくれないか?」
隣国に向かう途中で命を救ったやり手の商人アベルに色々と助けてもらうことに。
その隣国では精霊の力を利用する技術を使う者は【錬金術師】と呼ばれていて……。
第五元素エーテルの精霊に愛された私は、生まれた国を追放されたけれど、隣国で天才錬金術師として暮らしていくようです!!
この物語は、国を追放された聖女と、助けたやり手商人との恋愛話です。
追放ものなので、最初の方で3話毎にざまぁ描写があります。
薬の効果を示すためにたまに人が怪我をしますがグロ描写はありません。
作者が化学好きなので、少し趣味が出ますがファンタジー風味を壊すことは無いように気を使っています。
他サイトでも投稿しています。
【完結】無能な聖女はいらないと婚約破棄され、追放されたので自由に生きようと思います
黒幸
恋愛
辺境伯令嬢レイチェルは学園の卒業パーティーでイラリオ王子から、婚約破棄を告げられ、国外追放を言い渡されてしまう。
レイチェルは一言も言い返さないまま、パーティー会場から姿を消した。
邪魔者がいなくなったと我が世の春を謳歌するイラリオと新たな婚約者ヒメナ。
しかし、レイチェルが国からいなくなり、不可解な事態が起き始めるのだった。
章を分けるとかえって、ややこしいとの御指摘を受け、章分けを基に戻しました。
どうやら、作者がメダパニ状態だったようです。
表紙イラストはイラストAC様から、お借りしています。

【完結】許婚の子爵令息から婚約破棄を宣言されましたが、それを知った公爵家の幼馴染から溺愛されるようになりました
八重
恋愛
「ソフィ・ルヴェリエ! 貴様とは婚約破棄する!」
子爵令息エミール・エストレが言うには、侯爵令嬢から好意を抱かれており、男としてそれに応えねばならないというのだ。
失意のどん底に突き落とされたソフィ。
しかし、婚約破棄をきっかけに幼馴染の公爵令息ジル・ルノアールから溺愛されることに!
一方、エミールの両親はソフィとの婚約破棄を知って大激怒。
エミールの両親の命令で『好意の証拠』を探すが、侯爵令嬢からの好意は彼の勘違いだった。
なんとかして侯爵令嬢を口説くが、婚約者のいる彼女がなびくはずもなく……。
焦ったエミールはソフィに復縁を求めるが、時すでに遅し──

妹に全てを奪われた令嬢は第二の人生を満喫することにしました。
バナナマヨネーズ
恋愛
四大公爵家の一つ。アックァーノ公爵家に生まれたイシュミールは双子の妹であるイシュタルに慕われていたが、何故か両親と使用人たちに冷遇されていた。
瓜二つである妹のイシュタルは、それに比べて大切にされていた。
そんなある日、イシュミールは第三王子との婚約が決まった。
その時から、イシュミールの人生は最高の瞬間を経て、最悪な結末へと緩やかに向かうことになった。
そして……。
本編全79話
番外編全34話
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる