32 / 35
32.醜聞はこりごり
しおりを挟む
主催者のサリバン公爵夫妻に挨拶に向かった。
「まあ、アメリアあなた・・」
「サリバン公爵様、公爵夫人。ご無沙汰いたしております」
「久しぶりと言うべきか、パーティーに参加してくれるのは初めてだね」
「紹介させていただいて宜しいでしょうか。スコット公爵家のご子息であらせられます、イライジャ様、アレクシス様とジョシュア様でございます。
こちらは、サリバン公爵のジョージさま、奥様のアビゲイル様でいらっしゃいます」
「社交会シーズンが終わっているにも関わらず、普段より王都を活気づかせている噂の三人だね」
「では、アメリアはアレクシスに決めたのね」
「いえ、私はただの付き添「まだ鋭意努力中というところです。アメリアは難攻不落の要塞のように厳しくて」」
アメリアの言葉をアレクシスが遮った。
アメリアは横目でチラッと見た後、こっそりとアレクシスの足を踏んづけた。
「頑張ってね。決まったら直ぐにお祝いしなくちゃ。ソフィーも嬉しい報告を待ち侘びているのでしょう?」
「そろそろ王都まで首が伸びてきそうな勢いです」
反対側からイライジャまでが参戦してきたが、足を踏まれないようにさっさと一歩下がってしまう。
次の客に場所を譲り四人は会場の端に移動していたが、途中でイライジャとジョシュアは戦闘集団に捕まってしまった。
「アメリア、なんで怒ってるんだい?」
「サリバン公爵夫人にあんな事を仰るべきではありませんでしたわ。
間違いなく、明日には王都中に広まっています」
「俺としてはラッキーだけど? ライバルを蹴散らさずに済みそうだし」
「揶揄わないでくださいまし。噂話がどれほど恐ろしいかご存知ないからそのような事を仰るのですわ」
「だったら噂を真実にすれば良いさ」
「巫山戯ないで、揶揄われるのはもう沢山だわ。アレクシスはこの後勝手にすれば良い、私は帰ります」
「逃げるのか? 臆病者だな」
「これ以上醜聞に塗れて馬鹿にされるのはお断りよ」
アレクシスがアメリアの腕を掴みホールから連れ出そうとしたが、不穏な様子に知り合いの夫人が心配して声をかけてきた。
「アメリア?」
「こんばんは、アーチャード伯爵夫人」
「大丈夫?」
「勿論ですわ、新しい靴に慣れてなくてアレクシスが慌ててしまいましたの」
「そう、それなら良かったわ。
アレクシス、今日のアメリアを見たらあなたの気持ちは理解できるけど、心配しすぎは良くありませんよ」
「ご心配をおかけしました。アメリアが足を痛めたらと思うと居ても立っても居られなくて」
「ふふっ、お若い方は良いわね。
そういう時はね」
アーチャード伯爵夫人がアレクシスの耳元で何か囁き、アレクシスは嬉しそうにニヤッと笑ってアメリアを見た。
「次の機会には是非試してみます」
アーチャード伯爵夫人がいなくなり、
「アレクシス何を言われたの?」
「腕を引っ張るんじゃなくて、お姫様抱っこで移動しろって。
それなら誰も邪魔しないってさ」
「まあ、アメリアあなた・・」
「サリバン公爵様、公爵夫人。ご無沙汰いたしております」
「久しぶりと言うべきか、パーティーに参加してくれるのは初めてだね」
「紹介させていただいて宜しいでしょうか。スコット公爵家のご子息であらせられます、イライジャ様、アレクシス様とジョシュア様でございます。
こちらは、サリバン公爵のジョージさま、奥様のアビゲイル様でいらっしゃいます」
「社交会シーズンが終わっているにも関わらず、普段より王都を活気づかせている噂の三人だね」
「では、アメリアはアレクシスに決めたのね」
「いえ、私はただの付き添「まだ鋭意努力中というところです。アメリアは難攻不落の要塞のように厳しくて」」
アメリアの言葉をアレクシスが遮った。
アメリアは横目でチラッと見た後、こっそりとアレクシスの足を踏んづけた。
「頑張ってね。決まったら直ぐにお祝いしなくちゃ。ソフィーも嬉しい報告を待ち侘びているのでしょう?」
「そろそろ王都まで首が伸びてきそうな勢いです」
反対側からイライジャまでが参戦してきたが、足を踏まれないようにさっさと一歩下がってしまう。
次の客に場所を譲り四人は会場の端に移動していたが、途中でイライジャとジョシュアは戦闘集団に捕まってしまった。
「アメリア、なんで怒ってるんだい?」
「サリバン公爵夫人にあんな事を仰るべきではありませんでしたわ。
間違いなく、明日には王都中に広まっています」
「俺としてはラッキーだけど? ライバルを蹴散らさずに済みそうだし」
「揶揄わないでくださいまし。噂話がどれほど恐ろしいかご存知ないからそのような事を仰るのですわ」
「だったら噂を真実にすれば良いさ」
「巫山戯ないで、揶揄われるのはもう沢山だわ。アレクシスはこの後勝手にすれば良い、私は帰ります」
「逃げるのか? 臆病者だな」
「これ以上醜聞に塗れて馬鹿にされるのはお断りよ」
アレクシスがアメリアの腕を掴みホールから連れ出そうとしたが、不穏な様子に知り合いの夫人が心配して声をかけてきた。
「アメリア?」
「こんばんは、アーチャード伯爵夫人」
「大丈夫?」
「勿論ですわ、新しい靴に慣れてなくてアレクシスが慌ててしまいましたの」
「そう、それなら良かったわ。
アレクシス、今日のアメリアを見たらあなたの気持ちは理解できるけど、心配しすぎは良くありませんよ」
「ご心配をおかけしました。アメリアが足を痛めたらと思うと居ても立っても居られなくて」
「ふふっ、お若い方は良いわね。
そういう時はね」
アーチャード伯爵夫人がアレクシスの耳元で何か囁き、アレクシスは嬉しそうにニヤッと笑ってアメリアを見た。
「次の機会には是非試してみます」
アーチャード伯爵夫人がいなくなり、
「アレクシス何を言われたの?」
「腕を引っ張るんじゃなくて、お姫様抱っこで移動しろって。
それなら誰も邪魔しないってさ」
17
お気に入りに追加
831
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
従姉と結婚するとおっしゃるけれど、彼女にも婚約者はいるんですよ? まあ、いいですけど。
チカフジ ユキ
恋愛
ヴィオレッタはとある理由で、侯爵令息のフランツと婚約した。
しかし、そのフランツは従姉である子爵令嬢アメリアの事ばかり優遇し優先する。
アメリアもまたフランツがまるで自分の婚約者のように振る舞っていた。
目的のために婚約だったので、特別ヴィオレッタは気にしていなかったが、アメリアにも婚約者がいるので、そちらに睨まれないために窘めると、それから関係が悪化。
フランツは、アメリアとの関係について口をだすヴィオレッタを疎ましく思い、アメリアは気に食わない婚約者の事を口に出すヴィオレッタを嫌い、ことあるごとにフランツとの関係にマウントをとって来る。
そんな二人に辟易としながら過ごした一年後、そこで二人は盛大にやらかしてくれた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄されたので初恋の人と添い遂げます!!~有難う! もう国を守らないけど頑張ってね!!~
琴葉悠
恋愛
これは「国守り」と呼ばれる、特殊な存在がいる世界。
国守りは聖人数百人に匹敵する加護を持ち、結界で国を守り。
その近くに来た侵略しようとする億の敵をたった一人で打ち倒すことができる神からの愛を受けた存在。
これはそんな国守りの女性のブリュンヒルデが、王子から婚約破棄され、最愛の初恋の相手と幸せになる話──
国が一つ滅びるお話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄され聖女も辞めさせられたので、好きにさせていただきます。
松石 愛弓
恋愛
国を守る聖女で王太子殿下の婚約者であるエミル・ファーナは、ある日突然、婚約破棄と国外追放を言い渡される。
全身全霊をかけて国の平和を祈り続けてきましたが、そういうことなら仕方ないですね。休日も無く、責任重すぎて大変でしたし、王太子殿下は思いやりの無い方ですし、王宮には何の未練もございません。これからは自由にさせていただきます♪
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄をしてくれた王太子殿下、ありがとうございました
hikari
恋愛
オイフィア王国の王太子グラニオン4世に婚約破棄された公爵令嬢アーデルヘイトは王国の聖女の任務も解かれる。
家に戻るも、父であり、オルウェン公爵家当主のカリオンに勘当され家から追い出される。行き場の無い中、豪商に助けられ、聖女として平民の生活を送る。
ざまぁ要素あり。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】許婚の子爵令息から婚約破棄を宣言されましたが、それを知った公爵家の幼馴染から溺愛されるようになりました
八重
恋愛
「ソフィ・ルヴェリエ! 貴様とは婚約破棄する!」
子爵令息エミール・エストレが言うには、侯爵令嬢から好意を抱かれており、男としてそれに応えねばならないというのだ。
失意のどん底に突き落とされたソフィ。
しかし、婚約破棄をきっかけに幼馴染の公爵令息ジル・ルノアールから溺愛されることに!
一方、エミールの両親はソフィとの婚約破棄を知って大激怒。
エミールの両親の命令で『好意の証拠』を探すが、侯爵令嬢からの好意は彼の勘違いだった。
なんとかして侯爵令嬢を口説くが、婚約者のいる彼女がなびくはずもなく……。
焦ったエミールはソフィに復縁を求めるが、時すでに遅し──
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる