白銀に輝く君はとても綺麗だ

柴山

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星空はそれはそれは美しかった。




寮の屋上に簡易椅子を2つ並べ2人で座る。月もはっきり見えるのに、その明かりに遮られず星も月に対抗するようにキラキラ光っている。




久しぶりに2人で眺める星は美しかった。



静寂に包まれひたすら上をむく。僕は椅子に座りながら望遠鏡を覗いていた。





そんなふうに星や月を眺める中、弦斗は突然立ち上がり僕を見て言った。










「月が綺麗ですね。」










その言葉に僕は頬を染めた。僕はその言葉の意味を知っていた。君は意外とロマンチストなんだなと思った。そして、僕も立ち上がって言葉を返す。








「貴方と見る月だからですよ。貴方が居ると月はもっと光輝くのです。そんな月を眺める貴方も素敵です。ずっと貴方と月を見ていたい。」







僕も大概だな。






少し恥ずかしがりながら赤くなった頬を掻く。そして幸せそうに目を細め愛おしい君を見つめる。冷たい風が靡き僕の頬を掠った。下を向くと髪に目がかかる。







彼は自分から言ったのに僕の返しに驚いている。でも、嬉しそうだった。







固まる君を無視して、僕は動いた。




ばふんっ。




思いっきり、彼の胸板に抱き着いた。力を込めて抱き締めると、ゆっくりとそれに応えて弦斗も手に力を込めてきた。




胸板に顔を擦り付け上を向く。




下を向いた弦斗と目が合った。ほんと君って僕が好きみたい。




「ありがとう。僕も君を愛してる。」





そう言って背伸びをして公誓から唇を合わせた。





「ああ。俺も公誓を愛してる。」






想像通りの返事に頬を緩ませた。





こんなにも素敵な彼が僕だけを見ている。






夜空を背景に笑う君はどこまでもかっこよかった。夜空の星々に照らされ微笑む君は僕の髪より白銀に輝きとても綺麗だった。


















                                      


                                                                               おわり







































ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
どうも!柴山です。
これにて、この話は終わりです。
皆さん楽しめたでしょうか?
初めてのBLというジャンルで小説を書きました。そんな私の拙い文章をここまで読んで下さりありがとうございました。当初自分が思っていたより多くの人に読んでもらえて感謝感激雨あられです!本当にありがとうございました。後日、気が向いたらちょくちょく番外編などを投稿出来たらなと思います。庶務くん達全く出てこれなかったし…逢瀬も行ったっきりだし……あはは……。

m(_ _)m
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