白銀に輝く君はとても綺麗だ

柴山

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「なあ、お前殴られてないし大丈夫だろ?それに殆ど自業自得だし。お前こそ言動に気を付けろよ。」







弦斗は逢瀬を睨みそう言って僕の手を引き風紀室へと歩き始めた。  



逢瀬はまだ何か言いたそうだったが構わず歩いた。


 



トントン



「遅れてすまない。」




風紀室のドアをノックし一言断りを入れドアを開ける。


既に風紀委員達は集まっていた。




「ごめんね。ちょっと問題?があって遅れてしまった。」




公誓は少し申し訳なさそうに言った。



「副委員長!気にしないでください!その問題とやらがあったのならしょうがないです!」


「そうですよ。それより、その問題とやらは何ですか?もう大丈夫なんですか?」




後輩達は遅れたことに対して気にしていないようだった。




「うん。一応は大丈夫かな。」



「ああ。だが、今日集まってもらったこととそれと2つ今から説明するから聞いてくれ。」



 


「うーん。委員長りょうかーい。」
「何を話すんですか?!」




委員達は興味津々だった。
そして、僕達が遅れたことを気にもせず。いつの間にかいつもの風紀の会議の空気になっていた。



風紀委員会は変わった者が多い。
これは全学年の共通認識だった。風紀に所属する者はみんな総じて顔がいいがそれは基準に入っていない。それに顔が良くてもほとんどが性格に難がある。だから何故かモテない。生徒会みたいなアイドル的な存在になる者はあまりいなかった。

いたといても、委員長の弦斗や副委員長の公誓あとは少しモテるかなぐらいの者だけだった。


「1つ目はさっきの問題の事だよ。僕達が遅れた原因。問題は転入生逢瀬翠の事だったんだ。皆も知っているでしょ?生徒会員達と不要な接触をして、彼らの親衛隊に目をつけられている。そして、もう既に制裁まがいの事を受けていたんだよね。それをさっき止めて来たんだ。」



「それで、俺達もそろそろ動かないと行けないんだよな。で、皆にも各学年で逢瀬に制裁を加えそうな奴がいたらそれを阻止して欲しい。よろしく頼む。」




「なるほど!そういうことですね!」
「想像どおりでした!」



委員達は皆引き受けてくれたようだ。



「まあ、逢瀬自体が問題児予備軍だからそこんとこも知っといてくれ。」





「はいっ!ていうか生徒会達と何も考えずに関われるなんて、神経図太いですね。幾ら学園に来たばかりとはいえ、それぐらい説明されているだろうに。バカだなぁ。」

にこにこした一人の委員がそういった。彼はこの状況を楽しんでいるように見えた。
  

「それで2つ目の理由とは?」


また別の委員が問うた。




「あー言い忘れるところだった。2ヶ月後に開催される新入生歓迎会の警備についてだ。1年生達は普通に歓迎会に参加してくれて構わない。別に参加したくない、参加しなくて良い奴は他の委員と共に歓迎会の警備や運営にあたる事になる。また後日詳しく説明するから、今日は歓迎会について頭に入れて置いて欲しかっただけだ。あとこれ例年の歓迎会についての資料だ。」



委員全員に参考資料を配っておく。





「とりあえず、今日はこれで会議は解散だ。また何かあったら招集するからな。じゃ各自帰っていいぞ。」



「 はーい。」「委員長ばいばーい。」






そうして、風紀の会議はあっという間に終わった。公誓と弦斗はそのまま寮に帰る事にして、2人は帰路についた。
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