2 / 27
2
しおりを挟む
次の日いつものように学校に行くと普段より騒がしかった。
いつもは既に教室に居るはずの生徒達が今は半分いるかいないかだ。公誓と弦斗は同じくSクラスなので不思議に思った。
既に教室に居た友人に話しかけ弦斗が理由を聞くことにした。
「なあ渉、何で今日はこんなに人が居ないんだ?何かあったかのか?」
いつも朝が早い友人、神保渉に尋ねた。
「それがですね。聞いてくださいよ。昨日の放課後に生徒会とここに来たばっかりの転入生の間で何かあった様で、生徒会がわざわざ転入生と登校して来たらしいのです。それを聞いた親衛隊や野次馬が彼らを見に行ってしまったのですよ。」
「そういうことだったのか。昨日来たばかりの転入生はもう生徒会に目をつけられたのか。それは可哀想に。」
全然可哀想と思っていない、むしろ楽しんでそうな顔で弦斗は言った。
それにしても、なるほど。例の転入生か。たしかに昨日の入寮すると聞いていた。彼の叔父がこの学園の理事長だそうなので前々から要注意するようにと昨日風紀の会議で話があったのだ。
早速、問題を起こしたのか?風紀の仕事が増えたら弦斗との時間が減ってしまう。それは避けたいと思った。
「まあ、僕達にはあまり関係ないでしょ?問題を起こさなければ、風紀は無いもしなくていいからね。」
「何も無いといいですよね。」
「ああ、そうだな。それが1番だ。」
「それよりさ……」
そうして転入生の話が終わり、違う話題の話で盛り上がっていたらチラホラと教室に生徒達が戻ってきて朝のHRが始まった。
ガラガラガラ…
「やあ、みんなおはよう。今日は転入生を紹介することになった。さ、自己紹介頼むぞ。」
ざわざわざわ…
担任からの急な発表にクラスメイト達はざわつく。
それに構わず担任は1人の生徒を教室に招き入れた。
眼鏡をかけたSクラスの担任犬塚玲の横に並ぶ転校生は、とても変わった子だった。
ボサボサした黒髪に丸メガネ似合っていないにも程がある。体格は華奢で綺麗な体つきはしていた。不思議な空気を纏う彼は事前に伝えられていた姿とはかけ離れていた。
あの髪はカツラだろう…
普通によく見ればすぐに気づくぐらいお粗末な変装?だった。
事前に転入生の書類で僕と弦斗は彼の素顔を知っている。だからこそ目の前の彼の変わりように驚いたのだった。
「初めまして、俺の名前は逢瀬翠と言います!男子校ってつまらなそうだったけど、格好良い人や可愛い人が沢山居るし来て良かったかも!沢山友達欲しいなぁと思ってます。これからよろしくね!!」
彼は見た目に反して明るそうな性格だった。そして、声を荒らげながら自己紹介をしていた。
「転入生、思っていたより面白そうだな。見た目に反して明るそうだし。あれで本当の姿知ったら皆腰抜かすだろ。」
コソコソと隣に座る弦斗が話しかけてきた。やはり弦斗も僕と同じ印象を彼に受けたようだった。
「本当共感するよ。これからが楽しみだ。」
そう言って僕は彼に微笑んだ。
「じゃあ、逢瀬はどの席にしようか。丁度あそこが空いているしあの席にしようか。」
そう言って犬塚が指を指したのは窓際の1番後ろ、端の角の席だった。そこの席が空いていた理由は隣の生徒が原因だった。その生徒は学園1の不良で一匹狼の狼の不破凛太郎だった。
この学園では目立つ存在だが、彼はれっきとした華道の家元の家柄だ。そこの本家の跡取り。どうして不良になったかは分からないが彼の生ける花は本当に素晴らしいらしい。僕は実物を見たことないが。
転入そうそう問題を起こしそうな席になったな。大丈夫か逢坂は。
「僕のこと翠って呼んでよ!隣の席同士仲良くしようぜ!」
何も知らない逢瀬は不破に声を掛ける。
「うっせぇよ。俺に関わんな。」
「そう言わないでくれよ!もう友達だろ!よ・ろ・し・く・な!」
冷たくあしらわれても果敢に声を掛ける続ける逢瀬を凄いなと思った。
公誓はそんなこと絶対にしないだろう。
「じゃあ少し長くなってしまったが、これでHRは終わりだ。皆逢瀬の仲良くするように。逢瀬も分からない事だらけだろうからクラスメイトに聞けよ。」
こうして、長いようで短いHRは終わりを告げた。
いつもは既に教室に居るはずの生徒達が今は半分いるかいないかだ。公誓と弦斗は同じくSクラスなので不思議に思った。
既に教室に居た友人に話しかけ弦斗が理由を聞くことにした。
「なあ渉、何で今日はこんなに人が居ないんだ?何かあったかのか?」
いつも朝が早い友人、神保渉に尋ねた。
「それがですね。聞いてくださいよ。昨日の放課後に生徒会とここに来たばっかりの転入生の間で何かあった様で、生徒会がわざわざ転入生と登校して来たらしいのです。それを聞いた親衛隊や野次馬が彼らを見に行ってしまったのですよ。」
「そういうことだったのか。昨日来たばかりの転入生はもう生徒会に目をつけられたのか。それは可哀想に。」
全然可哀想と思っていない、むしろ楽しんでそうな顔で弦斗は言った。
それにしても、なるほど。例の転入生か。たしかに昨日の入寮すると聞いていた。彼の叔父がこの学園の理事長だそうなので前々から要注意するようにと昨日風紀の会議で話があったのだ。
早速、問題を起こしたのか?風紀の仕事が増えたら弦斗との時間が減ってしまう。それは避けたいと思った。
「まあ、僕達にはあまり関係ないでしょ?問題を起こさなければ、風紀は無いもしなくていいからね。」
「何も無いといいですよね。」
「ああ、そうだな。それが1番だ。」
「それよりさ……」
そうして転入生の話が終わり、違う話題の話で盛り上がっていたらチラホラと教室に生徒達が戻ってきて朝のHRが始まった。
ガラガラガラ…
「やあ、みんなおはよう。今日は転入生を紹介することになった。さ、自己紹介頼むぞ。」
ざわざわざわ…
担任からの急な発表にクラスメイト達はざわつく。
それに構わず担任は1人の生徒を教室に招き入れた。
眼鏡をかけたSクラスの担任犬塚玲の横に並ぶ転校生は、とても変わった子だった。
ボサボサした黒髪に丸メガネ似合っていないにも程がある。体格は華奢で綺麗な体つきはしていた。不思議な空気を纏う彼は事前に伝えられていた姿とはかけ離れていた。
あの髪はカツラだろう…
普通によく見ればすぐに気づくぐらいお粗末な変装?だった。
事前に転入生の書類で僕と弦斗は彼の素顔を知っている。だからこそ目の前の彼の変わりように驚いたのだった。
「初めまして、俺の名前は逢瀬翠と言います!男子校ってつまらなそうだったけど、格好良い人や可愛い人が沢山居るし来て良かったかも!沢山友達欲しいなぁと思ってます。これからよろしくね!!」
彼は見た目に反して明るそうな性格だった。そして、声を荒らげながら自己紹介をしていた。
「転入生、思っていたより面白そうだな。見た目に反して明るそうだし。あれで本当の姿知ったら皆腰抜かすだろ。」
コソコソと隣に座る弦斗が話しかけてきた。やはり弦斗も僕と同じ印象を彼に受けたようだった。
「本当共感するよ。これからが楽しみだ。」
そう言って僕は彼に微笑んだ。
「じゃあ、逢瀬はどの席にしようか。丁度あそこが空いているしあの席にしようか。」
そう言って犬塚が指を指したのは窓際の1番後ろ、端の角の席だった。そこの席が空いていた理由は隣の生徒が原因だった。その生徒は学園1の不良で一匹狼の狼の不破凛太郎だった。
この学園では目立つ存在だが、彼はれっきとした華道の家元の家柄だ。そこの本家の跡取り。どうして不良になったかは分からないが彼の生ける花は本当に素晴らしいらしい。僕は実物を見たことないが。
転入そうそう問題を起こしそうな席になったな。大丈夫か逢坂は。
「僕のこと翠って呼んでよ!隣の席同士仲良くしようぜ!」
何も知らない逢瀬は不破に声を掛ける。
「うっせぇよ。俺に関わんな。」
「そう言わないでくれよ!もう友達だろ!よ・ろ・し・く・な!」
冷たくあしらわれても果敢に声を掛ける続ける逢瀬を凄いなと思った。
公誓はそんなこと絶対にしないだろう。
「じゃあ少し長くなってしまったが、これでHRは終わりだ。皆逢瀬の仲良くするように。逢瀬も分からない事だらけだろうからクラスメイトに聞けよ。」
こうして、長いようで短いHRは終わりを告げた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
114
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる