あなたにおすすめの小説



ほるぷ
名前も知らない兵士
エッセイ・ノンフィクション
たまに僕は本当に小さくなってしまう。それは、他人と比べたり、自分に自信が無くなってたり、ひどく落ち込むときにおこる。
その日の朝も、重なる綿繊維の波の上に僕は立っていて、まるで違う惑星にいるかのように、壮大な場所でちっぽけになってしまった。
カーキ色の肌掛け布団が鼻背ですれる。それから静けさに気付かれないように両眼を宙空に移した。そういうときは、すぐに起きれなくて、陽射しに当たってきらきらと光る、遠方の人口衛星みたいな微小のホコリを、布団の中から見つめている。やがて、新鮮なコーヒーを淹れようだとか、今日はあの子と会おうだとか、まだ読み終えてない文庫を読もうとか、自分のためにシュークリームを買おうだとか考えて、何とかして元気を取り戻してもらい起きることにしている。
僕は仕事を辞めて、バツイチで、漫画原作志望者で、ようやく掴んだ青年漫画誌の連載の話も消えてしまう。それでも日常は進んでいって……あてもない世界を、傍にいつも暗い道がある人生を、日々進んでいく。
いつになったら抜け出せるのかと、自問自答を繰り返しながら。その積み重ねた日常を築くことが、その人の魂にとって、本当の価値があることを見出す物語。

【短編】スカートの奥のリアリティ【現代/コメディ?】
桜野うさ
大衆娯楽
元・売れっ子少女漫画家の早乙女キララ(♂)は、起死回生を図り、女子高生のぱんつを描いていた。
女子高生ミユは、ヒロインのオーラと「世の中に静かに絶望している」目を持つ美少女だった。
※恋愛要素はありません。
※カクヨムで公開しているのと同じです。

身代わりと捨てた時間
月詠世理
現代文学
若くして不治の病になった彼。医者に宣告された余命が短かった。——本来なら不治の病に罹っていたのは彼の兄だった。しかし、彼は生きていられた時間(とき)を捨ててしまった。

