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第十二章《エデンの東》~東の果てで魔王と出会った者~

7 『ヨーロッパ、世界制覇の野望』

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「そうである。

いつ奴ら南蛮人が諸外国のように、我が国を侵略しようとするか分からん。

――であるが、後十年もあれば天下統一である。

それまでの――時間稼ぎである」


「十年とは信長様ご謙遜を。あと毛利を撃破すればほぼ天下統一なのですから。

でもなるほど、国教をキリスト教にすると宣言しておけば――

すぐにキリスト教国に攻撃されることは無いと。

さすが信長様」


ヴァリニャーノは巡察師である。つまり、ヴァリニャーノは信長の事をローマ教会に職務上必ず報告するのであるから、ヨーロッパ諸国にもその情報は確実に伝わる。

――そう「極東の王は国内統一したら、国教をキリスト教にすると――」。



信長は宣教師だけでも記録にあるだけで三一回も会っている。

もちろんそれ以外に舶来品好きの信長のおさえる堺に往来する、ヨーロッパ商人との交流もあったであろう。

そして、アフリカ生まれで、バスコ・ダ・ガマがみつけた《東方航路》にそってインド――そして日本にやってきた――


《大航海時代の体現者》


――アフリカ人“彌介”を歴史上の事実として家臣にしていたのだ。


――だから信長は彼ら外国人から情報を得――

アフリカ、インド、南北アメリカへのキリスト教国の侵略を知っていたのである。


「余は日本を守らねばならぬ」


そう決意の顔で頷く信長の顔は、ヨーロッパの怒涛の侵略の矛先が――

最後の“フロンティア”《極東》(中国・日本周辺))に迫って来ていることをひしひしと感じていた。



――そう信長による天下統一事業は国内の大名・宗教武装集団と戦い――国内に安定と平和を達成するだけでなく、


いつかは《必ず》侵略してくるヨーロッパキリスト教国に対抗するために、早急に国内を富国強兵を目指さなければいけないという――

時間との壮絶な戦いであったのだ。



「しかしそれでは、信長は『福音書計画』などせずに、自ら命を捨てないで長生きした方が……

日本の防衛力のためにはいいのでは?」


――次回、この読者皆様の疑問が――消え去ります!!


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