280 / 310
第十二章《エデンの東》~東の果てで魔王と出会った者~
7 『ヨーロッパ、世界制覇の野望』
しおりを挟む
「そうである。
いつ奴ら南蛮人が諸外国のように、我が国を侵略しようとするか分からん。
――であるが、後十年もあれば天下統一である。
それまでの――時間稼ぎである」
「十年とは信長様ご謙遜を。あと毛利を撃破すればほぼ天下統一なのですから。
でもなるほど、国教をキリスト教にすると宣言しておけば――
すぐにキリスト教国に攻撃されることは無いと。
さすが信長様」
ヴァリニャーノは巡察師である。つまり、ヴァリニャーノは信長の事をローマ教会に職務上必ず報告するのであるから、ヨーロッパ諸国にもその情報は確実に伝わる。
――そう「極東の王は国内統一したら、国教をキリスト教にすると――」。
信長は宣教師だけでも記録にあるだけで三一回も会っている。
もちろんそれ以外に舶来品好きの信長のおさえる堺に往来する、ヨーロッパ商人との交流もあったであろう。
そして、アフリカ生まれで、バスコ・ダ・ガマがみつけた《東方航路》にそってインド――そして日本にやってきた――
《大航海時代の体現者》
――アフリカ人“彌介”を歴史上の事実として家臣にしていたのだ。
――だから信長は彼ら外国人から情報を得――
アフリカ、インド、南北アメリカへのキリスト教国の侵略を知っていたのである。
「余は日本を守らねばならぬ」
そう決意の顔で頷く信長の顔は、ヨーロッパの怒涛の侵略の矛先が――
最後の“フロンティア”《極東》(中国・日本周辺))に迫って来ていることをひしひしと感じていた。
――そう信長による天下統一事業は国内の大名・宗教武装集団と戦い――国内に安定と平和を達成するだけでなく、
いつかは《必ず》侵略してくるヨーロッパキリスト教国に対抗するために、早急に国内を富国強兵を目指さなければいけないという――
時間との壮絶な戦いであったのだ。
「しかしそれでは、信長は『福音書計画』などせずに、自ら命を捨てないで長生きした方が……
日本の防衛力のためにはいいのでは?」
――次回、この読者皆様の疑問が――消え去ります!!
いつ奴ら南蛮人が諸外国のように、我が国を侵略しようとするか分からん。
――であるが、後十年もあれば天下統一である。
それまでの――時間稼ぎである」
「十年とは信長様ご謙遜を。あと毛利を撃破すればほぼ天下統一なのですから。
でもなるほど、国教をキリスト教にすると宣言しておけば――
すぐにキリスト教国に攻撃されることは無いと。
さすが信長様」
ヴァリニャーノは巡察師である。つまり、ヴァリニャーノは信長の事をローマ教会に職務上必ず報告するのであるから、ヨーロッパ諸国にもその情報は確実に伝わる。
――そう「極東の王は国内統一したら、国教をキリスト教にすると――」。
信長は宣教師だけでも記録にあるだけで三一回も会っている。
もちろんそれ以外に舶来品好きの信長のおさえる堺に往来する、ヨーロッパ商人との交流もあったであろう。
そして、アフリカ生まれで、バスコ・ダ・ガマがみつけた《東方航路》にそってインド――そして日本にやってきた――
《大航海時代の体現者》
――アフリカ人“彌介”を歴史上の事実として家臣にしていたのだ。
――だから信長は彼ら外国人から情報を得――
アフリカ、インド、南北アメリカへのキリスト教国の侵略を知っていたのである。
「余は日本を守らねばならぬ」
そう決意の顔で頷く信長の顔は、ヨーロッパの怒涛の侵略の矛先が――
最後の“フロンティア”《極東》(中国・日本周辺))に迫って来ていることをひしひしと感じていた。
――そう信長による天下統一事業は国内の大名・宗教武装集団と戦い――国内に安定と平和を達成するだけでなく、
いつかは《必ず》侵略してくるヨーロッパキリスト教国に対抗するために、早急に国内を富国強兵を目指さなければいけないという――
時間との壮絶な戦いであったのだ。
「しかしそれでは、信長は『福音書計画』などせずに、自ら命を捨てないで長生きした方が……
日本の防衛力のためにはいいのでは?」
――次回、この読者皆様の疑問が――消え去ります!!
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
陸のくじら侍 -元禄の竜-
陸 理明
歴史・時代
元禄時代、江戸に「くじら侍」と呼ばれた男がいた。かつて武士であるにも関わらず鯨漁に没頭し、そして誰も知らない理由で江戸に流れてきた赤銅色の大男――権藤伊佐馬という。海の巨獣との命を削る凄絶な戦いの果てに会得した正確無比な投げ銛術と、苛烈なまでの剛剣の使い手でもある伊佐馬は、南町奉行所の戦闘狂の美貌の同心・青碕伯之進とともに江戸の悪を討ちつつ、日がな一日ずっと釣りをして生きていくだけの暮らしを続けていた……
我らの輝かしきとき ~拝啓、坂の上から~
城闕崇華研究所(呼称は「えねこ」でヨロ
歴史・時代
講和内容の骨子は、以下の通りである。
一、日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。
二、日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。
三、ロシアは樺太を永久に日本へ譲渡する。
四、ロシアは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。
五、ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。
六、ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。
そして、1907年7月30日のことである。
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
信長の秘書
にゃんこ先生
歴史・時代
右筆(ゆうひつ)。
それは、武家の秘書役を行う文官のことである。
文章の代筆が本来の職務であったが、時代が進むにつれて公文書や記録の作成などを行い、事務官僚としての役目を担うようになった。
この物語は、とある男が武家に右筆として仕官し、無自覚に主家を動かし、戦国乱世を生き抜く物語である。
などと格好つけてしまいましたが、実際はただのゆる~いお話です。
日本が危機に?第二次日露戦争
杏
歴史・時代
2023年2月24日ロシアのウクライナ侵攻の開始から一年たった。その日ロシアの極東地域で大きな動きがあった。それはロシア海軍太平洋艦隊が黒海艦隊の援助のために主力を引き連れてウラジオストクを離れた。それと同時に日本とアメリカを牽制する為にロシアは3つの種類の新しい極超音速ミサイルの発射実験を行った。そこで事故が起きた。それはこの事故によって発生した戦争の物語である。ただし3発も間違えた方向に飛ぶのは故意だと思われた。実際には事故だったがそもそも飛ばす場所をセッティングした将校は日本に向けて飛ばすようにセッティングをわざとしていた。これは太平洋艦隊の司令官の命令だ。司令官は黒海艦隊を支援するのが不服でこれを企んだのだ。ただ実際に戦争をするとは考えていなかったし過激な思想を持っていた為普通に海の上を進んでいた。
なろう、カクヨムでも連載しています。
大罪人の娘・前編 最終章 乱世の弦(いと)、宿命の長篠決戦
いずもカリーシ
歴史・時代
織田信長と武田勝頼、友となるべき2人が長篠・設楽原にて相討つ!
「戦国乱世に終止符を打ち、平和な世を達成したい」
この志を貫こうとする織田信長。
一方。
信長の愛娘を妻に迎え、その志を一緒に貫きたいと願った武田勝頼。
ところが。
武器商人たちの企てによって一人の女性が毒殺され、全てが狂い出しました。
これは不運なのか、あるいは宿命なのか……
同じ志を持つ『友』となるべき2人が長篠・設楽原にて相討つのです!
(他、いずもカリーシで掲載しています)
異・雨月
筑前助広
歴史・時代
幕末。泰平の世を築いた江戸幕府の屋台骨が揺らぎだした頃、怡土藩中老の三男として生まれた谷原睦之介は、誰にも言えぬ恋に身を焦がしながら鬱屈した日々を過ごしていた。未来のない恋。先の見えた将来。何も変わらず、このまま世の中は当たり前のように続くと思っていたのだが――。
<本作は、小説家になろう・カクヨムに連載したものを、加筆修正し掲載しています>
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・地名とは一切関係ありません。
※この物語は、「巷説江戸演義」と題した筑前筑後オリジナル作品企画の作品群です。舞台は江戸時代ですが、オリジナル解釈の江戸時代ですので、史実とは違う部分も多数ございますので、どうぞご注意ください。また、作中には実際の地名が登場しますが、実在のものとは違いますので、併せてご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる