252 / 310
第十章 『新説【本能寺の変】~“旧説”が、全て消え去る日~』
22 『試練の価値は』
しおりを挟む
天下人織田信長死す!
六月二日以降、その情報が日本中へ広がっていく――
その情報の衝撃力は凄まじく、例えば同日四国遠征の為に堺にて出陣間近だった織田信孝軍は、本能寺から距離が近かった為にその情報が同日が届いた途端――
緒兵に動揺が走り、多くの者が脱走し、即時の軍隊行動が不可能となっている。
北陸の柴田勝家は、本能寺の変を知らぬまま六月三日に魚津城を陥落させた。しかし、事件を知り6日の夜からただちに全軍撤退して北ノ庄城へ戻るが、交戦相手の上杉勢が変を知り、失地回復に越中・能登の国衆を煽り動けず、ようやく18日に近江に出動する。
上野の滝川一益にも六月九日その報が届くが、信長と同盟していた北条勢が、信長の死に乗じて上野に侵攻し神流川の戦いで、敗戦。
本拠地・伊勢に七月にようやく帰還。
――このように信長の使徒たちは、『信長による福音書』計画に則って成された信長の死によって起きた混乱により、日本各地で試練に直面していた。
そうつまりは、信長が死して危機に直面した各地の武将たち、この天正十年六月の状況は――
あえて信長が計画を建て、実行したものだったのだ!
そうそして残る使徒、羽柴秀吉と徳川家康も同様である。
信長の指示によって、少人数で堺見物をしていた徳川家康は、人生最大の試練・危機に直面する。
明智光秀が、信長に続き近くにいる家康の命を狙うことも有りうる。しかし少人数では戦うことさえできない。
光秀がいる京周辺を避けて本拠地浜松に戻るには、伊賀越えしかない。しかし、伊賀は同盟していた信長が滅ぼした反信長の地なのである。
毛利討伐で備中高松に陣をしく羽柴秀吉は、明智光秀の密使を捕まえ三日には本能寺の変を知った。
しかし中国最強の毛利軍に背を向けてすぐに明智光秀を討つために近畿には戻れない。
毛利と光秀の挟み撃ちになる可能性が高いのである。
信長が使徒たちに課した試練、その試練の価値は……
そうその価値こそ、試練に打ち勝った者だけが得られる価値あるもの、
そうさまざまな試練を乗り越え信長の後継者となりて、
《神になる権利》を得るのである。
次回、『《神業》……神の業を持つ者』
奇跡を起こす者を、人は神と呼ぶ!
乞う、ご期待!
六月二日以降、その情報が日本中へ広がっていく――
その情報の衝撃力は凄まじく、例えば同日四国遠征の為に堺にて出陣間近だった織田信孝軍は、本能寺から距離が近かった為にその情報が同日が届いた途端――
緒兵に動揺が走り、多くの者が脱走し、即時の軍隊行動が不可能となっている。
北陸の柴田勝家は、本能寺の変を知らぬまま六月三日に魚津城を陥落させた。しかし、事件を知り6日の夜からただちに全軍撤退して北ノ庄城へ戻るが、交戦相手の上杉勢が変を知り、失地回復に越中・能登の国衆を煽り動けず、ようやく18日に近江に出動する。
上野の滝川一益にも六月九日その報が届くが、信長と同盟していた北条勢が、信長の死に乗じて上野に侵攻し神流川の戦いで、敗戦。
本拠地・伊勢に七月にようやく帰還。
――このように信長の使徒たちは、『信長による福音書』計画に則って成された信長の死によって起きた混乱により、日本各地で試練に直面していた。
そうつまりは、信長が死して危機に直面した各地の武将たち、この天正十年六月の状況は――
あえて信長が計画を建て、実行したものだったのだ!
そうそして残る使徒、羽柴秀吉と徳川家康も同様である。
信長の指示によって、少人数で堺見物をしていた徳川家康は、人生最大の試練・危機に直面する。
明智光秀が、信長に続き近くにいる家康の命を狙うことも有りうる。しかし少人数では戦うことさえできない。
光秀がいる京周辺を避けて本拠地浜松に戻るには、伊賀越えしかない。しかし、伊賀は同盟していた信長が滅ぼした反信長の地なのである。
毛利討伐で備中高松に陣をしく羽柴秀吉は、明智光秀の密使を捕まえ三日には本能寺の変を知った。
しかし中国最強の毛利軍に背を向けてすぐに明智光秀を討つために近畿には戻れない。
毛利と光秀の挟み撃ちになる可能性が高いのである。
信長が使徒たちに課した試練、その試練の価値は……
そうその価値こそ、試練に打ち勝った者だけが得られる価値あるもの、
そうさまざまな試練を乗り越え信長の後継者となりて、
《神になる権利》を得るのである。
次回、『《神業》……神の業を持つ者』
奇跡を起こす者を、人は神と呼ぶ!
乞う、ご期待!
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
陸のくじら侍 -元禄の竜-
陸 理明
歴史・時代
元禄時代、江戸に「くじら侍」と呼ばれた男がいた。かつて武士であるにも関わらず鯨漁に没頭し、そして誰も知らない理由で江戸に流れてきた赤銅色の大男――権藤伊佐馬という。海の巨獣との命を削る凄絶な戦いの果てに会得した正確無比な投げ銛術と、苛烈なまでの剛剣の使い手でもある伊佐馬は、南町奉行所の戦闘狂の美貌の同心・青碕伯之進とともに江戸の悪を討ちつつ、日がな一日ずっと釣りをして生きていくだけの暮らしを続けていた……
我らの輝かしきとき ~拝啓、坂の上から~
城闕崇華研究所(呼称は「えねこ」でヨロ
歴史・時代
講和内容の骨子は、以下の通りである。
一、日本の朝鮮半島に於ける優越権を認める。
二、日露両国の軍隊は、鉄道警備隊を除いて満州から撤退する。
三、ロシアは樺太を永久に日本へ譲渡する。
四、ロシアは東清鉄道の内、旅順-長春間の南満洲支線と、付属地の炭鉱の租借権を日本へ譲渡する。
五、ロシアは関東州(旅順・大連を含む遼東半島南端部)の租借権を日本へ譲渡する。
六、ロシアは沿海州沿岸の漁業権を日本人に与える。
そして、1907年7月30日のことである。
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
信長の秘書
にゃんこ先生
歴史・時代
右筆(ゆうひつ)。
それは、武家の秘書役を行う文官のことである。
文章の代筆が本来の職務であったが、時代が進むにつれて公文書や記録の作成などを行い、事務官僚としての役目を担うようになった。
この物語は、とある男が武家に右筆として仕官し、無自覚に主家を動かし、戦国乱世を生き抜く物語である。
などと格好つけてしまいましたが、実際はただのゆる~いお話です。
大罪人の娘・前編 最終章 乱世の弦(いと)、宿命の長篠決戦
いずもカリーシ
歴史・時代
織田信長と武田勝頼、友となるべき2人が長篠・設楽原にて相討つ!
「戦国乱世に終止符を打ち、平和な世を達成したい」
この志を貫こうとする織田信長。
一方。
信長の愛娘を妻に迎え、その志を一緒に貫きたいと願った武田勝頼。
ところが。
武器商人たちの企てによって一人の女性が毒殺され、全てが狂い出しました。
これは不運なのか、あるいは宿命なのか……
同じ志を持つ『友』となるべき2人が長篠・設楽原にて相討つのです!
(他、いずもカリーシで掲載しています)
異・雨月
筑前助広
歴史・時代
幕末。泰平の世を築いた江戸幕府の屋台骨が揺らぎだした頃、怡土藩中老の三男として生まれた谷原睦之介は、誰にも言えぬ恋に身を焦がしながら鬱屈した日々を過ごしていた。未来のない恋。先の見えた将来。何も変わらず、このまま世の中は当たり前のように続くと思っていたのだが――。
<本作は、小説家になろう・カクヨムに連載したものを、加筆修正し掲載しています>
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・地名とは一切関係ありません。
※この物語は、「巷説江戸演義」と題した筑前筑後オリジナル作品企画の作品群です。舞台は江戸時代ですが、オリジナル解釈の江戸時代ですので、史実とは違う部分も多数ございますので、どうぞご注意ください。また、作中には実際の地名が登場しますが、実在のものとは違いますので、併せてご注意ください。
皇国の栄光
ypaaaaaaa
歴史・時代
1929年に起こった世界恐慌。
日本はこの影響で不況に陥るが、大々的な植民地の開発や産業の重工業化によっていち早く不況から抜け出した。この功績を受け犬養毅首相は国民から熱烈に支持されていた。そして彼は社会改革と並行して秘密裏に軍備の拡張を開始していた。
激動の昭和時代。
皇国の行く末は旭日が輝く朝だろうか?
それとも47の星が照らす夜だろうか?
趣味の範囲で書いているので違うところもあると思います。
こんなことがあったらいいな程度で見ていただくと幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる