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第二章 ヴィオレット
第十一話
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「私、幼なじみがいて」
「うん」
唐突に話し始めた私にも、ニコは落ち着いた様子で耳を傾けてくれる。
「自分で決められない人で、いつも私にどうすればいいって聞いてきて、その度に私は彼の背中を押すつもりで答えてたんだけど」
「うん」
「でも、もしかしたらいつの間にか、私のさせたいように、彼の気持ちを抑え込んで、無理強いしてたのかもしれない」
それに、たぶん。
「私こそ彼に依存して、自分の夢も目標も持たずに、彼の背中越しに世界を見て、それで満足してた」
結局、マリエルの言う通りで。
「その幼なじみの彼も、ヴィオラも間違ってないよ」
黙って聞いてくれていたニコが口を開く。
「今の話を聞く限りだけどね。彼だってヴィオラの言いなりになって全部決めたわけじゃないと思うよ。ヴィオラの答えが彼がそのとき一番いいと思ったことだったんだよ。だって、彼は不満そうに生きているように見えた? 彼がそう言った?」
「それは⋯⋯」
学校もお店の仕事もアルシェが嫌々やっているようには見えなかったし、アルシェが私を邪魔だと言ったこともなかった。
ヴィオレットがいてくれてよかったと、確かにそう言っていた。
お店を継いでいいか尋ねた十二歳の彼も、私の後押しにホッとしていたように見えた。
あのときは間違いなくそう見えた。
でも⋯⋯。
「結局私は彼が本当にやりたいことに気付かなかった⋯⋯、やっぱり私が押し付けてたんじゃないのかな」
「人ってさ、全部を手に入れることができるわけじゃないから何かを選ぶしかないんだよ。ヴィオラの意見を手に取ったのは彼の意志で、それが彼の決め方だったんだよ」
そうなんだろうか。
私がそうさせていたんじゃないのか。
「それにヴィオラは彼に一方的に押し付けたと思ってるかもしれないけど、彼だってヴィオラに背負わせてるものがあるんだよ。一方通行じゃないよ」
そこまで言ってニコは苦笑する。
「でも、それがいいとも悪いとも言えない。僕みたいに自分の意志だけで決めて、なんだか回り道みたいになっちゃうこともあるんだし」
回り道⋯⋯。
それでもニコもアルシェも自分の道を歩いてる。
「みんなちゃんと自分の人生を生きてる。けど、私は後ろから見てるだけで」
「夢の有る無しが人生の良し悪しを決めるわけじゃないよ。それに、特別に誰かといたいと思ったら、隣からでも、後ろからでも、その人と同じ方向を見てないと、ずっと一緒には進めない」
少しずつ何かが取り払われるような感覚。
「誰の人生も他人から見たら全部が全部肯定できるわけじゃないし、全部が全部否定できるわけでもないんだよ。最低限の礼儀さえ守っていれば、自分の人生を誰かの価値観に沿わせる必要はないよ」
そうか。
そうなんだ。
私は全部自分が悪いと思って、マリエルのようになって正しいものを手に入れたくて、でも、いつの間にか気付かないうちに考えが変わっていた。
マリエルに勝てば、
私は間違っていなかったことになる。
自分を否定したくなかった。
アルシェのことも、お客さんのことも。
ずっと叫び続けていた。
押し潰されてしまった『これまでの私』を救いたかった。
私がマリエルに勝てば、過去も今もすべて私が正しかったと証明できる気がして。
でも、別にそんなことで私の人生の価値が決まるわけじゃなかったんだ。
暗闇の中、どこかから運んできた光を見つめるんじゃなくて、ただカーテンを開けたら見慣れた光が差し込んだみたいに、急にいろんなものが見えるようになった。
そして、私は青褪める。
自分のしでかしたことを思い出した。
ジルさんにイリスさん。
「⋯⋯礼儀を守れてなかったことがある⋯⋯」
私が俯いて呻くように言うと、ニコは一瞬目を丸くしたが、
「それは謝らないとね」
と、穏やかに言った。
ニコの言う通りだ。
私が間違っていたことは、きちんと謝らないといけない。
「あとは、ヴィオラは一度その彼と向き合って話をした方がいいと、一般的には思うよ。彼が本当はどう考えてたかなんて、彼にしかわからないんだから」
ニコの提案する声にゆっくりと顔を上げる。
言った当人は自分の膝に頬杖をついて、なぜか少し不機嫌そうな顔をしていた。
「⋯⋯一般的には、って何?」
おかしな言い回しに疑問を呈せば、
「その他大勢の人からしたらそうだってこと。僕がその他大勢の人に対しては百パーセントの気持ちでそう思うってこと」
また、よくわからない言い方をされた。
「どういう意味?」
私が再び問うと、ニコはため息をつく。
「ヴィオラは一度その彼と向き合って話した方がいいと、思ってる僕もいるし、やだなーと思ってる自己中心的な僕もいるってこと。二対八くらい、やっぱ一対九」
後者の割合の多さに、思わず笑ってしまった。
ニコはムスッとした顔のまま遠くを見つめる。
私もそちらを見ながら、諦めにも似た気持ちでスズランの花を視界に入れた。
「でも、彼には運命の人がいるから」
ニコが姿勢はそのままで、こちらを訝しげに見る。
「何? 運命の人?」
「うん、彼がニコの学校の運命の花を咲かせたの」
「あれね⋯⋯」
ニコは眉間にしわを寄せて、楽しくない話をするように口を開いた。
「運命かぁ。その彼がそう言ったの?」
「そう⋯⋯、あれ?」
思い返してみると、アルシェ自身からマリエルが運命の人だと言われたわけではないような気がする。
そうだ、あのときの自分はマリエルの話を鵜呑みにしてアルシェの話を聞かなかった。
アルシェがマリエルの話を一方的に信じてショックだったはずなのに。
ニコがまた遠くを見ている。
「ヴィオラを見てスミレの花を思い出さないかもしれないけど、スミレの花を見るとヴィオラのこと考える」
脈絡もなくニコが喋り始めた。
「というか割と何見てもヴィオラのこと⋯⋯いや、俺何言ってんだろ」
その言葉にいつもと違う引っかかりを感じる。
「そうなの?」
「え?」
「本当は自分のこと俺って言うの?」
「え? そっち?」
ニコは、「なんでそっち?」と言いながらベンチに背を預けて、空を仰ぎ見た。
それから、こちらを向いてとつとつと話し始める。
「うち、姉と妹がいるんだけど」
「うん」
「二人とも、なんていうか、ぼんやりしてて」
「⋯⋯ぼんやり?」
「あー⋯⋯良く言えば、おっとり?」
「えーと、お淑やかってこと?」
「まぁ、ものすごく好意的に見れば。でもそんな上品な感じではないけど。なんなら母もそうで。あとは父も似たようなもんかな」
へぇ、とそんな家族に囲まれたニコを想像してみた。しっくりくる。
「その空気の中で生活してると、つられるというか、会話の中で僕って言った方が自然というか。それでそのまま来たんだけど」
ニコはガシガシと頭をかいた。
「ただ、実際はそんなのんびりした性格でもないから、頭の中で考えるときは俺って言ってて、さっきのは独り言みたいな感じだったから、それが出た」
確かにパッと見たニコは物静かでのほほんとした印象だが、話してみるとはっきり自分の意見を言うし、決断力もある。
隣にいるとすごく⋯⋯。
いや、待って、私も何考えてるんだろ。
自分の考えたことになぜだか異様に動揺してしまって、誤魔化すように適当な言葉を探す。
「ニコの家族の中に入ったら穏やかになれそうだね」
風が吹いて、波間に漂うように花が揺れた。
静かな時間が流れる。
⋯⋯ん?
この沈黙は何?
不審に思って隣を窺うと、ニコが口元を押さえて真っ赤になっている。
「な、な、なんで照れてるのよ!」
「ごめん、想像しちゃって」
「何を!?」
「何をって⋯⋯」
言いながら今度は両手で顔を覆った。
「なっ⋯⋯! 何考えてるのよ!」
なんなんだ。
私までドキドキしてきた。
それから、ニコのお姉さんの旦那さんが顔はいいけど学校一どころか町一番の問題児で、ずっとお姉さんにベタ惚れだった話とか、妹さんの恋人未満の彼がこれまた顔はいいけど軽すぎるモテ男で、でもやっぱり妹さんにゾッコンだとか、そんな話を笑いながら聞く。
二人並んで、目の前に広がる花園を見ながら。
もう、スミレも、その隣で咲くスズランも、ただ綺麗だと思えるようになっていた。
「うん」
唐突に話し始めた私にも、ニコは落ち着いた様子で耳を傾けてくれる。
「自分で決められない人で、いつも私にどうすればいいって聞いてきて、その度に私は彼の背中を押すつもりで答えてたんだけど」
「うん」
「でも、もしかしたらいつの間にか、私のさせたいように、彼の気持ちを抑え込んで、無理強いしてたのかもしれない」
それに、たぶん。
「私こそ彼に依存して、自分の夢も目標も持たずに、彼の背中越しに世界を見て、それで満足してた」
結局、マリエルの言う通りで。
「その幼なじみの彼も、ヴィオラも間違ってないよ」
黙って聞いてくれていたニコが口を開く。
「今の話を聞く限りだけどね。彼だってヴィオラの言いなりになって全部決めたわけじゃないと思うよ。ヴィオラの答えが彼がそのとき一番いいと思ったことだったんだよ。だって、彼は不満そうに生きているように見えた? 彼がそう言った?」
「それは⋯⋯」
学校もお店の仕事もアルシェが嫌々やっているようには見えなかったし、アルシェが私を邪魔だと言ったこともなかった。
ヴィオレットがいてくれてよかったと、確かにそう言っていた。
お店を継いでいいか尋ねた十二歳の彼も、私の後押しにホッとしていたように見えた。
あのときは間違いなくそう見えた。
でも⋯⋯。
「結局私は彼が本当にやりたいことに気付かなかった⋯⋯、やっぱり私が押し付けてたんじゃないのかな」
「人ってさ、全部を手に入れることができるわけじゃないから何かを選ぶしかないんだよ。ヴィオラの意見を手に取ったのは彼の意志で、それが彼の決め方だったんだよ」
そうなんだろうか。
私がそうさせていたんじゃないのか。
「それにヴィオラは彼に一方的に押し付けたと思ってるかもしれないけど、彼だってヴィオラに背負わせてるものがあるんだよ。一方通行じゃないよ」
そこまで言ってニコは苦笑する。
「でも、それがいいとも悪いとも言えない。僕みたいに自分の意志だけで決めて、なんだか回り道みたいになっちゃうこともあるんだし」
回り道⋯⋯。
それでもニコもアルシェも自分の道を歩いてる。
「みんなちゃんと自分の人生を生きてる。けど、私は後ろから見てるだけで」
「夢の有る無しが人生の良し悪しを決めるわけじゃないよ。それに、特別に誰かといたいと思ったら、隣からでも、後ろからでも、その人と同じ方向を見てないと、ずっと一緒には進めない」
少しずつ何かが取り払われるような感覚。
「誰の人生も他人から見たら全部が全部肯定できるわけじゃないし、全部が全部否定できるわけでもないんだよ。最低限の礼儀さえ守っていれば、自分の人生を誰かの価値観に沿わせる必要はないよ」
そうか。
そうなんだ。
私は全部自分が悪いと思って、マリエルのようになって正しいものを手に入れたくて、でも、いつの間にか気付かないうちに考えが変わっていた。
マリエルに勝てば、
私は間違っていなかったことになる。
自分を否定したくなかった。
アルシェのことも、お客さんのことも。
ずっと叫び続けていた。
押し潰されてしまった『これまでの私』を救いたかった。
私がマリエルに勝てば、過去も今もすべて私が正しかったと証明できる気がして。
でも、別にそんなことで私の人生の価値が決まるわけじゃなかったんだ。
暗闇の中、どこかから運んできた光を見つめるんじゃなくて、ただカーテンを開けたら見慣れた光が差し込んだみたいに、急にいろんなものが見えるようになった。
そして、私は青褪める。
自分のしでかしたことを思い出した。
ジルさんにイリスさん。
「⋯⋯礼儀を守れてなかったことがある⋯⋯」
私が俯いて呻くように言うと、ニコは一瞬目を丸くしたが、
「それは謝らないとね」
と、穏やかに言った。
ニコの言う通りだ。
私が間違っていたことは、きちんと謝らないといけない。
「あとは、ヴィオラは一度その彼と向き合って話をした方がいいと、一般的には思うよ。彼が本当はどう考えてたかなんて、彼にしかわからないんだから」
ニコの提案する声にゆっくりと顔を上げる。
言った当人は自分の膝に頬杖をついて、なぜか少し不機嫌そうな顔をしていた。
「⋯⋯一般的には、って何?」
おかしな言い回しに疑問を呈せば、
「その他大勢の人からしたらそうだってこと。僕がその他大勢の人に対しては百パーセントの気持ちでそう思うってこと」
また、よくわからない言い方をされた。
「どういう意味?」
私が再び問うと、ニコはため息をつく。
「ヴィオラは一度その彼と向き合って話した方がいいと、思ってる僕もいるし、やだなーと思ってる自己中心的な僕もいるってこと。二対八くらい、やっぱ一対九」
後者の割合の多さに、思わず笑ってしまった。
ニコはムスッとした顔のまま遠くを見つめる。
私もそちらを見ながら、諦めにも似た気持ちでスズランの花を視界に入れた。
「でも、彼には運命の人がいるから」
ニコが姿勢はそのままで、こちらを訝しげに見る。
「何? 運命の人?」
「うん、彼がニコの学校の運命の花を咲かせたの」
「あれね⋯⋯」
ニコは眉間にしわを寄せて、楽しくない話をするように口を開いた。
「運命かぁ。その彼がそう言ったの?」
「そう⋯⋯、あれ?」
思い返してみると、アルシェ自身からマリエルが運命の人だと言われたわけではないような気がする。
そうだ、あのときの自分はマリエルの話を鵜呑みにしてアルシェの話を聞かなかった。
アルシェがマリエルの話を一方的に信じてショックだったはずなのに。
ニコがまた遠くを見ている。
「ヴィオラを見てスミレの花を思い出さないかもしれないけど、スミレの花を見るとヴィオラのこと考える」
脈絡もなくニコが喋り始めた。
「というか割と何見てもヴィオラのこと⋯⋯いや、俺何言ってんだろ」
その言葉にいつもと違う引っかかりを感じる。
「そうなの?」
「え?」
「本当は自分のこと俺って言うの?」
「え? そっち?」
ニコは、「なんでそっち?」と言いながらベンチに背を預けて、空を仰ぎ見た。
それから、こちらを向いてとつとつと話し始める。
「うち、姉と妹がいるんだけど」
「うん」
「二人とも、なんていうか、ぼんやりしてて」
「⋯⋯ぼんやり?」
「あー⋯⋯良く言えば、おっとり?」
「えーと、お淑やかってこと?」
「まぁ、ものすごく好意的に見れば。でもそんな上品な感じではないけど。なんなら母もそうで。あとは父も似たようなもんかな」
へぇ、とそんな家族に囲まれたニコを想像してみた。しっくりくる。
「その空気の中で生活してると、つられるというか、会話の中で僕って言った方が自然というか。それでそのまま来たんだけど」
ニコはガシガシと頭をかいた。
「ただ、実際はそんなのんびりした性格でもないから、頭の中で考えるときは俺って言ってて、さっきのは独り言みたいな感じだったから、それが出た」
確かにパッと見たニコは物静かでのほほんとした印象だが、話してみるとはっきり自分の意見を言うし、決断力もある。
隣にいるとすごく⋯⋯。
いや、待って、私も何考えてるんだろ。
自分の考えたことになぜだか異様に動揺してしまって、誤魔化すように適当な言葉を探す。
「ニコの家族の中に入ったら穏やかになれそうだね」
風が吹いて、波間に漂うように花が揺れた。
静かな時間が流れる。
⋯⋯ん?
この沈黙は何?
不審に思って隣を窺うと、ニコが口元を押さえて真っ赤になっている。
「な、な、なんで照れてるのよ!」
「ごめん、想像しちゃって」
「何を!?」
「何をって⋯⋯」
言いながら今度は両手で顔を覆った。
「なっ⋯⋯! 何考えてるのよ!」
なんなんだ。
私までドキドキしてきた。
それから、ニコのお姉さんの旦那さんが顔はいいけど学校一どころか町一番の問題児で、ずっとお姉さんにベタ惚れだった話とか、妹さんの恋人未満の彼がこれまた顔はいいけど軽すぎるモテ男で、でもやっぱり妹さんにゾッコンだとか、そんな話を笑いながら聞く。
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