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声劇
声劇 監視
しおりを挟むA『』◁先輩
B「」◀後輩
展開
後輩からの突然の電話
それはいつも聞き流しているラブコールだったものの、気づけば主導権は奪われていた。
先輩:落ち着いてる気だるげ系 ただ、焦ると語彙力が下がりボロが出る
後輩:常にニコニコニヤニヤしてそうなウザがられるタイプの後輩。ただし、1枚上手。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
A『…電話…?あー、あいつか。…ん、もしもーし、なに?』
B「ねね、今何してるー?」
A『寝てた』
B「はい嘘ー、sns開いてたのバレてマース。1分前ログインになってましたー」
A『きっしょ、なんでそこまで見てんだよ』
B「彼女だもん。普通だとおもいまーす」
A『付き合ってねぇだろ。あほか』
B「へへ、そんなこと言って本当は嬉しいんじゃないですかー?こんなにも可愛くて?一途で?料理もできて?そして気配り上手で?こーーーんなにもいい女の子普通いませんよ!」
A『嬉しくは無いし、可愛いって自分で言うのはいいけど俺の前で言う話では無いし、一途なのはお前が単純にしつこいだけだろ。なんだよ、中学から成人してずっと言い寄ってくるやつって…お前くらいしか見た事ないわ。普通に怖すぎ。ただ、料理が上手いのは認める。お前のクッキーまじ美味い。だけど、気配りができるなら今こうやって絡んでこねぇのよ。言ってる事の八割は認識違いなんだが』
B「うんうん…伝わってますよ…先輩からの愛情。それも全部照れ隠しだって分かってるんですから…あーかわいいかわいい。私が今話していたことを全部理解した上で言語として伝えてくれるのはもう愛情そのものです。わー、私愛されてるなぁ…いやぁ…幸せだなぁ…」
A『…うるせぇな…話それだけなら切るぞー、眠いんだわ』
B「え、先輩そんなこと言いながらも寝ないでしょー?どうせSNS開いていつもみたいに呟くんでしょー?」
A『いや、マジで寝る。てか、お前俺のSNS見てるならわかるだろ?俺普段から呟かねぇだろ』
B「え、呟いてますよね?結構な頻度で。普通に隠す必要ないんですよー?」
A『……は?何言ってんだ、俺の投稿欄何も乗ってねぇけど…』
B「何ー?照れてるのー?可愛いねぇ可愛いねぇ…そうやって誤魔化しちゃって…もー。先輩ったら♡」
A『いやいや、呟いてねぇって。誰と勘違いしてんだ?』
B「はいダウト!私に隠し事は通じませーん」
A『…いや、ダウトってさすがにウザイが…。隠し事っていうけどこっちからしたらなんの事なのかさっぱり…』
B「友達機能で私だけ見せてないでしょ、投稿してること」
A『…は?』
B「公開する人設定して、私にだけ見せないように普段投稿してるでしょ」
A『…え、あ、は?なんで俺がそんなにめんどくせぇ設定しなきゃいけねぇんだよ』
B「ほんと可愛いですよねぇ…本人に伝えるのがそーんなに照れくさいんですかー?私はそんな照れ屋さんな先輩も大好きですよー!」
A『…いやいやいや、お前かまかけてんだろ!俺はなーんにも呟いてない!少なからず呟いてたとしてもお前のことは一切…』
B「2017年3月9日、高校の卒業式の日。「中学から同じだったあいつととうとう離れ離れになった。あいつの前で泣くのはバカにされるから絶対しない。でも、この第二ボタンはあいつにやるって決めてるから応援の言葉くれ」とか…?あの後、ボタン本当にくれるんだから…先輩ってほんとツンデレってやつですよねぇ」
A『は…え…は?え??』
B「せっかくなんでついさっきのも…2024年4月26日の今日。「珍しくあいつから連絡が来ない。眠いけど、寝てる時に電話来たら寝起きの声聞かれんの恥ずいし、起きてる。さすがに寂しいな」…だって!」
A『………え?』
B「つんつんしてるのは変わんないけど、こーーーんなにも素直にデレるんですからぁ…いつもこのテンションでいいんですよー?普段の会話だって、遊びに行った時だって!ぜーんぶ私見てるんですから!てか、私が電話かける度に呟いてるし…私と一緒に登校する度に呟いてたし…私が体調崩した日なんて毎回看病来てくれてたし、心配してるって投稿してたしー?…ぜーんぶ見てる!」
A『…な、なな、な、なななな、なんで見れて…じゃなくて、お前!はぁ!?きっしょ!きっも!!…きもーー!!嘘つくなし!そんなこと俺はしてねぇし!』
B「焦ると語彙力無くなるのも中学から変わりませんよねぇ…可愛いなぁ」
A『可愛くねぇよ!てか、お前まじ普通にそうやってよ…』
B「え、中学の初めくらいから見てましたよ?…?」
A『そんな前から見れてんの!?なんで!?』
B「あ…ボロが出ましたね?認めましたね?はい言質とりましたー!…ふふ、たぶん、初期の初期ってのもあって…私の旧アカウントそのままフォローしっぱなしで承認してました。あのアカウントは人の見るようなので動きは少ないですし、見逃してたんですかね?今の本垢はその分動いてます!…だから、先輩の可愛いお話10年くらいずっと見れてましたよー?」
A『…う…は?え…う……うう、ふっざけんなよ!ばーか!ばーーーか!ばーーーーーか!今すぐ記憶消せばか!アホ!頭殴ったら記憶なくなるから?俺はお前には容赦しねぇかんな!?今すぐお前ん家に行ってな…』
B「大切な後輩ちゃんにてあげるんですかー…?せ、ん、ぱ、い」
A『…お、おおおう、あげてやるよ、今回は10年間騙し続けたお前にケジメをだな…』
B「とかいいつつ、きっと頭の中では私のこと大好きだから…絶対そういうことしませんよね?」
A『う………そ、そんなことねぇし!おま、調子にの…』
B「そんな素直になれない先輩が私はだーいすきです。それにおうち来たら、先輩ドキドキしすぎて倒れちゃうんじゃないですかー?なんやかんや今まで誘ってもお家来ませんでしたよねー?…ようやく来てくれるんですか?」
A『…うっ……うう…そ、それは…さすがに…女子の家っていうのは…その…』
B「私はいつでも待ってるんで、来る時は連絡してくださいねぇ?今日は沢山可愛い所見れたんで…満足しました!次は何つぶやくのか楽しみにしてまーす♡」
A『ちょ!おま!!まだ俺は言いきれてないことがあってだなぁ!?…って、もしもし!?もしもし!?…きるなあああああ!!!!』
プツリと途切れる電波の音
しかし、切れることの無い太い二人の関係は、またひとつ大きくなった。
素直になれない恋模様
二人の関係は、少し離れた場所で
急激に動き始める。
ここの後、SNSの更新は無い。
ただ、着信が増えただけだった。
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