20 / 101
今日までもこれからも浜崎乃亜は忘れない
4日目 今日までもこれからも浜崎乃亜は忘れない ⑤
しおりを挟む
ノアにキスをされてからどのくらい時間が経っただろう
そんなに時間は経っていないはずなのに、とても長い時間唇を合わせていた気がする。
数秒が数時間にも、数日にも思える。
それはきっと、突然の事だったということ。
そして、彼女が本気で僕を愛してくれていたこと。
そして、僕もそのキスをされた時に感じた、ノアの温もりの安心感に魅せられてしまったこと…。色んな理由が考えられる。
嫌な気持ちをほとんど感じさせない
本当に優しいキス
抱きしめてくる体は細く、少し力を入れたら壊してしまいそうなほど脆く尊い
緊張と不安があるなか、想いを伝えたいというただ1つの純愛がダイレクトに体と心に流れてくる。
震えている身体
そして、ケアのされた不快感のない美しい唇
彼女の存在を強調するような甘いお菓子のような香水の香り
全てが、彼女の存在を僕に刻み込む。
…でも、ごめんね…
今の僕には
君の愛情は必要ない。
僕は、冬華さんとの約束を守りたいんだ。
1番守りたい笑顔があることを知ってしまった。
記憶をなくして、君と最初に出会っていたら変わっていたかもしれない。
いや…変わんなかったかな。
あの懐かしくて、思い出せないことが苦しくて
でも、それでも前に進みたいと思えるあの感情はきっと特別だから感じれた。
その特別にはきっと敵わない。
唇を離し、見つめて来るノアの瞳は涙を含みキラキラと輝いている。
しかし、その奥には暗く淀んだ闇があった。
…不安だよな
そんな中、告白してくれたんだな
…ありがとう。そして
ごめん
「先輩…ご」
「ノア…君に話したいことがある。」
そんな瞳を向ける彼女に
僕の気持ちを全て話すしかない
今の僕の状態のこと
僕の中にある唯一の特別な人のこと
そして、君と僕のこれからのことを
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
先輩ごめんなさい
きっと、こんな強引なキスは嫌だったと思う。
好きでもない人とのキスは嫌だったと思う。
でも、今しかないとそう思ってしまいました。
いつでもいいように
このチャンスが来る時のために毎日準備していました…
先輩の全てが欲しいと言いったけど、それ以上に
私の全てを貰って欲しい
受け取って欲しい
幸せになって欲しいから、私の身体と心全て尽くしてあなたを守りたい。
そう思ってるだけなんです。
複雑な気持ちにさせたくはなかったけど
自分の身と心を心授けたいという気持ちには勝てなかった。
…やっぱり私は最低だ。
記憶のない今しか攻めれない私は
…ただの弱虫なんだろうな
…やっぱり、今日で終わりにしようかな
…嘘つきで卑怯者の私がそばにいたらきっと…
キスをしたとき
私の中でふたつの選択肢が天秤にかけられた
ひとつ
先輩の恩を返したい
だから、自分の身と心全てを使って恩返しをしたい。大好きな先輩のために。初めて人にそう思えたあの時から…ずっと…
そしてもうひとつ
先輩の為に離れる
先輩の彼女である冬華さんが記憶を失って何もしていないわけが無い。あれだけ好きあっていた2人だもの。
今私は、記憶が無い先輩の隙をチャンスだと思って奪おうとしている。
先輩は覚えてなかったとしても、もし私と先輩がつきあったら冬華さんを不幸にしてしまう。それに、記憶が戻った時に先輩を不幸にしてしまう。
だから…そのリスクを避けるためにも、決意を曲げて離れる。
…やっぱり…後者の方が幸せな人が多い…んだろうな
…私の恋はやっぱりずっと卑怯で暗くて
敵わないのだろうか。
私が暗かったんだもん…そりゃ全部暗くなるよ。
髪もピアスも洋服も容姿も、頑張って変わろうと思ったけど、…心はなかなか変えられない。
私はずっと、先輩がくれたあの意識意外は上手く変わることが出来なかった。
どんどんネガティブに
どんどん暗く
どんどん深く
どんどん…帰れなくなって…
また…戻っちゃう…
…1でも変われたんだ…私にはそれだけでも十分過ぎるほどの幸せで。それで満足するべきだった。
そうだったらきっと、今こんなに苦しい思いしてない。もどかしい思いをしていない。
本当に、私は馬鹿でダメな女
…今日で終わりにしよう
キスもしてしまったけど、最後の思い出くらいいいよね?
…気持ちだけで動いてしまったこと
今までのこと…
取り返しがつかないことなのは分かってる。でも…さめて…謝りたい
「先輩…ご」
「ノア…君に話したいことがある」
謝ろうとしたその時
先輩は優しくそう問いかけてくれた。
そんなに時間は経っていないはずなのに、とても長い時間唇を合わせていた気がする。
数秒が数時間にも、数日にも思える。
それはきっと、突然の事だったということ。
そして、彼女が本気で僕を愛してくれていたこと。
そして、僕もそのキスをされた時に感じた、ノアの温もりの安心感に魅せられてしまったこと…。色んな理由が考えられる。
嫌な気持ちをほとんど感じさせない
本当に優しいキス
抱きしめてくる体は細く、少し力を入れたら壊してしまいそうなほど脆く尊い
緊張と不安があるなか、想いを伝えたいというただ1つの純愛がダイレクトに体と心に流れてくる。
震えている身体
そして、ケアのされた不快感のない美しい唇
彼女の存在を強調するような甘いお菓子のような香水の香り
全てが、彼女の存在を僕に刻み込む。
…でも、ごめんね…
今の僕には
君の愛情は必要ない。
僕は、冬華さんとの約束を守りたいんだ。
1番守りたい笑顔があることを知ってしまった。
記憶をなくして、君と最初に出会っていたら変わっていたかもしれない。
いや…変わんなかったかな。
あの懐かしくて、思い出せないことが苦しくて
でも、それでも前に進みたいと思えるあの感情はきっと特別だから感じれた。
その特別にはきっと敵わない。
唇を離し、見つめて来るノアの瞳は涙を含みキラキラと輝いている。
しかし、その奥には暗く淀んだ闇があった。
…不安だよな
そんな中、告白してくれたんだな
…ありがとう。そして
ごめん
「先輩…ご」
「ノア…君に話したいことがある。」
そんな瞳を向ける彼女に
僕の気持ちを全て話すしかない
今の僕の状態のこと
僕の中にある唯一の特別な人のこと
そして、君と僕のこれからのことを
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
先輩ごめんなさい
きっと、こんな強引なキスは嫌だったと思う。
好きでもない人とのキスは嫌だったと思う。
でも、今しかないとそう思ってしまいました。
いつでもいいように
このチャンスが来る時のために毎日準備していました…
先輩の全てが欲しいと言いったけど、それ以上に
私の全てを貰って欲しい
受け取って欲しい
幸せになって欲しいから、私の身体と心全て尽くしてあなたを守りたい。
そう思ってるだけなんです。
複雑な気持ちにさせたくはなかったけど
自分の身と心を心授けたいという気持ちには勝てなかった。
…やっぱり私は最低だ。
記憶のない今しか攻めれない私は
…ただの弱虫なんだろうな
…やっぱり、今日で終わりにしようかな
…嘘つきで卑怯者の私がそばにいたらきっと…
キスをしたとき
私の中でふたつの選択肢が天秤にかけられた
ひとつ
先輩の恩を返したい
だから、自分の身と心全てを使って恩返しをしたい。大好きな先輩のために。初めて人にそう思えたあの時から…ずっと…
そしてもうひとつ
先輩の為に離れる
先輩の彼女である冬華さんが記憶を失って何もしていないわけが無い。あれだけ好きあっていた2人だもの。
今私は、記憶が無い先輩の隙をチャンスだと思って奪おうとしている。
先輩は覚えてなかったとしても、もし私と先輩がつきあったら冬華さんを不幸にしてしまう。それに、記憶が戻った時に先輩を不幸にしてしまう。
だから…そのリスクを避けるためにも、決意を曲げて離れる。
…やっぱり…後者の方が幸せな人が多い…んだろうな
…私の恋はやっぱりずっと卑怯で暗くて
敵わないのだろうか。
私が暗かったんだもん…そりゃ全部暗くなるよ。
髪もピアスも洋服も容姿も、頑張って変わろうと思ったけど、…心はなかなか変えられない。
私はずっと、先輩がくれたあの意識意外は上手く変わることが出来なかった。
どんどんネガティブに
どんどん暗く
どんどん深く
どんどん…帰れなくなって…
また…戻っちゃう…
…1でも変われたんだ…私にはそれだけでも十分過ぎるほどの幸せで。それで満足するべきだった。
そうだったらきっと、今こんなに苦しい思いしてない。もどかしい思いをしていない。
本当に、私は馬鹿でダメな女
…今日で終わりにしよう
キスもしてしまったけど、最後の思い出くらいいいよね?
…気持ちだけで動いてしまったこと
今までのこと…
取り返しがつかないことなのは分かってる。でも…さめて…謝りたい
「先輩…ご」
「ノア…君に話したいことがある」
謝ろうとしたその時
先輩は優しくそう問いかけてくれた。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説

【完結】お姉様の婚約者
七瀬菜々
恋愛
姉が失踪した。それは結婚式当日の朝のことだった。
残された私は家族のため、ひいては祖国のため、姉の婚約者と結婚した。
サイズの合わない純白のドレスを身に纏い、すまないと啜り泣く父に手を引かれ、困惑と同情と侮蔑の視線が交差するバージンロードを歩き、彼の手を取る。
誰が見ても哀れで、惨めで、不幸な結婚。
けれど私の心は晴れやかだった。
だって、ずっと片思いを続けていた人の隣に立てるのだから。
ーーーーーそう、だから私は、誰がなんと言おうと、シアワセだ。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定

選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ
暖夢 由
恋愛
【5月20日 90話完結】
5歳の時、母が亡くなった。
原因も治療法も不明の病と言われ、発症1年という早さで亡くなった。
そしてまだ5歳の私には母が必要ということで通例に習わず、1年の喪に服すことなく新しい母が連れて来られた。彼女の隣には不思議なことに父によく似た女の子が立っていた。私とあまり変わらないくらいの歳の彼女は私の2つ年上だという。
これからは姉と呼ぶようにと言われた。
そして、私が14歳の時、突然謎の病を発症した。
母と同じ原因も治療法も不明の病。母と同じ症状が出始めた時に、この病は遺伝だったのかもしれないと言われた。それは私が社交界デビューするはずの年だった。
私は社交界デビューすることは叶わず、そのまま治療することになった。
たまに調子がいい日もあるが、社交界に出席する予定の日には決まって体調を崩した。医者は緊張して体調を崩してしまうのだろうといった。
でも最近はグレン様が会いに来ると約束してくれた日にも必ず体調を崩すようになってしまった。それでも以前はグレン様が心配して、私の部屋で1時間ほど話をしてくれていたのに、最近はグレン様を姉が玄関で出迎え、2人で私の部屋に来て、挨拶だけして、2人でお茶をするからと消えていくようになった。
でもそれも私の体調のせい。私が体調さえ崩さなければ……
今では月の半分はベットで過ごさなければいけないほどになってしまった。
でもある日婚約者の裏切りに気づいてしまう。
私は耐えられなかった。
もうすべてに………
病が治る見込みだってないのに。
なんて滑稽なのだろう。
もういや……
誰からも愛されないのも
誰からも必要とされないのも
治らない病の為にずっとベッドで寝ていなければいけないのも。
気付けば私は家の外に出ていた。
元々病で外に出る事がない私には専属侍女などついていない。
特に今日は症状が重たく、朝からずっと吐いていた為、父も義母も私が部屋を出るなど夢にも思っていないのだろう。
私は死ぬ場所を探していたのかもしれない。家よりも少しでも幸せを感じて死にたいと。
これから出会う人がこれまでの生活を変えてくれるとも知らずに。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

【完】お義母様そんなに嫁がお嫌いですか?でも安心してください、もう会う事はありませんから
咲貴
恋愛
見初められ伯爵夫人となった元子爵令嬢のアニカは、夫のフィリベルトの義母に嫌われており、嫌がらせを受ける日々。
そんな中、義父の誕生日を祝うため、とびきりのプレゼントを用意する。
しかし、義母と二人きりになった時、事件は起こった……。

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる