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第3話 街のうんち回収

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 「ここが、フルント街か!!」

 俺達は、フルント街に着いた。フルント街はいかにも中世の街という感じであった。

 「人間の街に驚いているようね! でも、これでも街の大きさは小規模よ!」
 
 「これで小規模なのかよ!」
 
 大きい街だったらどれだけの大きさになるんだ。俺はびっくりした。

 あと、一応俺は人間だったのだが言っても信じてくれそうにないから、そのことは言わなかった。

 「ほほほほ! びっくりしているものを見るのは面白いの!」

 森でノグソしていたじいさんが言ってきた。てか、まだいたのかよじいさん!

「じいさん、いたんだな‥‥‥ずっと黙っていたから気づかなかったぜ」

「失敬な、疲れて何も言えなかっただけのことじゃ! それにしても街に着いたか! これでお主たちとはお別れじゃの」

「ええ、じゃあね」

「じゃあなじいさん」

「別れのあいさつなのに軽いの~! もう少しいいお別れの言葉ないのか!」

 じいさんは叫んだ。

 「「いや、ない」」

「そ、そうかの‥‥‥」

 じいさんはふてくされながら去っていた。

「さて、では気を取り直してまずは宿屋に行くわよ!」

「了解!」

 俺は敬礼した。あとうんちの姿をしているので、体全体に一応マントをかぶっていた。

 俺達は、宿屋に向かってフルント街をあるいていた。歩いている時、多くの店舗を見た。

 武器屋や防具屋、アイテム屋、ギルドなど立ち並んでいた。その店舗などが並んでいる通りは人でにぎわっていた。

 店舗や家、人の賑わいなど俺が想像していたファンタジーの街って感じだった。ただ、一点だけ違うことがあった。

 それは‥‥‥うんこが通りのあちこちで放置されていることである。

「な‥‥‥なんで、うんちがこんなに放置されているんだよ‥‥‥!」

 俺はうんちの多さにびっくりしていた。

「あら知らないの! このような小規模な街は発展することしか考えてないから、うんちや尿の処理は適当なのよ!」

「まじかよ!!」

 すると、前の方でペットの犬がうんちを出していた。飼い主は拾わず放置したままだった。

 だが、もっと驚く方法でうんちを出している者がいた。それは女性だった‥‥‥通行人の女性からブリブリという音が聞こえてきた。

 その女性はスカートしていたので行為は見えなかったが、女性が去った後にうんちがその箇所にあった。

 俺はあまりにも驚くべき光景に口をあんぐりしながら驚いていた。

「Holy Sit!! なんだこの街は! 住人は頭おかしいんじゃないのか!」

「ええ、その通りよ! でも、街の皆はしていることだから別に恥ずべき行為じゃないようね! それが小規模の街の特徴よ」

「なんてこった‥‥‥」

 初めてこの世界で来た街がこれかよ!! だけどこんな話、教育番組で見たことがあるな。

 確か中世の街では発展のために道などを次々塗装したが、そのためにうんちが吸収されず残ったままになり感染が拡大したと‥‥‥!

 あとスカートはうんちをするのを隠すためにあったとも聞いた(本当のことなのかは定かではない)。

 Holy Sit!! そんなところまで真似なくていいっての! せっかく転生したなら夢を見せてくれよ―――――――!

 だが、うんちで転生した時点で夢もクソもなかった。

 その後、街を歩き続けやがて宿屋に着いた。

 俺達は着くとすぐに宿屋の中に入り、アースラが受付の人と話した。そしてそこの宿屋に泊まることが決まった。

 部屋も案内されたが、いかにもファンタジーのへやだな~と思った。

 部屋の中に入った俺はすぐさまくつろごうとした。しかし、アースラは俺にこんなこと行ってきやがった。

「何くつろごうとしているのよ! あなたにはやってもらうことがあるんだから!」

「えっ‥‥‥やることって‥‥‥!」

「宿屋の近くのうんちの回収よ」

「うんちの回収!!」

「ええ、私が受付の人が苦痛な顔しながら言っていたの。この宿屋が近くにあるうんちで景観が損なわれてお客が減っていると! あんたはうんち吸収できるはずだからこの宿屋の周りのうんち回収して」

「ふ‥‥‥ふざけんな ! なんで俺が誰のかも知らないうんちを吸収しなくちゃいけないんだ!」

「いいじゃない! パワーアップできるんでしょ!」

「パワーアップできても、うんちなんて普通さわりたかねえよ!!」

「あんたが‥‥‥それ言うか」

 はっ‥‥‥Oh, my God、自分のこと自分で否定しちゃった‥‥‥

「まあ、とにかくうんち回収すれば宿屋代タダにしてくれるそうよ!」

「―――Gattem!!―――まじかそれならやろうかな!」

 浮かれながら出ようとしたが、しかしあることに気づいた‥‥‥

「ってか、宿屋代けちるためにうんち回収OKしたのか! お嬢様なのに何でけちるんだ!」

 俺は叫びながら発言した。

「いいでしょう!! けちれるんだったら、できるだけけちればいいじゃない!!」
 
 アースラも叫びながら答えた。その後、数分くらいもめた。

 もめるのが終わると、結局俺がうんちを回収することになった。やはりあの契約のことを考えるということを聞くしかなかった。

 そして、宿屋の周りに落ちてあるうんちを一つ一つ回収していった。

「うげっ‥‥‥くっせ~! こりゃたまらん! 臭くて触りたくねえよ‥‥‥! 」

「いいから早くやりなさい! 出ない―――と夜になってしまうわよ!」

「―――Holy Sit!!―――こうなったらどうにでもなりやがれ~!」

 俺はいやいやうんちに触った! するとうんちが瞬く間にうんちMANに吸収されていった。そして一瞬だがうんち色に光った!

「な‥‥‥なによ‥‥‥あの汚い光は!!」

 説明しよう! うんちMANはうんちの吸収が終わるとうんち色に一瞬光るのだ!

 そして、その後俺はうんちを次々と吸収していった。やがて宿屋の周りにあるうんちをすべて回収した。

 すると、俺の身体に異変が生じた。

「なっ‥‥‥なんだこりゃ~!」

 今度は少しの間うんち色に俺の身体が光った。そして光終ると俺は自分の身体を確認した。

 外見上は変化していなかったが、明らかに強くなっていた。俺は多くのうんちを回収して成長したのであった。

 俺は体を動かした。いつもよりもキレキレにダンスができていた。おしりふりのダンスもキレキレだった。

「これがパワーアップか」

「そんな確かめ方あるか!!」

 アースラは勢いよく俺に突っ込みをしてきたのだった。

 その後、宿屋の受付の人と話して、任務を完了したことを告げた。別のスタッフが確認にいって受付の人に報告した。

 受付の人は大いに喜んでいた。

「ふう~人のためにやる仕事はやっぱりいいな~!」

 こんな感じで結果オーライで宿屋の件は終わった。
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