学園追放者は影の支配者になる ~ ダンジョンを攻略しながら、悪者を成敗する物語

ジョーカー

文字の大きさ
上 下
56 / 58

57話 ゴブリン退治 報酬金額

しおりを挟む
 エマ達と共に街に戻る際、森の中で魔物に出くわしたりしたが、エマ達の仲間と協力して撃退した。

 また、森の中で俺達を襲うとしていた魔物は、ゴブリンどもが片付けてくれた。これはゴブリンナイトからの報告で知ったことである。

 こうして、俺達は魔物を片付けながら、街に帰還した。街の中では、エマ達と同じ冒険者が俺達に語りかけてきていた。

 ゴブリンどもをやっつけたのかと聞かれることが多く、倒したというと、聞いてきた冒険者達は喜んでいた。

 だが、俺達の帰還をよしとしないものもいた。そいつらの表情を見ると、苦々しい顔をしていた。恐らく組織の者達で、作戦が失敗したと思い苦々しい顔をしていたのだと考えられた。

 俺達は色々な感情を受け止めながら進み、やがてギルド前に着いた。

 ギルド前に着いた時は、15時ごろであった。

 エマ達は、ギルドに報告を行う必要があるため、ここで一旦お別れすることになった。

 俺は、エマの仲間から荷台を受け取った。そして、別れ際に、助けたことに関する感謝の言葉を受け取った。

 そのあと、俺達とエマ達は別れの言葉を交わしてこの場を去った。

 ただ、エマだけは、ギルドで報告した後に再び俺達の元に駆け付けると言っていた。その理由は、八聖に会うためらしい。あわよくば修行をお願いするつもりのようだ。

(あの軟聖がただで修行をつけるとは思えないけど‥‥‥ただ、エマの実家はお金持ちだから、大金を渡せば修行を受け付けるかもしれない。)

 俺は、そんなことを思いながら、一旦街を出て、北の森に向かった。

 道中、雑魚の魔物はいたが、俺とディーラーで簡単に蹴散らした。その後、北の森の前に着いた。

 その時であった。遠くから声が聞こえてきた。その声の主は、エマであった。

「お―――い、あんた達、止まりなさ――い!! 急いで駆け付けてきたわよ!!」

「おっ、エマさんじゃないか。意外と早く合流できたな。」

「ああ、ギルドの報告そんなに早く終わったのかな」

 俺達は、エマさんの呼び止める声が聞こえたので、森の入り口近くで待機していた。

 そして、エマさんは待機している俺達に合流した。

「いやー、あんた達、少し待たせてすまなかったわね!!」

「いえ、これぐらいはいいですよ。それよりこんなに早く合流できるなんて思いもしませんでした。」

「ええ、ギルドの報告が意外と早く終わったの。終わった後、すぐにあなたたちの元に急いで駆け付けたわ。おかげでくたくたよ。」

「お疲れ様っす。それで、ちゃんと報酬はもらったんですか?」
 ディーラーがエマに質問した。
 
「ええ、ちゃんといただいたわ。報酬の金額は一人あたり5万ゴールドよ。」

「ひっ‥‥‥一人あたり‥‥‥ごっ‥‥‥5万ゴールド!!そりゃ‥‥‥大金じゃないですか!!」

 組織で働いていたディーラーは金額に驚いていた。

「そうでもないわ。ゴブリンどもは街に通行する者を大勢襲っていた。おかげで、商売は上手くできなかった。街全体の利益に比べれば、一人あたり5万ゴールドはむしろ少ない方だわ。」

「そっ‥‥‥そうなんですね。」

 ディーラーはそれでも大金だと思っていた。組織でこき使われたのにいつも報酬が少なかったため、どんな理由があるにせよ報酬額が大きいと感じていた。

「まあ‥‥‥でも、100万ゴールドを報酬としてくれる馬鹿野郎もいるからおかしくはないかもしれませんね!!」

 カルロスから100万ゴールドもらったことを思い出し、5万ゴールドを渡す人がいてもおかしくはないかとディーラーは考えた。

「おい、100万ゴールド渡した馬鹿者で悪かったな!!」
 カルロスは馬鹿者呼ばわりされてディーラーに苦情を投げかけた。

「すまん、すまん。ついうっかりでちまった」

「あなた、100万ゴールドもディーラーに渡したの!?」

「ええ、ご家族が苦しんでいるようだったので渡しました。」

「そんな大金、あんまり知らない人間によく渡せたわね。そんな大金を隠し持っている人にはこの金はいらないかしら?」

 エマの手には二つの少し大きな袋があった。

「それは何ですか?」
 俺は質問した。

「これは、報酬金よ。あなたたちのね。」

「えっ‥‥‥俺達もいただけるんですか?」

「これはギルドからではなく、私たちの報酬金を分散して、作ったお金よ。あなたたちのおかげで助けられたから助成金ということで上げようと思ったの。」

「そうだったんですね。ではありがたく‥‥‥」

「でも、カルロスは大金を隠し持っているからこんなはした金いらないわよね?」

「いえ、いりますよ。だいぶ使ってお金が少なくなっているんです。ください」

「しょうがないわね。じゃああげるわ」
 こうして、エマから報酬金をもらった。

 その報酬金は俺とディーラー合わせて5万ゴールドあった。つまりひとりあたり2万5千ゴールドであった。

「「ありがとうございます。生活の足しにします。」」

 こうして、俺とディーラーは喜びながら受け取った。その後、森の中に突入した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

世界中にダンジョンが出来た。何故か俺の部屋にも出来た。

阿吽
ファンタジー
 クリスマスの夜……それは突然出現した。世界中あらゆる観光地に『扉』が現れる。それは荘厳で魅惑的で威圧的で……様々な恩恵を齎したそれは、かのファンタジー要素に欠かせない【ダンジョン】であった! ※カクヨムにて先行投稿中

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

やがて神Sランクとなる無能召喚士の黙示録~追放された僕は唯一無二の最強スキルを覚醒。つきましては、反撃ついでに世界も救えたらいいなと~

きょろ
ファンタジー
♢簡単あらすじ 追放された召喚士が唯一無二の最強スキルでざまぁ、無双、青春、成り上がりをして全てを手に入れる物語。 ♢長めあらすじ 100年前、突如出現した“ダンジョンとアーティファクト”によってこの世界は一変する。 ダンジョンはモンスターが溢れ返る危険な場所であると同時に、人々は天まで聳えるダンジョンへの探求心とダンジョンで得られる装備…アーティファクトに未知なる夢を見たのだ。 ダンジョン攻略は何時しか人々の当たり前となり、更にそれを生業とする「ハンター」という職業が誕生した。 主人公のアーサーもそんなハンターに憧れる少年。 しかし彼が授かった『召喚士』スキルは最弱のスライムすら召喚出来ない無能スキル。そしてそのスキルのせいで彼はギルドを追放された。 しかし。その無能スキルは無能スキルではない。 それは誰も知る事のない、アーサーだけが世界で唯一“アーティファクトを召喚出来る”という最強の召喚スキルであった。 ここから覚醒したアーサーの無双反撃が始まる――。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

処理中です...