学園追放者は影の支配者になる ～ ダンジョンを攻略しながら、悪者を成敗する物語

56話 街に向けて出立

　ゴブリンどもの後始末についての話し合いが終わり、2時間が経った。

　その間に、建物の近くにいた組織の者達を埋葬した。また、組織の者達が何か組織に関係するものを持っていないか調べたが、なにも出てこなかった。

　ただ、アイテムなどはあったので回収した。その回収したアイテムは、それぞれに分けると、組織の者達に気づかれる危険性があったため、カルロスが預かった。

　また、近くに、組織の者が用意した荷台があったので、それにミジョンを乗せて、上に大きな布をかぶせた。

　恐らく、この荷台と大きな布はエマさんを誘拐するために用意したものだろう。とにかく俺達は、ミジョンを乗せるために使った。

　しかしエマやエマの仲間達は憤慨していた。

「私を誘拐しようと考えただけでも許せないのに、その上、ゴブリンどもとはさみうちにして、私たちを倒そうと考えていたなんて許せないわ。」

「ええ。とんだ卑怯なもの達ね。」

　魔法使いが話した。

「もし、はさみうちにされていたらエマ以外の俺達は死んでいたかもな。」

　もう一人の魔法使いが話した。

「うん、恐らく死んでいただろうね。助かったのはディーラーさんとカルロスさんのおかげだよ。」

　剣士が話した。

「しかし、エマの誘拐だけでなく、クリエント街で色々な悪事を働く組織がいたとは、俺が見つけ出したらぶっ飛ばしてやる！！」

　斧使いが話した。

「だが、組織の者達といま戦うのはまずい。ここは、組織に見つからないように知らないふりをするべきだと思うぜ！！」

　ディーラーは組織のことについて詳しいので控えるように促した。

「ディーラーの言う通りね！！　とにかく下手な真似はせず、組織のことについても仲間内しか話さないようにしましょう！！　それが一番安全だわ！！」

「「ああ」」
　エマやエマの仲間たちは組織のことについて、仲間内しか話さず、下手な真似はしないと誓った。

「それよりもエマ！！　本当に3人でダンジョンに挑戦するつもり！！」

　魔法使いが話した。

「ええ、カルロスとディーラーが強いことはあなたたちも話を聞いて、知っているでしょう。だから、大丈夫！！　ダンジョンをクリアして見せるわ！！」

「そう、そこまで自信があるのなら私たちがいうことは何もないわ。気を付けて挑戦してね！！」

「ええ、心配してくれてありがとう！！」
　
「エマをよろしく頼むぜ」

　斧使いがエマのことを頼んだと言ってきた。

「「よろしく頼むぜ」」

「「ああ、エマさんのことは俺達に任せてくれ」」
　俺とディーラーは同時に返事した。

「まあ、私はそこまで守ってもらわなくても大丈夫だけどね。」

　エマは自分の実力に自信があり発言した。

「「ハハハハハハハハ」」

　エマ以外の者は皆その言葉を聞いて笑った。

　こんな感じで話し合いをしていたが、やがて俺達は街に向けて出発するため隊列を組んだ。

　先頭は、視野が広い弓使いになった。続いて、槍使いと斧使い、中間に、盾使いと魔法使い二人そして後方に俺とディーラー、エマ、剣士が続いた。

　荷車を引いていたのは、槍使いと斧使い出会った。

　この隊列のまま、俺達は街に向けて出立したのであった。