学園追放者は影の支配者になる ~ ダンジョンを攻略しながら、悪者を成敗する物語

ジョーカー

文字の大きさ
上 下
51 / 58

52話 決着 ディーン VS ミジョン 

しおりを挟む
 火の玉はさらにこちらに向かって飛んできた。スコップでは防ぎきれず多くの火の玉が落ちてきていた。

 ディーラーは、火の玉をよけていたが、ずっとよけ続けることはできず腹部に直撃した。ディーラーはあまりの痛みにその場で崩れた。

「ぐうう・・・がはあ・・・・」
 痛みとやけどで苦悶の表情を浮かべた。

「フハハハハハ、解決する術がみあたらないだろう!! これで貴様は終わりだ!! だが、私が奥の手を使うほど追い詰められたのは久しぶりだ!! だから、光栄に思って死ねい!!」

 赤い鳥人はなおも火の玉を発射する勢いが落ちてはいなかった。このままではまずいそう思った時だった。

 床が抜けたところから、まぶしい光が見えた。すると、次の瞬間、ドーンと爆発音がなった。それと同時に、建物が粉々になって砕け散った。

 ディーラーとミジョンはとっさに守りの態勢に入った。だが、いきなりだったため、互いに少し守りに入るのが遅れているようだった。

 そして、建物が吹き飛ぶと、同時に土煙が舞った。

 少しして、土煙が消えた。すると、建物があった場所の中央に誰かが立っていた。

 その者は、ミジョンだった。

 ミジョンは何とか赤い鳥人で守り、爆発をしのいだのだった。しかし、爆発によるダメージは大きく見えていた。

「くそ・・・・・ダメージをだいぶ受けちまった・・・・だが、なぜ・・・爆発が起きたのだ・・・訳が・・・分からん」
 
 ミジョンはダメージを受けて苦悶の表情を浮かべながら、なぜ爆発が起きたのか考えていた。

 しかし、理由が分からないため考えるのをやめた。また、辺りを見渡したが誰もいないことを確認し、ディーラーが死んだと思った。

(そう。私はディーラーとの戦いに勝利したのだ。)

「フハハハハハ、やったぞ~~私の勝ちだ!!」
 ミジョンは、両手をあげて喜んだ。

 その時だった。背後のがれきから人が現れ、ミジョンの口はナプキンでふさがれた。

(い・・・一体・・・何者だ・・・!?)

 すると、ミジョンの口をふさいだものが発言した。

「俺だよディーラーだよ。まんまと俺の作戦に引っかかったようだな!!」

(さ・・・作戦だと・・・)

「俺は、”墓場のものを盗む”を唱えて、倒れている組織の者を復活させた。しかし、復活させたのはお前を刺した者だけじゃない。実はもう一人復活させておいたんだ。」

「それは、お前が倒した組織の者だ。当然お前を恨んでいるため、俺の作戦通り動いてくれた。」

「俺は屋上に着く前に建物の内部に爆弾を仕掛けていたんだ。そして、作戦通りに動いたものが俺の合図で爆弾を作動させたんだよ。」

(そ・・・そういうことだったのか・・・だが、どうしてがれきの下に隠れていたんだ)

「俺もお前と同じように”墓場のデューン”に守らせて生き延びた。そして土煙が立っている間に、お前の背後にあるがれきの中に隠れたんだ。隠れた理由は、お前の口をふさぐためだ」

(そうだったのか・・・だが、口元をふさいだくらいで勝った気に・・・)

「あっ、そうそうあと、お前の口元をふさいでいるナプキンだけど、催眠薬入りだ。つまり、お前はもうじき眠りに入るんだ。」

(なっなんだと・・・そういえば・・・だんだん・・・眠・・・け・・・が・・・)
 
 そのすぐあと、ミジョンは眠りについた。

「眠ったか!! 俺の勝利のようだな!!」

 こうして、ディーラーは勝利の宣言をした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

追放シーフの成り上がり

白銀六花
ファンタジー
王都のギルドでSS級まで上り詰めた冒険者パーティー【オリオン】の一員として日々活躍するディーノ。 前衛のシーフとしてモンスターを翻弄し、回避しながらダメージを蓄積させていき、最後はパーティー全員でトドメを刺す。 これがディーノの所属するオリオンの戦い方だ。 ところが、SS級モンスター相手に命がけで戦うディーノに対し、ほぼ無傷で戦闘を終えるパーティーメンバー。 ディーノのスキル【ギフト】によってパーティーメンバーのステータスを上昇させ、パーティー内でも誰よりも戦闘に貢献していたはずなのに…… 「お前、俺達の実力についてこれなくなってるんじゃねぇの?」とパーティーを追放される。 ディーノを追放し、新たな仲間とパーティーを再結成した元仲間達。 新生パーティー【ブレイブ】でクエストに出るも、以前とは違い命がけの戦闘を繰り広げ、クエストには失敗を繰り返す。 理由もわからず怒りに震え、新入りを役立たずと怒鳴りちらす元仲間達。 そしてソロの冒険者として活動し始めるとディーノは、自分のスキルを見直す事となり、S級冒険者として活躍していく事となる。 ディーノもまさか、パーティーに所属していた事で弱くなっていたなどと気付く事もなかったのだ。 それと同じく、自分がパーティーに所属していた事で仲間を弱いままにしてしまった事にも気付いてしまう。 自由気ままなソロ冒険者生活を楽しむディーノ。 そこに元仲間が会いに来て「戻って来い」? 戻る気などさらさら無いディーノはあっさりと断り、一人自由な生活を……と、思えば何故かブレイブの新人が頼って来た。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

削除予定です

伊藤ほほほ
ファンタジー
削除します

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜

むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。 幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。 そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。 故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。 自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。 だが、エアルは知らない。 ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。 遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。 これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。

世界中にダンジョンが出来た。何故か俺の部屋にも出来た。

阿吽
ファンタジー
 クリスマスの夜……それは突然出現した。世界中あらゆる観光地に『扉』が現れる。それは荘厳で魅惑的で威圧的で……様々な恩恵を齎したそれは、かのファンタジー要素に欠かせない【ダンジョン】であった! ※カクヨムにて先行投稿中

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

処理中です...