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7話 宝物庫の霊獣 ①

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 ボブゴブリンを倒して、歩みを進め、だいぶん時間が経った。すると、奥の方に何かが見えた。

 奥まで進むと、そこには、大きな扉があった。

(恐らくこの大きな扉は、宝物庫の扉だな。ようやくたどり着いた‥‥‥)

 俺は安堵しながら宝物庫の扉を開けた。

 宝物庫に入った。すると、突然明かりがついた。

(なぜ明かりがついた‥‥‥もしかして、何らかの魔法が作動したのか‥‥‥)

 何の魔法で明かりがついたのか、不思議に思いながらも、周りを確認した。
 しかし、何の仕掛けもみあたらなかった。

 だが、明かりの仕掛けを気にするよりも俺は興味を惹かれることがあった。

 それは、一面に広がる宝物であった。たくさんの財宝の影響で辺り一帯が黄金色に輝いていた。

 俺は目が金のマークになっていた。

「おお~~~~!! こんなに、財宝がある。これだけあれば、俺は大金持ちだ。いやっほ~~~!!」

 俺はあまりの財宝の多さに、顔をにやけながら財宝をかきだした。最高の瞬間だった。

 だが、俺にはもう一つ気になることがあった。

 それは財宝の先にある、細長い四角の柱だった。柱は白く、一人分くらいの高さがあった。

 また、四角の柱の先頭には、円形のボタンみたいなものがあった。

 俺は気になり、その柱に近づいた。
 そして、柱の先頭に取り付けてあるボタンを震えながら押した。

 押した瞬間、俺は身構えた。
 しかし、何も起きなかった。

(あれ~、なにもおきないぞ‥‥‥)
 そう思った矢先、柱から光が出て、部屋全体に広がった。

「な‥‥‥なんだ、いったい‥‥‥」
 俺はびっくりして、あたふたした。

 俺はまぶしい光で、目を細めていた。やがてまぶしい光が消えたため、目を開けた。

 すると、目の前になにやら得体のしれない青や緑色をした大きな獣が見えた。

 その獣は4足歩行で、顔はドラゴンのような顔をしており、背広には白色のとかさがはえていた。

 俺は、‥‥‥おびえた。突然目の前に獣が現れたので、震える手で剣を構えた。
(もしかしたら、‥‥‥この獣は敵かもしれい‥‥‥)

 すると、目の前の獣が話しかけてきた。

「身構える気持ちは分かるが、私は敵ではない。むしろお前に、素晴らしい力を授けるものだ!!」

「お‥‥‥お前が敵ではない証拠でもあるのか?」
「証拠はないな‥‥‥だが、私が敵ではないことを証明するために今からお前に施しを与えてやろう!!」

「ほ‥‥‥施しとは‥‥‥何だ」
「今、見せてやるから少々待て」

 そのあと、獣は呪文を唱えた。
(な、‥‥‥なにかしでかす気か)

 少しして、呪文が唱え終わった。すると、不思議なことが起きた。先ほどの戦いの傷や疲れが癒されていたのだ。

 これは一体‥‥‥

「回復魔法だ。お前に回復魔法をかけてやった。現に、お前がおった傷や疲れはなくなっているであろう」

 確かに、傷や疲れがない。では敵ではないのか。素晴らしい力を授けるというのは本当かもしれない‥‥‥

 俺は目の前にいる獣、いや霊獣様に対する認識を改めた。

「すみません、私はあなた様のことを敵だと思ってしまいました。お許しください。」

 俺はすぐ頭を下げた。

「はははっ。別に構わん。突然私のようなものが現れれば誰だって驚くさ。」

「ご配慮くださり感謝します。ところで、素晴らしい力とは一体どのようなもので‥‥‥」

 俺は手をさすりながら、聞いた。

「ふむ。現金なやつだ。まあいい。素晴らしい力とは私の一部の力のことだ。お前に私の一部の力を授けてやろう」

 俺はその話を聞き、驚きと嬉しさが両方込み上げてきた。

「ま‥‥‥真にあなた様の一部の力を授けてくださるのですか?」
「うむ。そうじゃ。」

「よっしゃ~~!!」

 俺はその一言を聞き、嬉しさでガッツポーズをしながら発言した。

「急に喜びを爆発させおって。力を授けてから喜べ。」

「はい、分かりました。」
 俺は敬礼した。

「うむ。では今からお前に力を授ける。」
 すると、霊獣は呪文を唱え出した。

 そして、次の瞬間、霊獣から雷色のオーラみたいなものが放たれると、それは、俺に流れ出した。

 すると、俺の周りも、雷色のオーラが出ていた。

 何だ‥‥‥このオーラが出てからは、力がみなぎってしょうがない。しかも、今まで感じたことのない力が内側からみなぎっていた。

(この内側からくる力は一体‥‥‥)

「それは、霊力だ。巨大な霊力がお前の体の中に流れるようになったのだ。」

(霊力‥‥‥霊力とは一体‥‥‥?)

「霊力は魔力と同じようなものだ。一部の霊力を使うことで呪文が使える。しかし、魔力の呪文とはまた違う力を発揮できるがな!」

「つまり、魔力と同じような原理で魔力とは違った技を使えるということですか?」
「まあ、そんなものじゃ。」

(なんて素晴らしい力を授けてくれたんだ。俺は魔法を使えず辛い思いをしてきた。その俺が魔力同然の技を使えるようになるなんて。嬉し過ぎて言葉が出てこない。)

 俺は、喜びのあまり、両手でガッツポーズした。
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