上 下
6 / 58

6話 VSボブゴブリン  ダンジョンボス

しおりを挟む
 階段を降り、5階についた。

 辺りを見回した。すると、天井から鍾乳石が垂れていた。その鍾乳石は、一人分ぐらいの高さがあった。

 そのまま歩みを進めると、中央付近に何かがいた。

 ランプをかざすとそれは巨大な牙が生えていて、体毛が分厚く大きな図体をしていた。

 それは、ボブゴブリンだった。3人分ほどの高さがある。また、その周りには、多くの冒険者が倒れていた。恐らく死体だろう‥‥‥

 俺はすぐさま、ランプをバッグに取り付け、剣を取り出し、臨戦態勢に入った。
 
 ボブゴブリンの方は、持っていたこん棒を斜め横に振りかざした。ボブゴブリンと俺の間には距離があったが、こん棒が俺の頭上に来ていた。

 俺は、驚愕しながら、横に飛んだ。何とか、よけることができた。しかし、ボブゴブリンはなおもこん棒を斜め横に振ってこようとしていた。俺は、すぐさま立ち上がり、ゴブリンに向かっていった。

(恐らく、リーチは長いが‥‥‥その分、懐に入れば、こん棒の攻撃は当たらない)

 俺は、心の中で予測して、懐に入ろうと突っ込んでいた。

 ボブゴブリンは、俺の考えなど気にしていなく、こん棒を斜め横にふるってきた。俺は、全力で懐に走っていった。

 そして、ふるってきたこん棒が俺の頭上に来た。俺は、焦った表情をしながらも、寸前で懐に入ることができた。こん棒は何もない地面を叩いただけだった。しかし、ものすごい地響きが聞こえた。

 懐に入った俺は、剣を一撃くらわした。しかし、かすり傷程のダメージしか入らなかった。

(嘘だろ‥‥‥かすり傷程しかくらってねえ‥‥‥こいつは強い、どうすればいいんだ‥‥‥)
 
 絶望しながら考え込んでいると、ボブゴブリンが、片足をあげた。俺ははっとして、すぐさま真横に飛んだ。その直後、片足が降りてきた。

 片足が思いっきり、地面を踏んだので、砂ぼこりが飛んだ。ボブゴブリンは、砂ぼこりで前が見えなくなっていた。
 
「げほっ‥‥‥ごほっ‥‥‥」

 俺は何とかよけれて無事だった。しかし、危なかった。俺は油断してしまい、反省した。そして、すぐさまボブゴブリンを倒す方法を考えた。

(どうやったらボブゴブリンを倒せる‥‥‥あいつには、かすり傷程度しかダメージは、はいらなかった。恐らくこの剣では、胴体にダメージは少ししか入らないだろう。しかし、首ならどうだろうか‥‥‥ダメージを入れることができるのではないだろうか‥‥‥)

(でも、首を狙うには、ボブゴブリンの首に近づくか、ボブゴブリンの全身を地面にたたきつけるぐらいしか、方法はないだろう‥‥‥)

 俺はそう考えた後、天井の鍾乳石とランプを見た。その直後、俺は一計をひらめいた。

「この方法なら、ボブゴブリンを倒せるかもしれない‥‥‥」
 勝利への道筋が見えた。

 その後、ボブゴブリンの様子をうかがった。ボブゴブリンは、砂ぼこりで辺りを見失っているようだった。襲撃するなら今がチャンスだ。

 俺はそう考えると、すぐさま行動に移した。

 ボブゴブリンは辺りを見回していた。
 すると、頭上付近に何かが飛んできた。オークは身の危険を感じ、こん棒を下から天井に向けてふるった。

 すると、天井から垂れていた鍾乳石にこん棒が当たり、次々と落下した。また、ボブゴブリンが俺と思った正体は、ランプだった。

 それらの出来事から、ボブゴブリンは驚愕して叫んでいた。

「ぐががががが~~~~~~!!」

 その直後、鍾乳石がたくさんボブゴブリンに落ちた。
 鍾乳石が次々と落ちたため、砂ぼこりが激しかった。

 しばらくして、砂ぼこりが消えた。すると、倒れているボブゴブリンと、多くの砕けた鍾乳石のかけらが、ボブゴブリンの上や周りに散らばっていた。

 俺は、倒れているボブゴブリンに向かっていった。
 ボブゴブリンを剣でつついた。すると、ピクリと反応があった。

 そのため、俺はボブゴブリンの首元に向かった。剣を首に向けた。そして、剣をそのまま突き刺した。首はやわらかかったので、剣は根本まで刺さった。刺さった所から大量の血が流れた。

 その後、ボブゴブリンの反応はなくなった。
 俺は、ボブゴブリンを倒すことに成功した。

「はあ‥‥‥はあ‥‥‥何とか倒したぞ‥‥‥」
 俺は喜びよりも疲れがきていた。

 その後、剣を引き抜いた。ボブゴブリンの牙だけはぎ取り、バッグの中に入れた。

 そして、バックからランプを取り出して、歩みを進めた。

 ボブゴブリン以外には、敵はいなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜

むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。 幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。 そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。 故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。 自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。 だが、エアルは知らない。 ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。 遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。 これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません

青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。 だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。 女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。 途方に暮れる主人公たち。 だが、たった一つの救いがあった。 三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。 右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。 圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。 双方の利害が一致した。 ※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

処理中です...