闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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「コイツじゃないだろ?!まぁいい。その用は月ヶ瀬くんが戻ってから聞こう」
 僕?と祐羽が戸惑いを見せると、すかさず兄に注意された弟は仕方ないと口を閉じた。
「どちらにしろ、会長は忙しい。連絡なら会わなくとも出来ただろう」
 眞山がそう訊ねれば、直ぐにペラペラと喋り出した。
「いや~でも、今日の会長の予定からして、今の時間は移動中で距離的にも学校へちょこ~っとなら寄れるかなぁ?と」
 どうやら九条の予定を把握しており、計算の上らしい。
「会長の恋人は高校生ですからね。学校での青春の一ページに恋人との思い出作ってあげたくなっちゃったんですよ。俺ってロマンチストな所あるって知ってるでしょ?眞山サァーン」
「知らん」
「ひっどッ!」
「もぉぉっ、いい加減黙れ!眞山さんに迷惑掛けるな、この愚弟!!」
 眞山に真顔で返されショックを受ける大空を恥ずかしさと怒りの混じった顔で大海が再び叩く。
 それから大海が「こんな弟イヤです眞山さん!」と眞山の腕に泣きながらすがり付き「兄ちゃんゴメンってば!」と、大空がそれを引き離しに掛かっている。
 そんな様子呆気に取られ見ていた祐羽の頭上から溜め息がひとつ落ちてきた。
 顔を上げれば九条の顔に『うるさい』と書かれていた。
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