闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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「えっ!?す、すみません!じっと見ちゃって!!」
  慌てて仰け反った祐羽に湊が 「そんな見つめられると寿命が縮まるから、マジで」とボソッと小声で返した。

  ちょっと九条さんっぽい感じの目だったんだもん。

  湊がカッコいいのは認めるが、見惚れたというよりは九条っぽいという理由に祐羽は気づいた。
  街中で似た体格のスーツ姿の男性を見かけるとつい反応してしまうアレと同じだ。

  反省、反省。
  僕は九条さん一筋、激推しですから!
  安心してくださいね、九条さん!!

  なんてひとり百面相を披露する前で湊が(コイツ…噂通りだ)と呆れているなど思いもしないで、祐羽は居住まいを正した。
「あっ!また僕ってば、ぼんやりしてすみません」
「まぁいいよ。じゃっ早いとこ、ふたりの名前教えてくれる?」
  そう言われて祐羽は「はいっ!」と元気に返事をすると「月ヶ瀬祐羽―と、九条一臣さんです!」と目の前の水晶に伝えた。
「いや、俺に教えてくれよ。水晶に話し掛けてどうすんだバカ」
「えっ、あっ、すみません!」
  何度目かの『すみません』を繰り返した祐羽に呆れた顔で「まぁいいけど」と返した湊はコホンと咳払いをひとつして、水晶に両手を翳した。
  キラキラ輝くその水晶に祐羽の視線が注がれる。
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