952 / 1,009
13
しおりを挟む
「一時間交代です。なので、十一時になったら一緒に回れます」
教室の時計の針は二十分を指している。
「ってことは、これ食べて隣の部屋で展示でも見て待ってようかな」
「うん、そうだね」
中瀬の言葉に外崎が同意する。
「じゃぁ、そういうことで。お前が終わったら連絡入れてくれよ。部屋の外で待つからさ」
「はい、分かりました。じゃぁ後で連絡しますね」
「頑張れよ」
「頑張ってね」
この後の予定が決まり頷いた祐羽は、ふたりに軽く手を振り踵を返し裏へと戻って行ったが、暗幕の前でピタリと止まる。
(そうだった。僕の入れたジュース)
そして振り返って見ると、中瀬と外崎がジュースを飲んで笑いあっている様子を見て(良かった!)とルンルンで暗幕を潜る。
「どうでした?」
「ふふふ。祐羽くん僕達の方を見てニコニコ嬉しそうだったよ」
「そうですか」
「来て良かったね」
そんな祐羽を見て、自然とふたりも笑顔が溢れるのだった。
一方その頃――。
「だぁ~っ!やっとれんわクソがっ!!」
事務所で書類の束をバンッと机に叩きつけた紫藤はそう叫ぶと、部屋にある応接用のソファに大きな体を勢いよく投げ出した。
大きく立派なソファも、そんな紫藤のせいで悲鳴を上げる。
その反対側でパソコンを操作していた九条は、騒がしい従兄弟を凶悪な顔で睨み付けた。
教室の時計の針は二十分を指している。
「ってことは、これ食べて隣の部屋で展示でも見て待ってようかな」
「うん、そうだね」
中瀬の言葉に外崎が同意する。
「じゃぁ、そういうことで。お前が終わったら連絡入れてくれよ。部屋の外で待つからさ」
「はい、分かりました。じゃぁ後で連絡しますね」
「頑張れよ」
「頑張ってね」
この後の予定が決まり頷いた祐羽は、ふたりに軽く手を振り踵を返し裏へと戻って行ったが、暗幕の前でピタリと止まる。
(そうだった。僕の入れたジュース)
そして振り返って見ると、中瀬と外崎がジュースを飲んで笑いあっている様子を見て(良かった!)とルンルンで暗幕を潜る。
「どうでした?」
「ふふふ。祐羽くん僕達の方を見てニコニコ嬉しそうだったよ」
「そうですか」
「来て良かったね」
そんな祐羽を見て、自然とふたりも笑顔が溢れるのだった。
一方その頃――。
「だぁ~っ!やっとれんわクソがっ!!」
事務所で書類の束をバンッと机に叩きつけた紫藤はそう叫ぶと、部屋にある応接用のソファに大きな体を勢いよく投げ出した。
大きく立派なソファも、そんな紫藤のせいで悲鳴を上げる。
その反対側でパソコンを操作していた九条は、騒がしい従兄弟を凶悪な顔で睨み付けた。
16
お気に入りに追加
3,693
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。



久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる