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会社経営は順風満帆、裏でも地位を確立しており、正直その女社長の会社との取引が成立しなくとも何の問題も無い。
なにより今は目に入れても痛くない程に可愛い恋人がいるのだから、九条が女に靡く事は皆無だった。
脳裏に祐羽を思い浮かべながら帰宅した九条は、眞山の開けた玄関のドアをいつもの様に潜った。
しかし、帰宅時には必ずといっていいほど走って飛びついてくるはずの祐羽は居らず、どうしたのかと顔をリビングへ続くドアに向けて納得した。
そこには『第一回、九条家文化祭』の文字が書かれた紙が貼られていたからだ。
祐羽がやったと分かるその仕業に九条はフッと軽く笑ったが、その後ろでは眞山が密かに頭痛を覚えていた。
「お疲れ様です。あの…」
「ご苦労だったな。あとは大丈夫だ」
「では失礼します」
中瀬と眞山が挨拶を済ませ帰ったのを確認した九条は、自身の文化祭を少し懐かしく思い出しつつ広く長い廊下を進んだ。
そしてリビングのドアを潜ると、待ってましたとばかりに可愛い声が掛けられた。
「おか、いらっしゃいませ!」
見ればエプロンを身につけたワクワク顔の祐羽が立っていた。
「今度は何だ?」
「九条さんが文化祭来られないので、今日は気分だけでも味わって貰いたくて準備しました。あっ、まずは手洗いうがいして下さい!風邪ひいたら大変です」
滅多な事で風邪も引かない九条だが、衛生面は気をつけている。
また恋人が体調面で弱いとなれば予防するに越したことはないので、言われた通りに自室で着替え手洗いうがいも済ませて足早に戻った。
なにより今は目に入れても痛くない程に可愛い恋人がいるのだから、九条が女に靡く事は皆無だった。
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そこには『第一回、九条家文化祭』の文字が書かれた紙が貼られていたからだ。
祐羽がやったと分かるその仕業に九条はフッと軽く笑ったが、その後ろでは眞山が密かに頭痛を覚えていた。
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そしてリビングのドアを潜ると、待ってましたとばかりに可愛い声が掛けられた。
「おか、いらっしゃいませ!」
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「今度は何だ?」
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