闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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 街灯や他の家の明かり以外は、どこも真っ暗だ。
「…おばけ出そう」
  それに時計の針を確認すれば既に十一時。 
  洋菓子店は当然閉まっている。
  明日の朝といっても学校があるので、ここは諦めて他の何かを考えるしかない。
  おまけに丁度程よい睡魔が訪れて、祐羽は「まぁいいか。明日考えよっと」と布団に横になると見事スヤッと眠りについたのだった。

◇◇◇◇◇
  翌朝、元気に目覚めた祐羽は先輩達へのお礼に悩みつつも、やっぱり何も思い浮かばず学校へ登校した。
  もうこれは感謝のお別れ会が終わってから改めて個別に何かすることにしようと決めた。
「あ~それにしても少し寒くなってきたな」
「うん。もう秋だね」
  賀川の言葉に祐羽はコクリと頷いてブルッと小さく震えた。
「おっ、寒いのか?あっためてやろう!」
「わあっ!あははっ、あったかーい」
  その様子を見た小野がいたずら顔で後ろから覆い被さる形で抱きついてきて、祐羽は驚きつつも喜んだ。
「おいっ、小野を調子に乗らせるなよ!離れろ!!」
「離れねぇーよ!」
  そうして小野と賀川が元気にやり取りしているうちに、祐羽は体育館に着いた。
  今日は全校集会が一時間目に行われることになっていて、クラスで並んで体育館へ集まることになったのだ。
  出席番号順なので、小野と賀川とは離れて真ん中辺りに。
  背が低い祐羽は毎回目の前にクラスメイトのお陰で、前がよく見えなかったりする。
  なので、不自然に横にチョコッと出ては隣の女子に邪魔者扱いされているのだ。
  とはいえ、特に何か言わない女子なので祐羽はそれに気づいてはいない。
  校長の簡単な挨拶の後、新しい教師の紹介がされた。
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