闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

文字の大きさ
上 下
764 / 1,009

5

しおりを挟む
  九条、紫藤が出掛けて行くのを三人が慌てて見送りに出る。
  しかし、たくさんの組員の背中が邪魔をして見送れないまま、眞山を含めた三人は組員を伴ってドアの向こうへとそのまま消えていった。
  なんとも心細い思いを抱いている三人に、残った組員達が室内へ戻るようにと促す。
「さぁ、お三人共どうか戻ってください」
「戻られるのは夜になりますんで、それまで三人さんでゆっくり休んでください」
  大きな男達にさぁさぁと言われてしまえば、戻るしかない。
  実際にここに立っていても仕方ないのは事実だ。
  ソファに座り直した三人を十人ほどのそれぞれの組員が取り囲む。
「もうっ、落ち着かないから出てくれてていいよ?」
  あまりの圧迫感に外崎が言うと、そんなことは出来ないと首を振られる。
「外崎さんのお気持ちは分かりますが、命令ですんで」と言われてしまう。
  拉致監禁に酷い扱いを受けた三人を心配してくれた結果らしい。
  気持ちは嬉しいが、さすがに大袈裟だと思う。
「そういえば、柳さんや白田さん達が今日は居ないですね」
「あれっ、水谷達は?」
  どうやら外崎の方もあの日に居たメンバーが見当たらないらしい。
  疑問に訊ねてみると、組員達は「休んでます」とだけ言った。
「そう。私達と同じくらい大変だったもんね。怪我とか大丈夫だったかな?」
  心配そうに眉根を寄せて近くの組員を見上げると、一瞬の間を置いて頷く。
「はい。全然大丈夫ですよ。今日は向こうグループは別件で出てるので」
  その言葉に外崎はじめ、中瀬と祐羽もホッと胸を撫で下ろした。
「しっかり休んでほしいな」
  外崎が優しい顔でしんみり呟くと、中瀬も頷く。
「戦ってくれたもんな…」
「 そうですよね。柳さん達も疲れてますよね。しっかり休んで、体調整えてほしいです」
  中瀬の言葉に祐羽が頷く姿を組員達は本当のことは言わず、黙って見守っていた。
しおりを挟む
感想 160

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

ヤクザに囚われて

BL
友達の借金のカタに売られてなんやかんやされちゃうお話です

処理中です...