闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

文字の大きさ
上 下
716 / 1,009

2

しおりを挟む
   「ちょっ!?お前ゴラァァッ!!これ貴重な原木の一枚板で高けぇのにぃ、傷がついとるじゃねぇか、ふざけんな!!」
  紫藤が文句を言うと九条がフンッと笑った。
「箔がついただろ」
「おまっ…チッ」
    九条に鼻で笑われ紫藤は舌打ちした。
   溜め息をつき腕を組んで、それから九条の顔を見た。
「まぁええわ。時間が惜しい。」
「ああ」
  鬱々としていた気持ちを吹っ切って、九条と紫藤はお互いに顔を見合わせると、三分程話し合う。
  それから部下の方へと顔を向けた。
「今からお前らを分ける」
  そう言うと紫藤は自分の組を幾つかに分けていく。
  それから九条の部下も眞山によって分けられた。
「お前らは地元組事務所と滞在先の動向監視。お前らは市内から抜ける道を張れ」
  紫藤組の反対では眞山が少数精鋭の旭狼会に指示を出す。
「よし。今から組分けするぞ」 
  ほぼここでは顔を知られていない旭狼会組員は実働部隊として、これから二次会会場へ向かい各組長と側近を徹底的にマークする。
  同時に地元に残した組員に指示を出し、関東地方の組の動向も探る事にする。
  今回の件は明らかに九条と紫藤に対しての宣戦布告であるならば、シマを争う相手イコール同じ圏内に居る相手だろうと睨む。
  相手もバカではないだろう。
  そんな簡単に分かる様な動きは期待出来ないが、それでも可能性があるならば徹底的にして損は無い。
  各組員が細かい打ち合わせと実行する為に部屋を出ると、それと同時に九条のスマホが震えた。
「俺だ」
  相手は加納という男で、九条の知人である。
  加納は警視庁に勤める男で、もちろん肩書きも申し分無い。
  ヤクザと警察が繋がっているのは極秘も極秘。
  しかし九条の交遊関係は政財界にも及んでいる為、今更のことである。
  暫く黙って聞いていたが、男から県警へ指示を出させたものの期待した答えは無かった。
しおりを挟む
感想 160

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

ヤクザに囚われて

BL
友達の借金のカタに売られてなんやかんやされちゃうお話です

処理中です...