闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

文字の大きさ
上 下
674 / 1,009

17

しおりを挟む
  既読がついて、わあっ!と喜んでスマホ画面を見つめること3分、5分…。

「おっ、起きて来たか」
  ベッドルームから出てきた祐羽を迎えた中瀬は、祐羽の様子に怪訝な顔をした。
「おい。何だよ、その顔」
  漸く顔を見せたと思えば、それはなんとも言えない情けない顔だった。
  九条が忙しいのは知っているし、返信さえ難しい時があるのも知っている。
  けれど祐羽の中でもしかしたら最後に何かしら来るのではないかと期待してしまった。
  その結果がこうだ。
「分かってるんです。分かっているんですけど、やっぱり何かもう少しお返事あるかなって…」
  自分は呑気に観光でやって来た学生だからいいが、九条はそうではないのだから我が儘は言えない。
  その分、やっぱり少しはオマケが欲しいのだ。
「あぁ~まぁその気持ちも分かる」
  祐羽の様子に中瀬も同意した。

  中瀬さんも?

  キョトンと顔を上げると中瀬と視線が合う。
「何だよ?俺だってそういう経験してるぞ。でも、お前より俺の方がよっぽど連絡来なくて可哀想なんだからな」
「中瀬さん、恋人居たんですか?あっ、すみませんっ!中瀬さんカッコイイけど、そういう話は聞いたこと無かったから…」
  慌てて訂正する祐羽に中瀬は口を尖らせた。
「…いねぇよ」
「えっ?!」
  驚いた祐羽の視線から逃れた中瀬は大きく溜め息を溢した。
「俺、そういうの要らない人間だから…」
  誰でも恋人が欲しいと思うわけではないし、言えない事情も有るだろうことに気がついた祐羽は慌てて頭を下げた。
「すみませんっ!僕、そういうことに頭が回らなくて…」
「えっ?いや、まぁ…でも気になる人は居るっていうか…って、何喋らせてんだよ!?ほらっもういいから仕度出来たら出るぞ!!」
  顔を赤く染めながら一気に捲し立てた中瀬に「さっさと準備開始~!!」と言いながら追い立てられて、祐羽は慌てて準備に向かった。
しおりを挟む
感想 160

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

ヤクザに囚われて

BL
友達の借金のカタに売られてなんやかんやされちゃうお話です

処理中です...