657 / 1,008
23
しおりを挟む
「はい。僕たちでも驚くんですから、昔の人が初めて見た時はもっと驚いたでしょうね…」
高い高層ビルなどを見慣れている自分でも驚くのだから、当時の人間は相当驚いたに違いない。
第一、今の様な建設機器など在りはしなかったのだから先人には頭が上がらない。
どうやって建てたんだろう?
当時の建立の様子など祐羽には想像も出来ない。
九条と並び暫く見上げていた。
「よろしければ、おふたりの写真をお撮りしましょう」
すると眞山がそう声を掛けてきた。
「あ、お願いします!九条さん、並びましょう」
「…」
(またか)という顔の九条には気づかず祐羽は笑顔を浮かべた。
観光客も九条や目立つ男集団に注目しているのか、直ぐに写らない様に祐羽たちを避けてくれる。
お陰でスムーズに撮影することができた。
「撮れましたよ。どうですか?」
「ありがとうございます」
ムスッとしてもカッコいい九条の隣で祐羽が控え目に笑っている後ろに大鳥居が上手くフレームに入っていて、眞山の撮影手腕に脱帽する。
いわゆる映える感じだ。
写真を確認して礼を述べてから祐羽は閃いた。
「あっ。眞山さん達も写真どうですか?せっかく来たんですし、あっ、僕お撮りします!!」
その言葉に中瀬がソワソワしはじめる。
「いえ、大丈夫です」
しかし眞山が断りを入れると、あからさまに表情が曇った。
「…でも、」
「社長のお付きとして今回は来ましたので。仕事ですからお気になさらず」
「あ、う…」
「撮って貰え」
祐羽がそれでは申し訳ないとショボンと項垂れると九条が眞山に指示をする。
ボスに言われては眞山は断ることは出来ない。
「それでは、お願いできますか?」
「はい!あっ、皆さんも一緒に…!」
「「「!!?」」」
祐羽が後ろを離れて歩いていた他の組員へも声を掛け全員がギョッとする。
「…」
そんな祐羽と組員の様子に、九条は珍しく笑いを噛み殺した。
高い高層ビルなどを見慣れている自分でも驚くのだから、当時の人間は相当驚いたに違いない。
第一、今の様な建設機器など在りはしなかったのだから先人には頭が上がらない。
どうやって建てたんだろう?
当時の建立の様子など祐羽には想像も出来ない。
九条と並び暫く見上げていた。
「よろしければ、おふたりの写真をお撮りしましょう」
すると眞山がそう声を掛けてきた。
「あ、お願いします!九条さん、並びましょう」
「…」
(またか)という顔の九条には気づかず祐羽は笑顔を浮かべた。
観光客も九条や目立つ男集団に注目しているのか、直ぐに写らない様に祐羽たちを避けてくれる。
お陰でスムーズに撮影することができた。
「撮れましたよ。どうですか?」
「ありがとうございます」
ムスッとしてもカッコいい九条の隣で祐羽が控え目に笑っている後ろに大鳥居が上手くフレームに入っていて、眞山の撮影手腕に脱帽する。
いわゆる映える感じだ。
写真を確認して礼を述べてから祐羽は閃いた。
「あっ。眞山さん達も写真どうですか?せっかく来たんですし、あっ、僕お撮りします!!」
その言葉に中瀬がソワソワしはじめる。
「いえ、大丈夫です」
しかし眞山が断りを入れると、あからさまに表情が曇った。
「…でも、」
「社長のお付きとして今回は来ましたので。仕事ですからお気になさらず」
「あ、う…」
「撮って貰え」
祐羽がそれでは申し訳ないとショボンと項垂れると九条が眞山に指示をする。
ボスに言われては眞山は断ることは出来ない。
「それでは、お願いできますか?」
「はい!あっ、皆さんも一緒に…!」
「「「!!?」」」
祐羽が後ろを離れて歩いていた他の組員へも声を掛け全員がギョッとする。
「…」
そんな祐羽と組員の様子に、九条は珍しく笑いを噛み殺した。
10
お気に入りに追加
3,682
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる