545 / 1,008
8
しおりを挟む
行くぞ!と意気込んだ中瀬。
それはいいのだが…。
・・・・・
翌朝。
いざ九条の家へ上がる時には、恐ろしい程に緊張していた。
唾をゴクリと、何度飲んだろうか。
生きて帰れる気がしない程に、緊張の極限に立っていた。
絶対に粗相だけは回避しなければ…!
けれど緊張していた中瀬は、眞山に続いて入ったリビングで祐羽を見つけて内心ポカンとしてしまった。
呑気にパンを頬張っていたのだから。
え?
いや、まぁ…恋人同士なら変じゃないけど。
あの展開からどうしてこうなった?状態。
無理矢理な感じで連れ帰られたはずだ。
それなのに、呑気にパンを食べている。
食べ物に釣られた子どもの様だ。
おまけに、祐羽の様子がなんだか九条とイコールにならない。
いつも怜悧な雰囲気の九条だが、祐羽という存在のお陰か、急に空間が柔らかくなっている気がする。
とはいえ、自分は気を抜くわけにはいかないが…。
そうこうしているうちに、祐羽がいよいよ帰宅となった。
その前に自分には仕事がある。
買ってきた服を祐羽に与えるという使命が!
「買ってきたから、服。着替えたら家まで送る」
中瀬がコソッと耳打ちすると、祐羽が戸惑った顔を見せる。
「えっ、で、でもっ。これ、新し…」
「社長からだから。お前は気にしなくてもいいんだ。とにかく早く着替えろ」
祐羽が戸惑うので、先程よりまた声を潜めつつ言う。
とにかく早く着替えて貰いたい。
九条は時間のロスは好んでない。
それに俺の気持ちも考えてほしい。
注目されすぎて緊張がピークに達しそうだ。
「ほら、急げ」
「えっ、あ、…っ!」
こそこそしながら急かすと、祐羽は漸く立ち上がった。
「隣の部屋で着替えろ。荷物もそこだ」
「はい。分かりました」
九条の言葉に返事をしたのは中瀬だ。
今の祐羽には、九条の言葉に返事をする余裕もないらしい。
昨夜、体を繋げた後遺症だろうか。
痛みを最小限に留めようとしているのか、チマチマと移動を開始した。
男同士って、大変そうだな…。
中瀬は祐羽の動きに対して、エロい想像よりも受け入れたのであろう痛さを想像してブルリと震えた。
それはいいのだが…。
・・・・・
翌朝。
いざ九条の家へ上がる時には、恐ろしい程に緊張していた。
唾をゴクリと、何度飲んだろうか。
生きて帰れる気がしない程に、緊張の極限に立っていた。
絶対に粗相だけは回避しなければ…!
けれど緊張していた中瀬は、眞山に続いて入ったリビングで祐羽を見つけて内心ポカンとしてしまった。
呑気にパンを頬張っていたのだから。
え?
いや、まぁ…恋人同士なら変じゃないけど。
あの展開からどうしてこうなった?状態。
無理矢理な感じで連れ帰られたはずだ。
それなのに、呑気にパンを食べている。
食べ物に釣られた子どもの様だ。
おまけに、祐羽の様子がなんだか九条とイコールにならない。
いつも怜悧な雰囲気の九条だが、祐羽という存在のお陰か、急に空間が柔らかくなっている気がする。
とはいえ、自分は気を抜くわけにはいかないが…。
そうこうしているうちに、祐羽がいよいよ帰宅となった。
その前に自分には仕事がある。
買ってきた服を祐羽に与えるという使命が!
「買ってきたから、服。着替えたら家まで送る」
中瀬がコソッと耳打ちすると、祐羽が戸惑った顔を見せる。
「えっ、で、でもっ。これ、新し…」
「社長からだから。お前は気にしなくてもいいんだ。とにかく早く着替えろ」
祐羽が戸惑うので、先程よりまた声を潜めつつ言う。
とにかく早く着替えて貰いたい。
九条は時間のロスは好んでない。
それに俺の気持ちも考えてほしい。
注目されすぎて緊張がピークに達しそうだ。
「ほら、急げ」
「えっ、あ、…っ!」
こそこそしながら急かすと、祐羽は漸く立ち上がった。
「隣の部屋で着替えろ。荷物もそこだ」
「はい。分かりました」
九条の言葉に返事をしたのは中瀬だ。
今の祐羽には、九条の言葉に返事をする余裕もないらしい。
昨夜、体を繋げた後遺症だろうか。
痛みを最小限に留めようとしているのか、チマチマと移動を開始した。
男同士って、大変そうだな…。
中瀬は祐羽の動きに対して、エロい想像よりも受け入れたのであろう痛さを想像してブルリと震えた。
10
お気に入りに追加
3,671
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
R-18♡BL短編集♡
ぽんちょ♂
BL
頭をカラにして読む短編BL集(R18)です。
pixivもやってるので見てくださいませ✨
♡喘ぎや特殊性癖などなどバンバン出てきます。苦手な方はお気をつけくださいね。感想待ってます😊
リクエストも待ってます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる