498 / 1,008
5
しおりを挟む・・・・・
とうとう運命の放課後だ。
「摩波呂は音痴って言われて、殴られたって言ってますよ?!先生が嘘を言ってるんじゃないんですか?!」
摩波呂が音痴なのは事実だ。
おまけに先に殴ったのは、摩波呂。
「摩波呂を悪者にしたいんですね?!」
どっちが悪者とか悪者にしたいとかじゃない。
第一に、子どもの事を悪者だなんて一度も思った事はない。
子ども同士の喧嘩には意味があるのだ。
「摩波呂はいつも言ってますよ!佐藤先生に怒られたって!!」
怒るというか注意です。
いつも彼の起こしたトラブルに対して、時間を割いて話し合いをしています。
その間の保育は止まりますけど…。
お迎えの時間を三十分も前に早々やって来た摩波呂の母親。
クラスの子ども達を急遽他の職員に預けての対応だ。
そんな相手の都合など一切無視した摩波呂の母親に槍のようにグサグサと言われてヘロヘロとなる。
止められなかったのは自分の責任なので、謝るしか方法は無い。
「そういえば、前にも摩波呂はその子に仲間はずれにされたって言ってましたよ?!」
母の怒りをよそに連れられて来た二歳の妹は、部屋の本を片っ端から引っ張り出してはそのままにしていた。
「ね~ね~ママぁ、ジュース欲しい!!」
喉が乾いたと言っては、母親が取り出した紙パックのジュースを飲む。
一時間に三本目…飲ませすぎだ。
しかも溢しているし、二本目に至っては半分残していた。
あぁっ、部屋の中を走らないで。
危ないから~ッ!
と思ってたら案の定転んでギャン泣き。
「蘭羅《らんら》大丈夫?!」と駆け寄る母。
所長と佐藤も駆け寄るが、キッと睨まれる。
「先生の掃除がきちんと出来てないから滑ったじゃないですかっ!!」
コンコンッ
そこへ部屋のドアがノックされる。
視線を向けると、静かに開かれた。
ヌッとそこへ現れたのは、長身の男だった。
0
お気に入りに追加
3,682
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる