496 / 1,009
3
しおりを挟む
ハンカチを受け取って涙を拭う。
すると、頭をよしよしと撫でられた。
「先生も大変だな」
「…。一臣くん」
「俺が何とかしてやる!」
そう言って一臣は、呼ばれて女の子の群れに近づいて行った。
佐藤のしんどさは変わらないが、一臣の優しさに触れて、頑張ろうと自身を励まして立ち上がった。
朝の会が始まると、摩波呂がふざけて歌を歌い始めた。
音程は酷いし、声も大きくて聞くに耐えない。
「摩波呂くん、大きな声がとってもいいよ。もう少し音を聴いて皆と合わせると、声が重なって綺麗だよ」
と、佐藤が声掛をしたところで無視だ。
摩波呂の取巻きの男の子も一緒になってふざけ始める始末。
女の子が嫌そうにしたり、知らん顔で隣の子とお喋りを始めてしまった。
あぁっ…またクラスが…。
佐藤が唇を噛み締めた時だった。
「うるせぇ、音痴」
教室に声が響いた。
メチャクチャ歌っている摩波呂よりも、大きな声が。
え?
佐藤は驚いて、ピアノを弾く手を止めた。
だだだだだだだ、誰?今の誰が言ったの?
クラス全体がシンッとなった。
その視線の先には、九条一臣がいた。
「なんだとーっ!!?」
摩波呂が顔を赤くして一臣を睨んだ。
怒りに拳を握り、一臣に近づいた。
顔が近い。
「音痴は歌うな。先生のピアノが聴こえねぇし、皆の耳が腐る」
摩波呂に聴こえる程度の声で、しれっと言ってのける。
「く、く、九条~ッ!!」
とうとう摩波呂が怒りを爆発させた。
すると、頭をよしよしと撫でられた。
「先生も大変だな」
「…。一臣くん」
「俺が何とかしてやる!」
そう言って一臣は、呼ばれて女の子の群れに近づいて行った。
佐藤のしんどさは変わらないが、一臣の優しさに触れて、頑張ろうと自身を励まして立ち上がった。
朝の会が始まると、摩波呂がふざけて歌を歌い始めた。
音程は酷いし、声も大きくて聞くに耐えない。
「摩波呂くん、大きな声がとってもいいよ。もう少し音を聴いて皆と合わせると、声が重なって綺麗だよ」
と、佐藤が声掛をしたところで無視だ。
摩波呂の取巻きの男の子も一緒になってふざけ始める始末。
女の子が嫌そうにしたり、知らん顔で隣の子とお喋りを始めてしまった。
あぁっ…またクラスが…。
佐藤が唇を噛み締めた時だった。
「うるせぇ、音痴」
教室に声が響いた。
メチャクチャ歌っている摩波呂よりも、大きな声が。
え?
佐藤は驚いて、ピアノを弾く手を止めた。
だだだだだだだ、誰?今の誰が言ったの?
クラス全体がシンッとなった。
その視線の先には、九条一臣がいた。
「なんだとーっ!!?」
摩波呂が顔を赤くして一臣を睨んだ。
怒りに拳を握り、一臣に近づいた。
顔が近い。
「音痴は歌うな。先生のピアノが聴こえねぇし、皆の耳が腐る」
摩波呂に聴こえる程度の声で、しれっと言ってのける。
「く、く、九条~ッ!!」
とうとう摩波呂が怒りを爆発させた。
0
お気に入りに追加
3,695
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる