闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

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祐羽が大きくなったといっても直人と慶太郎も同じ様に成長して、身長の差は埋められない。
そんな祐羽をふたりは見下ろした。

「いや、こんな場所にひとり置いて帰れない」

「これから暗くなるし、酔っ払いとか出てくる時間だし」

「アホな学生とかいるだろうし」

「お前は弱そうだから絶対に絡まれる!」

「あと可愛いから絶対に絡まれる!!」

「そんなこと無いよ~大丈夫だよぉ、あははっ。心配しすぎ」

慶太郎の断言に祐羽は「可愛いとかナイナイ」と手を振って否定した。

「お前はホワッとしててなんか絶対ヤバい!!」

「祐羽の迎えが来るまで一緒に待ってるよ」

ふたりの剣幕に祐羽は、困った顔をした。

「う~ん。僕はいいけど、ふたりは電車でしょ?時間掛かるし、申し訳ないんだけど…」

「いや、いいから気にすんな!」

「そうそう、俺たち時間あるし。それに駅まで10分だし」

直人に諭されて、それなら…と祐羽は有り難く受け入れた。

待っている間にふたりの学校の話を聞いたり、別のバイトの様子を教えて貰ったり。
気がつけば盛り上がってしまい、祐羽はすっかり迎えの時間が来ていることに気がつかないでいた。

「また3人で会えるといいね!」

「そうだな!」

「よし、近いうちに遊ぼうぜ」

祐羽の提案に慶太郎も直人も賛成と頷いた。
それから祐羽の肩を慶太郎が抱き込んだ。

「あ~~~祐羽変わらねぇな~。癒される~」

「えっ?」

「ほんと、それ。癒しだよ、お前は~」

反対側から今度は直人が抱き込んで、頭をコツンとぶつけてきた。
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