闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

文字の大きさ
上 下
356 / 1,008

告げる想い・3

しおりを挟む
僕は九条さんを怖いと思えなくなってる。
寧ろ優しい時間の方が多くて、楽しい思い出が記憶を覆っていく。

僕、嫌いじゃない…九条さんのこと…。

あんなにも強く傷つけられた心も今は痛くない事に気がついた。
心はあの日とは裏腹に穏やかだった。

何で?

なぜだか分かってしまった様な気がする。

今まで経験の無いこの感じたことの無い気持ちが自分を支配していく。
知らないはずなのに、この感情の名前を知っている。

間違いだったらどうしよう?
経験が無いから僕の勘違いだったら!?

この気持ちが本当にそうなのか確信が持てない。
第一に、言葉にしても九条には伝えられない感情だと理解出来た。

もしもそうだとして、でも言葉にして九条さんは?

僕は女の子じゃないし、お金持ちでもないし、何も特技さえない普通の子どもだもん。

有り得ない。

気がついた感情を表に出せない事に気がついた瞬間、祐羽は我慢していた涙が再び溢れてきた事に気がついたけれど唇を噛みしめて九条を見つめる事しか出来ない。

「僕は、九条さんのことが…」



好き。



…好きだ。



言っちゃダメだけど、言っても無駄だけど、たぶん嫌われるし、本当に縁が切れるかもしれないけど。

縁を切りたいと願っていたのに、今は繋がっていたいと、切りたくないと思っている。

九条さんを見てるだけでこんなにも胸がドキドキするし苦しくなるし、泣きたくなるほど好きなんだ。
今まで他の誰にもこんな気持ちになった事ないよ。

 見つめる九条がゆっくりと動いたかと思うと、大きな手を伸ばして祐羽の目元の涙を指先で優しく拭った。
驚いたけれど、祐羽は見つめ合った視線を外せなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

性的イジメ

ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。 作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。 全二話 毎週日曜日正午にUPされます。

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

ニューハーフ極道ZERO

フロイライン
BL
イケイケの若手ヤクザ松山亮輔は、ヘタを打ってニューハーフにされてしまう。 激変する環境の中、苦労しながらも再び極道としてのし上がっていこうとするのだが‥

少年野球で知り合ってやけに懐いてきた後輩のあえぎ声が頭から離れない

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。 ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。 だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。

a pair of fate

みか
BL
『運命の番』そんなのおとぎ話の中にしか存在しないと思っていた。 ・オメガバース ・893若頭×高校生 ・特殊設定有

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

処理中です...