336 / 1,008
いただきます
しおりを挟む
正直こんな店で豪華な食事などしたことのない祐羽は、不躾なまでに一品一品をじっくり見ていった。
刺身に天婦羅、それ以外にも小鉢などがズラリと並び、お碗等も所狭しと並べられている。
「それでは何かありましたらお申し付け下さい。では、ごゆっくりと…失礼致します」
そう言って従業員と女将が部屋を後にすると、室内には祐羽と九条、そして祐羽側の斜め後ろに中瀬が付き、九条側に眞山が付いた。
さっき女将の退室の際にチラリと見えたが、何度か見た事のある九条の部下が二人ほど廊下に控えていた。
そうか…九条さんヤクザの組長だし護衛みたいな人が必要なんだよね。
でも日本は平和な方だし、大丈夫だよね。
そんな心配が頭を過る頃、九条が「おいっ」と祐羽の物思いを遮断した。
「飯食うぞ」
「あっ、はい!」
返事をして居ずまいを正した祐羽は、ふと気がついた。
眞山さん達はご飯食べないのかな?
九条さんは別にしても僕も一緒にひとり先に食べるのって、悪い気がするんだけど…。
そう思ってチラッと眞山と中瀬を見ると(前向け)と中瀬から視線と口パクで注意を受けてしまう。
「二人の事は気にするな」
すると、九条がそう言うと眞山も頷いた。
「私達は先程の休憩時間に晩御飯を頂きましたので。他の組員も同様、ご心配なく」
眞山に優しく言われてホッと安堵する。
「あっ、そうなんですか」
「はい。ですから私達の事はお気になさらず」
眞山がその精悍な顔に笑みを湛えて頷いた。
もちろんそれは嘘で、眞山始め同行している組員達は簡単な軽食を口にした程度だ。
しかし今、祐羽に伝える事ではない。
「じゃぁ、すみません…。いただきます」
話が終わったと見て九条が料理に手を出したので、それを合図に祐羽も手を合わせ食前の挨拶をした。
刺身に天婦羅、それ以外にも小鉢などがズラリと並び、お碗等も所狭しと並べられている。
「それでは何かありましたらお申し付け下さい。では、ごゆっくりと…失礼致します」
そう言って従業員と女将が部屋を後にすると、室内には祐羽と九条、そして祐羽側の斜め後ろに中瀬が付き、九条側に眞山が付いた。
さっき女将の退室の際にチラリと見えたが、何度か見た事のある九条の部下が二人ほど廊下に控えていた。
そうか…九条さんヤクザの組長だし護衛みたいな人が必要なんだよね。
でも日本は平和な方だし、大丈夫だよね。
そんな心配が頭を過る頃、九条が「おいっ」と祐羽の物思いを遮断した。
「飯食うぞ」
「あっ、はい!」
返事をして居ずまいを正した祐羽は、ふと気がついた。
眞山さん達はご飯食べないのかな?
九条さんは別にしても僕も一緒にひとり先に食べるのって、悪い気がするんだけど…。
そう思ってチラッと眞山と中瀬を見ると(前向け)と中瀬から視線と口パクで注意を受けてしまう。
「二人の事は気にするな」
すると、九条がそう言うと眞山も頷いた。
「私達は先程の休憩時間に晩御飯を頂きましたので。他の組員も同様、ご心配なく」
眞山に優しく言われてホッと安堵する。
「あっ、そうなんですか」
「はい。ですから私達の事はお気になさらず」
眞山がその精悍な顔に笑みを湛えて頷いた。
もちろんそれは嘘で、眞山始め同行している組員達は簡単な軽食を口にした程度だ。
しかし今、祐羽に伝える事ではない。
「じゃぁ、すみません…。いただきます」
話が終わったと見て九条が料理に手を出したので、それを合図に祐羽も手を合わせ食前の挨拶をした。
21
お気に入りに追加
3,671
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
少年野球で知り合ってやけに懐いてきた後輩のあえぎ声が頭から離れない
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。
ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。
だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる