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落ち着かない空間
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そこは畳敷きの12畳程の空間の中央に、立派な黒柿の座卓が置かれている和室だった。
精巧な彫刻が施された欄間があり床の間には水墨画の掛け軸が飾られ、花が丁寧に活けてある。
こんな高級料亭など生まれて1度も来たことの無い祐羽は、ただただ雰囲気に圧倒されていた。
「座れ」
「あ、はい…」
九条に促されて漸く我に返り座椅子に座ると、反対側へと九条が腰を落ち着けた。
「用意したら構わなくていい」
「はい、畏まりました。それでは、お料理お持ち致します」
初めから心得ていたのか、お茶の用意をした女将は静かに下がって行った。
すると和室は一気に静寂に包まれた。
慣れない店にドキドキする祐羽を尻目に、九条はゆったりと寛いでいる。
その感じから、やはり通い慣れていることが分かった。
「す…凄いお店ですね」
緊張感から吃りつつ声を掛けると、お茶を口にしていた九条がこちらを見た。
「そうか?まぁ、飯はうまいぞ」
「!!」
そう言いながら九条が優しく目の色を変えたその瞬間、祐羽の胸が大きく高鳴った。
…本当に止めてほしい。
その動悸は、思わず胸を押さえたくなるほどだった。
九条さん、さっきかららしくないと思う…。
ヤクザで無表情で何を考えてるか分からない怖い人っていうのが九条さんだと思ってたのに、今日は違うんだもん…。
なんだか落ち着かなくて、思わず横に置いていたぬいぐるみを膝に乗せて手持無沙汰を誤魔化す。
あ~どうしよう。
なんか余計に落ち着かない。
このグルグルと巡る思考に、つい溜め息が出そうになってしまった。
※アンケートありがとうございました。
精巧な彫刻が施された欄間があり床の間には水墨画の掛け軸が飾られ、花が丁寧に活けてある。
こんな高級料亭など生まれて1度も来たことの無い祐羽は、ただただ雰囲気に圧倒されていた。
「座れ」
「あ、はい…」
九条に促されて漸く我に返り座椅子に座ると、反対側へと九条が腰を落ち着けた。
「用意したら構わなくていい」
「はい、畏まりました。それでは、お料理お持ち致します」
初めから心得ていたのか、お茶の用意をした女将は静かに下がって行った。
すると和室は一気に静寂に包まれた。
慣れない店にドキドキする祐羽を尻目に、九条はゆったりと寛いでいる。
その感じから、やはり通い慣れていることが分かった。
「す…凄いお店ですね」
緊張感から吃りつつ声を掛けると、お茶を口にしていた九条がこちらを見た。
「そうか?まぁ、飯はうまいぞ」
「!!」
そう言いながら九条が優しく目の色を変えたその瞬間、祐羽の胸が大きく高鳴った。
…本当に止めてほしい。
その動悸は、思わず胸を押さえたくなるほどだった。
九条さん、さっきかららしくないと思う…。
ヤクザで無表情で何を考えてるか分からない怖い人っていうのが九条さんだと思ってたのに、今日は違うんだもん…。
なんだか落ち着かなくて、思わず横に置いていたぬいぐるみを膝に乗せて手持無沙汰を誤魔化す。
あ~どうしよう。
なんか余計に落ち着かない。
このグルグルと巡る思考に、つい溜め息が出そうになってしまった。
※アンケートありがとうございました。
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