闇の覇王と無垢な花嫁

満姫プユ

文字の大きさ
上 下
330 / 1,009

歩調

しおりを挟む
 中瀬が受け取ってくれてホッとした祐羽は「中に、ぬりえとかハンドタオルとか入ってるんですよ」とにっこり笑った。

「ぬり、ぇ…」

 中瀬の頬が自然とヒクッとなった。
 そして贈呈された袋の中身をコソッと見た中瀬は複雑な顔で「ありがとな…」となんとか返した。
 おまけでくれるタオルなので、作りが若干粗い。
 サイズも小さくてデザイン的にも使い道がないのが正直なところだ。
 中瀬の(こんなのいらねー)という心の叫びは伝わるはずもなく…。

あっ。もしかして、これって中瀬さんとお揃いってこと?なんか嬉しいかも…。

と、口をニヤニヤムニムニする祐羽なのだった。

 そんなふたりを無視して、九条と眞山は次の予定を簡単に立てる。
 眞山がさっそく連絡を入れた先は、九条の為なら急な予約も直ぐに空けてくれるし、他言無用の話しをするにも信頼が置ける贔屓のところだ。

「これから向かうと連絡しました」

「おい、行くぞ」

 九条は中瀬とやり取りしていた祐羽にそう声を掛けると、さっさと歩き出す。
 歩き出した九条とそれに付き従う眞山の後ろを中瀬にせっつかれた祐羽が続く。
 中瀬に「横に行け」と言われても、行きづらい。
 何故なら、案の定前を行くふたりは買い物客の視線を一身に浴びているからだ。
 そんな中を並んで歩く勇気なんて出てこない。

 目立ちすぎなんだよね…せめてスーツじゃなければ…。

 スーツじゃない家での九条を思い出した祐羽は、どっちにしても注目を浴びてしまうという事に改めて気づくと、おとなしく後を着いて行く。
 そんな祐羽に合わせる様に、然り気無くゆっくり歩く九条に気づいているのは、眞山だけであった。
しおりを挟む
感想 160

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

ヤクザに囚われて

BL
友達の借金のカタに売られてなんやかんやされちゃうお話です

処理中です...