318 / 1,008
チャンス
しおりを挟む
うわっ…カッコいい。
祐羽は思わずその場に立ち止まり、内心呟いた。
よくも声に出さなかったと自分を誉めてやりたいものだ。
ゴクリと唾を飲んで、それから遠目から九条の横顔を眺めた。
赤や青、紫の光の渦が溢れる空間。
そこに整った顔立ちの九条が物静かに、まるで作り物を思わせる無表情で一点を見つめている。
その姿は言葉では現せない。
暫くぼんやりとしていたが、祐羽はあることを思いついてスマホを取り出した。
記念にと魚やペンギンをたくさん納めてきたし、自分も一緒に入ったりもした。
九条さんの写真1枚も無いから…記念、記念!
そう言い聞かせた祐羽はさっそく九条を撮ろうとするが、こんな時に限ってこっちを見ているのだ。
仕方ないので、まずはクラゲをパシャパシャ納めていく。
そんな祐羽を九条が時折見ているのを感じるが、知らん振りして撮っていく。
九条さん、さっきみたいにクラゲ見ててくれないかなぁ~。
クラゲを撮ったり観察する振りを続けて、タイミングを見計らう。
そうして焦れながら待って、数分した頃だろうか。
チャ、チャンスきたーッ!!
九条が丁度クラゲ水槽へ視線を向けていた。
これを逃したらもう、今この時の九条は永遠に撮る事は出来ないだろう。
九条との関係は絶ち切らなくてはならないのだ。
それも今日この場所で疑問をぶつけ、その答えを聞き、それから関係の終わりを伝えると決めて来たのだから。
祐羽は複雑な思いを胸にしたままクラゲ水槽越しに、九条を写真に納めた。
祐羽は思わずその場に立ち止まり、内心呟いた。
よくも声に出さなかったと自分を誉めてやりたいものだ。
ゴクリと唾を飲んで、それから遠目から九条の横顔を眺めた。
赤や青、紫の光の渦が溢れる空間。
そこに整った顔立ちの九条が物静かに、まるで作り物を思わせる無表情で一点を見つめている。
その姿は言葉では現せない。
暫くぼんやりとしていたが、祐羽はあることを思いついてスマホを取り出した。
記念にと魚やペンギンをたくさん納めてきたし、自分も一緒に入ったりもした。
九条さんの写真1枚も無いから…記念、記念!
そう言い聞かせた祐羽はさっそく九条を撮ろうとするが、こんな時に限ってこっちを見ているのだ。
仕方ないので、まずはクラゲをパシャパシャ納めていく。
そんな祐羽を九条が時折見ているのを感じるが、知らん振りして撮っていく。
九条さん、さっきみたいにクラゲ見ててくれないかなぁ~。
クラゲを撮ったり観察する振りを続けて、タイミングを見計らう。
そうして焦れながら待って、数分した頃だろうか。
チャ、チャンスきたーッ!!
九条が丁度クラゲ水槽へ視線を向けていた。
これを逃したらもう、今この時の九条は永遠に撮る事は出来ないだろう。
九条との関係は絶ち切らなくてはならないのだ。
それも今日この場所で疑問をぶつけ、その答えを聞き、それから関係の終わりを伝えると決めて来たのだから。
祐羽は複雑な思いを胸にしたままクラゲ水槽越しに、九条を写真に納めた。
21
お気に入りに追加
3,671
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる