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放ったらかし
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「わぁ…」
その幻想的な雰囲気に、祐羽は思わず立ち止まり声を漏らした。
ホームページで確認していたものの画面上と実際に目で見るのとでは全く違う。
ナイトタイムは昼間と違い照明も控え目にしてあり薄暗いが、ライトによって所々が明るく怖い暗さではない。
普段目にしない色合いによって、異世界にでも迷いこんだかの様ななんとも素敵としか言いようがない空間が広がっていた。
思わずその見事な世界観に魅せられて、祐羽は口をポカンとしてキョロキョロと黙ったまま視線をさ迷わせ歩き始めた。
壁に嵌まった水槽には、様々な魚が少しずつ展示されており水色のライトにキラキラと鱗を光らせていた。
「わぁ~…」
思わず覗き込む様に顔を近づけたその時、祐羽はハッと目を見張った。
ガラスに僅かに反射した自分の横に、スーツが写っていた。
九条を放ったらかしにしてしまっている。
ああっ、僕またやっちゃった…バカ!
時々、自分の世界に入ってしまう癖があるのは自覚していたが、これは不味いと現実に戻る。
慌てて隣の九条を仰ぎ見た。
「く、九条さん…」
「…なんだ」
思いきって名前を呼ぶと、九条が水槽に向けていた視線を自分へと落としてくる。
不機嫌にしたかと心臓が嫌な音を出したが、九条の声も顔もそんな様子は微塵もなかった。
どうしたのか?と、目がこちらに訊ねていた。
「あのっ、そのっ」
機嫌は問題ないと安心するどころか、逆に自分が心臓を高鳴らせる羽目になってしまった。
顔も熱くなり心拍数も格段に速くなる。
うっ!
なんか、オーラが凄いんですけど…。
九条の顔は心臓に悪いと、祐羽は心底思った。
その幻想的な雰囲気に、祐羽は思わず立ち止まり声を漏らした。
ホームページで確認していたものの画面上と実際に目で見るのとでは全く違う。
ナイトタイムは昼間と違い照明も控え目にしてあり薄暗いが、ライトによって所々が明るく怖い暗さではない。
普段目にしない色合いによって、異世界にでも迷いこんだかの様ななんとも素敵としか言いようがない空間が広がっていた。
思わずその見事な世界観に魅せられて、祐羽は口をポカンとしてキョロキョロと黙ったまま視線をさ迷わせ歩き始めた。
壁に嵌まった水槽には、様々な魚が少しずつ展示されており水色のライトにキラキラと鱗を光らせていた。
「わぁ~…」
思わず覗き込む様に顔を近づけたその時、祐羽はハッと目を見張った。
ガラスに僅かに反射した自分の横に、スーツが写っていた。
九条を放ったらかしにしてしまっている。
ああっ、僕またやっちゃった…バカ!
時々、自分の世界に入ってしまう癖があるのは自覚していたが、これは不味いと現実に戻る。
慌てて隣の九条を仰ぎ見た。
「く、九条さん…」
「…なんだ」
思いきって名前を呼ぶと、九条が水槽に向けていた視線を自分へと落としてくる。
不機嫌にしたかと心臓が嫌な音を出したが、九条の声も顔もそんな様子は微塵もなかった。
どうしたのか?と、目がこちらに訊ねていた。
「あのっ、そのっ」
機嫌は問題ないと安心するどころか、逆に自分が心臓を高鳴らせる羽目になってしまった。
顔も熱くなり心拍数も格段に速くなる。
うっ!
なんか、オーラが凄いんですけど…。
九条の顔は心臓に悪いと、祐羽は心底思った。
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